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ぐらぐらプレゼンツ・ファイナル脱獄ゲェム!
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【深緑庭園(2)】
「ちょっと待って……本当にどうなってるの? この部屋」
衿花は思わず、目を瞬きます。
魔力が暴走して生まれた森……なんて設定はさておき、魔女たる桜華が凝りに凝った造形はまさしく、本物の自然と見紛うばかりでありました。
「っと、見とれているばかりじゃダメね。謎解きイベントだもの。頑張らなくっちゃ」
「あら。そんなに肩肘張ることはないんじゃないかしら」
意気込む衿花に比べて、隣をゆったりと歩く冴来の落ち着きぶりは、衿花から見ればなんともオトナです。
「花風さん? 出口はこっちみたいですけど……」
「ええ、知ってる。出口が分かっているのなら、少しくらい寄り道をしたっていいわよね」
それでいてどこか子どものような奔放さ、無邪気さも持ち合わせていて、冴来はあくまでマイペース。
実のところ彼女には、出口までの道順が分かっておりました。先ほどのお茶会で、『ぐらぐら』にて購入した『
春のハーブティー
』……それも魔女の森にぴったりな、美しく色合いを変化させるマロウブルーの紅茶をいただいた冴来。ひと口味わった瞬間に、正しい道順がぱっと頭に浮かんできたのです。どんな仕掛けか、不思議な紅茶なのでした。
「『
Walpurgisnacht
』のお店も素敵だったけれど、この森だってとっても素敵。急いで駆け抜けてしまうのはもったいないって思わない? せっかくだもの、いろいろ見て回りましょう」
「そう、ですね。確かに……そうしましょうか」
「ええ。ゆっくりと、ね。ああ、これも素敵……ガラスでできた花だなんて!」
ここは魔女の森。まるで時の流れから隔絶された、この世ならぬ永遠庭園です。そんなところをゆったりと、風景に溶け込みながらもあくまで自分を崩さず歩む冴来の姿に、衿花は知らずのうち、ほうっとため息を漏らしました。
道なりに。時には外れて樹々の合間へ分け入り、時にはあえて誤った道へ進み、そこになにがあるのかを確かめて。思うさま不思議なものを眺めて満足すると、ようやく正しい道へと戻ります。
「見て。陶器の蝶がとまっていたわ」
「うわぁ、綺麗! ……あら?」
そんなふうにしばし森の散策を楽しんでいたところ、ふと。衿花はポケットからぼんやり、淡い黄色の光が漏れていることに気づきました。
おそるおそる取り出してみますと、
「これ……お店で買った、
12星座のアクセサリー
? 『蟹座のブレスレット』だわ! 光ってる……」
「黄色のシトリン。魔女の魔力がこもったお守り、といったところかしら」
うっとりと眺めたふたり。
注意深く見つめてみると、ブレスレットから伸びた光の軌跡が、森のどこかを指し示していることが分かります。方角は明らかに、出口のある場所からはずれているようです。
衿花は眼鏡のフレームをついと押し上げて、小さくうなずきました。彼女だって、この春からは立派な高校生です。生来の大人びたクールさ、冴えた思考が、やるべきことを導き出しました。
「もちろん、行きますよね」
「せっかくのお誘いだもの。ね」
どこか蠱惑的に微笑む冴来。前を向いて控え目に口元を緩めた衿花。
魔女の森に、ふたりの少女の歩む姿はなんとも、絵になりました。
その頃。森の魔女こと桜華は、戦々恐々としておりました。もちろん表向きは不敵な魔女の顔を崩さず心の中で、ですけれど。
(だ、大丈夫かな……ちゃんと楽しんでもらえてるかな)
ぶっちゃけ言いまして、桜華は魔力に満ち満ちた魔女でもなんでもなく、単なるひとりの隠れコスプレイヤーです。超然とした魔女の佇まいも、ものすんごい頑張ってキャラづくりをしてるだけなのです。魔法やら魔術やら、オカルティックな知識だってほとんどありません。
(あっ、誰か来る……! が、頑張らなくっちゃっ)
それでも、訪れてくれたみんなに楽しんでもらいたい。思い出に残るような、楽しいひと時を届けたい! そんな彼女の思いはもちろん、本物です。
ささっと身なりをチェック。濃紺の三角帽子も魔女のケープは、今日もばっちりキマっています。
おほん! とひとつせきばらい。桜華は胸を張って、お客さまを出迎えました。
「我が森の迷宮は、楽しんでもらえたかの? ふふふふ」
たどりついてみれば、出口にはなんだかんだで、お茶会と変わらない面々が顔を揃えておりました。
大きな切り株に腰かけて、ゆったりとくつろぐ魔女。そのかたわらには、なにやら奇妙なものが来訪者を待ち構えています。
「ああ、お腹が空いたなあ!」
「……扉がしゃべった?」
物珍しげにつぶやいた朱真。お隣からは美姫も、興味深く覗き込んでいます。
それは確かに、扉でした。しゃべる扉です!
「この顔……高校時代の恩師に似ている気がするな。そう、
吉田 熊吉
先生だ。体育は苦手だから、先生の授業はいつも大変だったな……」
「朱真ちゃん。今はそれどころじゃ」
「おっと、そうだった」
熊吉センセー似の扉は口をぱくぱく、ぎょろりとした目を動かして、ずうずうしくもお客さまに言うのです。
「退屈だし、お腹がすいたし、なにか美味しいものでも食べさせてくれないかなぁ。そうしたら僕は開いて、ここをとおしてあげるんだけどなぁ」
「ふふ……これはの、満足しない扉じゃ。こやつになにか食べさせてみれば、あるいは道が開けるやもしれんのう。挑戦してみるかの?」
仰々しく言って、魔女は来訪者たちへ手をかざします。心の中のどきどきはさておき、桜華の雰囲気作りはカンペキです。
扉には顔があれど、取っ手や、指を差し入れて開けられるような隙間のひとつすらありません。やはりぽっかりと開いているあの大きな口へ、なにかを食べさせてやらなければならないようです。
朱真はさっそく、
「このサシェは……魔女がわたしに選んでくれたものだからな。すまないが、同じ香りのするこれで我慢してもらえないだろうか」
差し出したのは、道なりに拾い集めたポプリのかけらです。ぐらぐらで購入したアイテムが役に立つそうですから、あながち間違いではなかったはずですけれど、
「う~ん、良い香りだね! でも僕が食べたいのは、こういうのじゃないんだよねぇ」
「なかなかグルメな扉さんですね……」
はむっと口を閉じてしまった扉がなんだか可愛らしく見えてきて、美姫はくすりと笑います。
「そう……そういうことね。分かったわ」
「あら、あなたも?」
なるほど! とうなずいたのは、衿花でした。どうやら隣の冴来も、なにを食べさせたら良いのか見当がついている様子です。
ふたりがそれぞれに取り出したのは美しい、不思議な輝きを帯びたオブジェ。白磁でできたキューブのようなもので、衿花のそれには蟹の、冴来のものは人の女性の形をした青い色ガラスがはめ込まれています。
「さっき、突然私のブレスレットが光りはじめて……光をたどっていったら、これが落ちていたの。あなたが食べたいのはこれじゃないかしら?」
「ああ、それそれ! それだよう! 早く食べさせておくれ!」
衿花のブレスレットは、十二星座の蟹座を模ったもの。つまり、星座のシンボルがあしらわれたこのオブジェを食べさせるのが正解!
ぱかっと開いたお口のなかへ、衿花が蟹座の白いキューブをころころころん。入れてみますと、
「う~ん。デリシャス!」
「それじゃ、こっちも。さっきいただいた紅茶のティーカップと同じ柄よ。食べてくれるかしら? 扉さん」
冴来の乙女座のキューブも、ころころころん。はむはむもぐもぐ。
「こっちもデリシャ~ス! いいよぉ、ふたりとも通してあげるよぉ」
どうやら大成功! 冴来と衿花は両手をぱちりと合わせました。
「それじゃ、次はわたしたちの番ですね」
進み出た美姫の胸に輝いているのもまた、十二星座をモチーフにしたアクセサリー。今ではすっかりお気に入りの天秤座のペンダントは、ぐらぐらで美姫が購入したものでした。
手のひらにはもちろん、白磁に色ガラスのシンボルがあしらわれたオブジェが乗っています。
「さっき、わたしのペンダントも光っていることに気づいたんです。光をたどってみたら、これが」
「わたしも、ポプリと同じ香りのするオブジェを見つけてね。これなら食べてくれるだろうか?」
衿花と冴来が扉にオブジェを食べさせている間、美姫と朱真も同じものを近くで見つけていたのでした。
美姫は天秤座。朱真は乙女座のオブジェをそれぞれ、扉の口へころころ、ころりん。
「どっちもデリデリ、デリシャ~~~ッス! すばらしいものを食べさせてくれてありがとう! 約束どおり、僕を通るといいよ!」
満足そうに言うと、扉はぱかっ! と開いて、四人をとおしてくれました。
「楽しかったよ、魔女さん。ありがとう」
「またお店にも寄らせていただきますね♪」
「私も。とっても素敵なお店だったし、また行けたらいいなって」
「またよろしくね。かわいい魔女さん」
「うむ。遠慮なく訪れるとよい。待っておるぞ」
朱真に美姫、衿花に冴来が扉をくぐり抜け、次の部屋へと去っていったところで。
「……はぁぁぁぁ……良かったぁ」
なんとか素の顔を出さずに済んだようで、桜華はひと安心。ぐったりとして深いため息をつきました。
どうやらお客さまにも大いに楽しんでもらえたようで、胸にのしかかるような疲労感もまた、かえって心地よいくらいです。
といってひと仕事終えたとばかりに、ぼうっとしているわけにもいきません。
「よーしっ。次のお客さんにも楽しんでもらえるように、頑張らなくっちゃ!」
休憩もそこそこに、桜華は魔女として次なる来訪者を迷宮の森へと迎え入れるべく、忙しく準備を始めるのでした。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
ゲーム
定員
1000人
参加キャラクター数
42人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年01月20日
参加申し込みの期限
2018年01月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年01月27日 11時00分
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