フード・プレゼン・バトル　〜語れ！　好きな食べ物！〜｜リアクション

フード・プレゼン・バトル　〜語れ！　好きな食べ物！〜

８　御剣刀によるプレゼン『丼もの（牛丼、カツ丼、天丼、親子丼、海鮮丼）』　

「次は御剣刀さん、どうぞ〜！」
「ども」
短く言って、刀が登壇した。
「俺がプレゼンするのは、これ。——米だ」
刀は一杯の丼を観衆の前に掲げた。その中には白飯が盛ってある。
「日本の食卓は米と共にあった。というか米がないと始まらなかった」
滔々と語り始める。
「……だから米を品種改良してもっと美味しくしていき、また、米に合わせた様々な料理が生み出され、米自体の食べ方も食べる側の要望に合わせて色々な工夫がされていった。『米をどう食べるか』が、日本人にとって重大な問題だった」
刀は指折り数えて見せる。
「おにぎり、寿司、海苔巻き、雑炊、餅……ライスバーガーなんてのもある」
要するに、お米・ご飯を使った料理たちだ。枚挙にいとまがない。
「このように、米は様々な形で俺たちの食生活に染み込んでいる。そして、その中でも、現代日本で最も市民権を得ている形式がある——そう、丼だ」
刀はニヤリと笑った。そして、一気にまくし立てる。
「米の上におかずを乗せて食べる方法だ。器から調理方法まで突き詰めて出来たものだから、当然うまい！　まずこれが大事！　丼は美味い!!　皆も味わった事はあるだろうけど、丼をかきこむ快楽は凄いぞ！　味わった事がない奴は一度試してみるといい、ホントに凄いから！」
一気にギアを上げてマシンガンのように語る刀。
テーブルに並んだいくつもの丼の蓋を開けていく。
「そして種類が豊富！　ご飯に合えば大体丼に出来る！　牛丼、海鮮丼、かつ丼、天丼、親子丼！　挙げればキリがない！　地域の名産を使った限定丼とかもあるしな！　旅行とかで探してみると楽しいぞ」
牛丼、海鮮丼、かつ丼、天丼、親子丼。
様々な『丼もの』が一列に並んでいる様はまさに壮観だった。どれにも違った良さがあるが、共通しているのは、「ご飯が進む」という点だ。
「付け加えるなら、蓋の存在も大きいと思う。保温する為の道具だけど、蓋を開けた時にふわっと香る丼の匂いが食欲をそそる。これは丼ものの特徴だ」
たしかに、蓋を開けた瞬間に立ち昇る湯気や香りは、丼ものの醍醐味のひとつだろう。
「俺だって全部分かっている訳じゃないけど、その俺でもこれは主張したい。丼は美味い!!!」
世界に宣言するように声を張った刀は、ふとお腹を押さえた。
「語ったら腹減ったな……。かつ丼をいただくぞ！」
そしてかつ丼を勢いよく口へかっこんだ。
「あー！　うめえ！」
あまりに美味しそうに食べる刀を見て、観衆の胃袋が米しか受け付けなくなった。

〜実食タイム〜
時田「えへへ……これ、自己流スクランブルエッグ丼。ご飯にスクランブルエッグを乗せて、醤油をかけて完成。ジャンキーだろ〜？　でも美味いんだこれが！　ムハムハッ！　丼最高！」
アケーチ「親子丼……ですか。そのネーミングの残虐性も、この美味の前では霞みますねえ？　しかもこのマッチ感の高さは、やはり親子にしか出せないんでしょうねぇ……あぁ、うまいッ！」
あんず「ぎゅーどん！　つゆだく！　おーいしー！　とろとろ玉ねぎ！　ぎゅーにく！　おいしー！」
流「贅沢感で言えば海鮮丼の右に出る丼はないよな。刺身のほんのりした甘みに、硬めのご飯。ツンと効くワサビ醤油。口の中が幸せだ！」

それぞれが思い思いの丼に舌鼓を打った。米のポテンシャル、丼のメリットを再認識させられた。