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みんなでやれば……
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昼下がり。
目もそむけたくなるような惨状であった河原の清掃であったが、それでも学生たちによる懸命な活動の甲斐あって、ボランティアはいよいよ終局を迎えていた。河川敷はゴミだらけであった当初とは見まがうほどにその美しさを取り戻し、どこか淀んで見えた川は清浄なせせらぎを取り戻している。疲れた心で学生たちが見渡す限り、一帯は旧市街の昔ながらの風情を取り戻しつつあった。
後は山となって積まれたゴミ袋を片すだけ。学生はラストスパートだと行きこんでいたのだが、ふとした拍子に、これまでしきりに指示を出していた樫本が河原からいなくなっていた。いつの間にやら意気投合して親しくなっていた天野曰く、ゴミ用のトラックを運転しに行ったのではなく、何かの準備があるからと自分の家に戻っていったのだという。
「こっちは終わったよ、何か手伝うことある?」
「ありがとうございます、でも、このあたりもすっかり片ついてしまいました」
体をほぐすように伸びをした天野が歩み寄ってきて、箒で細かなちりくずを掃きとっていた聖が穏やかにほほ笑みかける。手慣れた箒の手さばきでちりを集め、その最後の一掃きをちりとりで集める。河原の隅にまで至った聖の箒により、この周辺にはちりの一つも落ちてはいない。
仕上げの掃き掃除もあらかた終えて、正直なところ、聖もまた手を余している状態であった。
「では、掃除が終わったことを樫本さんに報告に行きましょう」
「今はいないよ? すぐ戻ってくるって言ってたんだけど」
「そうなのですか?」
ではどうしようかと、聖は困ったように頬を撫でた。美しく蘇った河原を見渡したところ、明らかに掃除も終わってしまった雰囲気で、殆どの学生はすることがなくて手持ち無沙汰の様子だった。
「みんなー! ご苦労様ー!」
河原に甲高い声が響く。学生たちがそこいらをぶらつくなどして暇を持て余していれば、いつのまにやら戻っていた樫本が声を張ってきたのだ。学生たちが一様にして振り向くと、何やらリアカーを背負った樫本の他にも、いくつかの人影が存在した。
「あらやだ、みんな初々しくってかわいい子ばかりじゃない?」
「いやねぇ、今日は営業に来たんじゃないでしょ?」
「みんな、今日はご苦労様、おかげさまでここも綺麗になったわ~」
「!!!」
殆どの学生が、特に男子が、驚愕すべきその光景に目を見張った。樫本はいい、もう見慣れたから。しかしその隣に、同じような女々しい格好をした中年男性が、数えること1、2、3……樫本と合わせて四名の女性的中年男性が、揃って似たような甲高い声を出してその場に居並んでいたのには驚かされた。
やっと樫本が帰ってきたかと思えば、いつの間に増えたのだろうか。考えるまでもなく樫本が自身のコネか何かで仲間を呼んできたのであろう。ではいったい何故? 掃除はもう終わったというのに、なぜ今になって仲間を呼ぶような真似をしたのか?
「頑張ってくれたから、ごほうびの時間よ~」
樫本が手をそろえて、学生たちに甲高い声で言い放った。その隣に並んでいる中年男性たちも、腕組みをしていたり頬を撫でていたり、どことかく悪戯な笑みを浮かべているように見えてならなかった。
間違いなく、自分たちの前にとんでもない恐怖が待ち受けている。学生の、特に男子たちはそれを敏感に感じてならなかった。中には嫌な予感に身をすくめる者もいて、それを実際に回避しようと試みる者もいて……。
「あっ! じゃー僕は帰るねみんな! ごほうびは遠慮しておくよ! バイバーイ」
一同に手を振って、先程見つけたゲーム機片手に天才が勢いよく駆けだす。きっとろくでもないカッシーからのごほうびなどはいらない。が、全速力で河原を抜けきる寸前、樫本の腕に襟首を掴まれて未遂に終わってしまう。
「ぎゃ!」
「まぁまぁ待ちなさい、ユメちゃん」
「そうそう、頂けるものは頂かないとね、てことで俺は失礼しまーす」
自分は走る必要などない、影に身を包むだけで帰宅することが叶う。あたかも他人事のように捕まって暴れもがいている努努を遠巻きに眺めつつ、伸幸は『ろっこん』発動の為にそこの木陰へと歩く。そうすれば安全に帰れたはず。
だが、何故察知されたのだろう? 颯爽と立ちふさがった樫本に勢いよく襟首を掴まれて、伸幸は「ぐへっ」と声を漏らす。
「あなたも待つのよ、真辺くん」
「やだー! 帰るー! うわああああん!!」
「やぁ、俺だって自分の身は大切よ……!」
必死に逃れるべく喚いて暴れる努努と、それとは逆に大人しく、だが力なくへにょりと笑っている伸幸を捕えつつ、樫本は盛大に溜息を吐いた。
「あなたたち何を言ってるの? 折角みんなで作ったんだから、食べて行きなさいよ」
「「え?」」
間もなく訪れるであろう絶望を待つばかりの気分だった二人が、樫本の言葉に意外そうな声を揃えて顔を上げた。
「はい、君たちの分よ」
樫本が手を放し、自由の身になった二人に、樫本の連れてきた仲間の一人が優しい笑顔で何かを差し出してきた。
手渡されたのは、具だくさんの美味そうな弁当だった。
●
すっかり綺麗になった河原の元、聖の敷いてくれたシートの上で、一同は樫本たちに配られた弁当を楽しげな談笑と共に口にしていた。樫本の連れてきた中年男性たちは樫本の店の常連たちで、自分たちが河原の清掃に勤しんでいる間、せっせとこの弁当を作ってくれていたらしい。
「綺麗になった場所で食べる弁当は最高ですね、ありがたく頂きましょう」
「うふふ、そうですわねぇ」
蓮と七星が満足そうに笑いあいながら箸を進める。弁当の内容は重労働の後の空腹感にはちょうど良いほどに具だくさんで、しかも作りたてらしくまだ温もりが残っていた。
「実は、私も作ってきたんです、よかったらどうぞ」
水筒を持って学生たちにお茶を振舞っていた聖は、一同が見守る中、風呂敷で包んであった重箱を差し出した。いざ蓋を開けてみれば、形の良いおにぎりや大きな唐揚などがぎっしりと詰まっている。
「あら、こんなに美味しいお茶まで頂いたのに、いいのかしら?」
「はい、どうぞつまんでください」
本日はその巨躯をもって粗大ゴミの片つけに大きく貢献した蛇那伊だからこそ、それ相応に空腹を感じてならなかった。先程聖から汲んでもらったお茶の紙コップを見せて蛇那伊が遠慮がちに聞くと、聖は両手の指を絡め、朗らかに微笑んで答えた。
「ねぇ、晴海さんと八神くん知らない? お弁当渡したいんだけど……」
和気あいあいと食事は続く、そんな中、キョロキョロと周囲を見渡しつつ、翡翠が二人分の弁当を持って訪ねてきた。
「二人なら『ブラックごみごみホール』を見に行ったぞ、メシより実験がしたいんだと言っていたな」
「お弁当は置いておいてって言ってたから、翡翠ちゃんも早く食べようよ!」
刀と円に誘われ、頷いた翡翠も靴を脱いでシートの中へと入って行った。
「さて、俺はそろそろ……」
折角の弁当だったが、それをあたかもかきこむように食べてしまい、士は一同に別れを告げてすくと立ち上がった。
「えぇ~、もう行っちゃうの? あたしを置いてくなんてひどいぞ~、ぷんぷん!」
「大丈夫? もちょっと顔色悪いけど……」
士の足取りは見るからに不安定だ。当初から士の不調に感づいていた優は無論、次第に空音の表情も不安げなものと化していった
「なんだか少しくらくらするな……この後報告書書かなきゃならんのに……風邪でも引いたか……?」
空音がねだるように上目遣いをして、優が心配そうに顔をのぞいてくる。士はそれに顔をひきつらせつつも答えつつ、立ち眩みの様な感覚を自身でも感じ、自身の額に手を当ててみた。
熱はない、ではこの足をふらつかせる倦怠感は何だろう。最近は仕事続きで疲れているのかもしれないな。今日も重いゴミを積極的に運んだし……しかしまだ、帰って報告書を書く作業が……。
士がぼんやり考えていれば、突如、その意識が暗転した。
バタリ。
「うわっ! 士くん!!」
突然の出来事に、優が普段では決して出さないような大声を上げる。
重たい足取りで立ち上がった士が、そう思った次の瞬間には、その体がふらりと傾き、倒れてしまったのだ。
「きゃっ! ええっ、士くん、士くん!?」
「何、どうしたの?」
突如倒れた士の体を揺り起こしながら必死に声をかける空音の緊迫感は、すぐに弁当を食べていた周囲へと伝播した。
まさかの事態に一同は驚愕し、その中の一人が慌てて携帯で救急車を呼ぶ。学生に呼ばれて駆け付けた樫本はうろたえながらも、とにかく士を仰向けにするよう学生に命じた。
(俺が倒れたことは……他の連中には黙っててくれ……)
沈みゆく意識の中。日頃の激務のせいか溜まりに溜まった疲労についに身を任せた士は、心地よさそうな寝顔をして、口の端から静かにそう漏らした。
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あとがき
担当マスター:
tsuyosi
ファンレターはマスターページから!
お待たせいたしました、そして皆様のキャラクターはお疲れ様でございました。皆様の活躍のおかげでゴミだらけだった河原は見事綺麗になりました! 今回は文字通り汚れ仕事となってしまいましたが、また次のシナリオにて、皆様のご参加お待ちしております。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
tsuyosi
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年06月17日
参加申し込みの期限
2013年06月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年06月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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