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- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【球技大会】とびきり熱い空の下
両チームの戦略は似ていた。ボールを取れば速攻で敵陣に攻め入る。
黒猫組は羽生 碧南がドリブルで切り込む。手強い相手に当たった時には鴻上 彰尋の技術に頼った。数々のフェイントで敵を抜き去り、ゴール近くまでボールを運ぶ。身長の高い相手に阻まれた時には機転を活かしてパスを出した。跳躍力と速度を併せ持つ志波 拓郎がゴールに叩き込んだ。
白猫組は如月 庚が司令塔となって速攻を仕掛けた。卯木 衛、輝楽 皐月、椎井 莉鳥の三人の速度で敵陣深くまで分け入った。高速でパスを回し、衛がレイアップシュートを決めた。高い壁に阻まれた時には岡瀬 結華と三ヶ島 葵の中距離のシュートが冴え渡る。
同じような展開の中でも差は生まれる。白猫組のゴール下には結城 永遠が控えていた。巨大な壁となって数々のシュートを叩き落とす。スリーポイント狙いのアリシア・エーゼルベルクの攻撃は例外でほとんど手が出せなかった。その為、ボールが回る前に衛がパスカットに努めた。
黒猫組の守りは主に優木 遥斗が受け持った。剣道で鍛えられた動体視力は敵の素早い動きにも付いていく。ゴールに蹴られたボールには時に拓郎が反応した。身長と脚力が最大の武器となった。
両チームが接戦を演じる中、碧南が懸命に指示を送った。
「鴻上君、ドリブルで上がって！」
「わかった！」
彰尋はドリブルで敵陣に飛び込む。ボールを突いていた右手に衛が迫る。
「簡単に行かせるかー！」
「速度勝負は挑まないよ」
ボールを左手に持ち替えた。その状態でドリブルを続ける。
「ちょ、なんだよそれ！？ ずりーぞ！」
衛は彰尋の背後を通って左手に接近を試みる。
「悪いね」
彰尋は右手に戻して衛を振り切った。ずりーぞ！ と叫ぶ声に少し笑ってゴールに迫る。
「ここか！」
軽やかに跳んでボールを上方に差し出した。永遠の手がそれを許さない。押し返して床に叩き付ける。
莉鳥が素早く拾ってドリブルを開始した。衛と皐月は両翼となって走る。
赤いおさげを振って御薗井 Ｅ セレッソが立ち向かう。
「ワタシが止めるヨ！」
莉鳥はゆっくりと上体を揺らす。セレッソの目が迷うような動きとなった。生まれた隙を衝いて右へと跳んだ。
莉鳥はセレッソを抜いた。直後に梢が目の前に現れた。瞬間、皐月にパスを送る。
「あらー、今回はあっさりパスされちゃいましたねー」
梢はくるりと回って追い掛けた。
皐月はフリースローラインに踏み込んだ。勝ち気な顔の八重崎 壱都が迎え撃つ。斜め後ろには気迫を漲らせた遥斗が控えていた。
「お願い！」
皐月は衛にボールを託した。
「あとは俺に任せとけって！」
壱都を抜き去って見つけた隙間に肩口から突っ込み、シュートを放つ。遥斗が横から手を伸ばしたが間に合わなかった。
衛は仰け反る姿で喜びを爆発させた。
「どーだっ！ これがドライブだぜ！」
「喜ぶところはそこじゃねぇだろ」
庚は手の甲で首筋の汗を拭った。顎先で得点表示板を見るように促す。
黒猫組は二十三点。白猫組は二十五点で一セット目を先取した。
両チームの各々が束の間の休憩に入る。
畑中 華菜子はクーラーボックスを手に提げた。
「選手を労うアルヨ！ 九月ちゃん、タオルは大丈夫アル？ 私、ちょっと多く持ってき過ぎたアルネ」
「量は多いけど、これくらい平気だよ！」
両手に持ったタオルは高々と積み上げられ、顔の半分が隠れていた。
「じゃあ、行くアル！」
華菜子は観客の中を突っ切って黒猫組へと向かった。
「みんな、飲み物を持ってきたアル！」
クーラーボックスを開けるとしんみりとした雰囲気は消し飛んだ。
手で顔に風を送りながら梢が歩いてきた。
「助かります。どんな時にも潤いは必要なのでーす」
「これ、アル！」
受け取ったペットボトルは額に当てた。安らいだ顔で息を吐く。
「セレッソちゃん、五月ちゃんも、しっかり水分補給するアルヨ！」
「ありがとナノ！」
「華菜子さん、ありがとう。応援に負けないように頑張ります」
薄野 九月が屈託のない笑顔で駆け寄る。
「おねーちゃーん！ おねーちゃーん！ タオルを持ってきたんだよ！」
「くーもありがとう。応援、ちゃんと聞こえてたよ」
「これからもいっぱい、応援するからね！」
「じゃあ、頑張らないとね」
五月は九月の頭を優しく撫でた。
「遠慮はいらないアル！ 飲み物は持ってきたアル！ どんどん飲んで欲しいアルヨー！」
「わたし、らぎらぎ先輩にも持っていくね！」
スポーツドリンクを手にした九月は白猫組のところに走っていった。
華菜子は複雑な表情で見送る。
「敵に塩ラーメンを送る気持ちでアルヨ、うん」
腕を組んで納得の様子で頷いた。
黒猫組は羽生 碧南がドリブルで切り込む。手強い相手に当たった時には鴻上 彰尋の技術に頼った。数々のフェイントで敵を抜き去り、ゴール近くまでボールを運ぶ。身長の高い相手に阻まれた時には機転を活かしてパスを出した。跳躍力と速度を併せ持つ志波 拓郎がゴールに叩き込んだ。
白猫組は如月 庚が司令塔となって速攻を仕掛けた。卯木 衛、輝楽 皐月、椎井 莉鳥の三人の速度で敵陣深くまで分け入った。高速でパスを回し、衛がレイアップシュートを決めた。高い壁に阻まれた時には岡瀬 結華と三ヶ島 葵の中距離のシュートが冴え渡る。
同じような展開の中でも差は生まれる。白猫組のゴール下には結城 永遠が控えていた。巨大な壁となって数々のシュートを叩き落とす。スリーポイント狙いのアリシア・エーゼルベルクの攻撃は例外でほとんど手が出せなかった。その為、ボールが回る前に衛がパスカットに努めた。
黒猫組の守りは主に優木 遥斗が受け持った。剣道で鍛えられた動体視力は敵の素早い動きにも付いていく。ゴールに蹴られたボールには時に拓郎が反応した。身長と脚力が最大の武器となった。
両チームが接戦を演じる中、碧南が懸命に指示を送った。
「鴻上君、ドリブルで上がって！」
「わかった！」
彰尋はドリブルで敵陣に飛び込む。ボールを突いていた右手に衛が迫る。
「簡単に行かせるかー！」
「速度勝負は挑まないよ」
ボールを左手に持ち替えた。その状態でドリブルを続ける。
「ちょ、なんだよそれ！？ ずりーぞ！」
衛は彰尋の背後を通って左手に接近を試みる。
「悪いね」
彰尋は右手に戻して衛を振り切った。ずりーぞ！ と叫ぶ声に少し笑ってゴールに迫る。
「ここか！」
軽やかに跳んでボールを上方に差し出した。永遠の手がそれを許さない。押し返して床に叩き付ける。
莉鳥が素早く拾ってドリブルを開始した。衛と皐月は両翼となって走る。
赤いおさげを振って御薗井 Ｅ セレッソが立ち向かう。
「ワタシが止めるヨ！」
莉鳥はゆっくりと上体を揺らす。セレッソの目が迷うような動きとなった。生まれた隙を衝いて右へと跳んだ。
莉鳥はセレッソを抜いた。直後に梢が目の前に現れた。瞬間、皐月にパスを送る。
「あらー、今回はあっさりパスされちゃいましたねー」
梢はくるりと回って追い掛けた。
皐月はフリースローラインに踏み込んだ。勝ち気な顔の八重崎 壱都が迎え撃つ。斜め後ろには気迫を漲らせた遥斗が控えていた。
「お願い！」
皐月は衛にボールを託した。
「あとは俺に任せとけって！」
壱都を抜き去って見つけた隙間に肩口から突っ込み、シュートを放つ。遥斗が横から手を伸ばしたが間に合わなかった。
衛は仰け反る姿で喜びを爆発させた。
「どーだっ！ これがドライブだぜ！」
「喜ぶところはそこじゃねぇだろ」
庚は手の甲で首筋の汗を拭った。顎先で得点表示板を見るように促す。
黒猫組は二十三点。白猫組は二十五点で一セット目を先取した。
両チームの各々が束の間の休憩に入る。
畑中 華菜子はクーラーボックスを手に提げた。
「選手を労うアルヨ！ 九月ちゃん、タオルは大丈夫アル？ 私、ちょっと多く持ってき過ぎたアルネ」
「量は多いけど、これくらい平気だよ！」
両手に持ったタオルは高々と積み上げられ、顔の半分が隠れていた。
「じゃあ、行くアル！」
華菜子は観客の中を突っ切って黒猫組へと向かった。
「みんな、飲み物を持ってきたアル！」
クーラーボックスを開けるとしんみりとした雰囲気は消し飛んだ。
手で顔に風を送りながら梢が歩いてきた。
「助かります。どんな時にも潤いは必要なのでーす」
「これ、アル！」
受け取ったペットボトルは額に当てた。安らいだ顔で息を吐く。
「セレッソちゃん、五月ちゃんも、しっかり水分補給するアルヨ！」
「ありがとナノ！」
「華菜子さん、ありがとう。応援に負けないように頑張ります」
薄野 九月が屈託のない笑顔で駆け寄る。
「おねーちゃーん！ おねーちゃーん！ タオルを持ってきたんだよ！」
「くーもありがとう。応援、ちゃんと聞こえてたよ」
「これからもいっぱい、応援するからね！」
「じゃあ、頑張らないとね」
五月は九月の頭を優しく撫でた。
「遠慮はいらないアル！ 飲み物は持ってきたアル！ どんどん飲んで欲しいアルヨー！」
「わたし、らぎらぎ先輩にも持っていくね！」
スポーツドリンクを手にした九月は白猫組のところに走っていった。
華菜子は複雑な表情で見送る。
「敵に塩ラーメンを送る気持ちでアルヨ、うん」
腕を組んで納得の様子で頷いた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2018年01月27日
- 参加申し込みの期限
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- 2018年02月03日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2018年02月03日 11時00分
