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ぬいぐる図書館の夜
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頬に、馴染みのある柔らかな触感がした。
「ん……」
それは、
タイラ・トラントゥール
が大事にしているdoudou──フランス文化では、幼い子供にも早くから独り寝の習慣が身に付けさせられる。その一環として与えられたぬいぐるみ『シャルル』の感覚だった。
黄金の毛並みに鮮やかな露草色の瞳。タイラそっくりの色を持つ、腹ばいに寝そべる虎のぬいぐるみ。
シャルルは、まだ同じくらいの大きさであったタイラの生まれたばかりの頃にトラントゥール家を訪れた。それ以来、ずっとタイラと共にある。
幼い頃には、我慢強いタイラがそれでも我慢できない悩みを相談したり、親族の集まりで辛いことがあれば、静かに部屋に戻って強くシャルルを抱き締めればそれだけで落ち着いた。孤独が癒やされた。安心できた。
年を経て今もなお、タイラにとってシャルルは本当に大切な存在なのだ。
「起きて。タイラ、起きて」
「……」
頬に当たるのは、間違いなくそのシャルルの感覚。
併せて掛けられた声にタイラが目を覚ませば。
そこには肉球を持つ手で、机に伏して眠っていたタイラの頬を押すシャルルの姿が。
「シャルルが……喋ってる」
◆ ◆ ◆
「よしっ! 早速本探しだ!」
両脇にぬいぐるみのキアとヌイ・グルタミンさんを伴った
源 竜世
が、ぐっと握りこぶしを作って元気に本棚の群れの中を歩き出した。
竜世は、そのままだんだんと勢い余った結果、駆け足でそれっぽい本棚へあちこち一直線に突き進んでいく。図書館は走ってはいけないと言う暇も無く、その猛進ぶりにキアとヌイも必死になってついていった。
「どこだーどこだー?
……これかっ?『効率の良い昼寝の仕方』!」
「惜しいのだ。それでは昼寝好きなお友だちが、効率を守らず一層怠惰になってしまうのだ」
「じゃあ、こっちは!?『彼氏とらぶらぶになれる本』!」
「もう彼氏が出来ていたら参考にならないわっ」
ヌイとキアの言葉に「だよなぁ……」としょんぼりと竜世は本棚に本を戻す。
「なかなか見つかんねーなー。
……ん?」
しばらく駆け巡って一生懸命探すが、中々これという本がない。竜世が一旦息をついて、本に何気なく手を掛けた時。偶然見つけたそのタイトルに目を輝かせた。
「あっ! これか『効率の良い時間の使い方』!」
「おおっ、見つかったのだ! 感謝なのだ!」
「よっし、あったーっ!!」
溢れる元気さを隠さず、全力で喜びを叫んでガッツポーズをした竜世に、ヌイから二度目の『シーッ!』が入る。
「えぇっ! ……っと、おっきい声も出しちゃいけねえんだった」
竜世は慌てて清々しく叫んだ口許を押さえると、ヌイに探していた本を渡して、ふと目にした視界に瞬きを一つ。
「あれ──キアがいねえ! はぐれたのかっ? 探さないと!!」
◆ ◆ ◆
「おはよう。タイラ」
自分と同じ鮮明な空の蒼に彩られた瞳が、落ち着いた声音と共に、じっとタイラを見つめてくる。
「これは一体どういう事だ。ぬいぐるみが動いて話をする夢を見るだなんて……
ボクも、まだ子供ということなんだろうか……」
思わずタイラがこめかみを押さえて目を閉じる。
しかしそこから瞳を開いても、夢は醒めるどころか、不思議なことにその友人達の姿までも映し出してきたではないか。
「遠くに走り回ってるのはトリ頭じゃないか──奥には翔らしき奴もいる……
翔はともかくあのトリ頭まで出てくるなんて随分とおかしな夢だな……?」
だとしたら余り考えたくない事実である。そう、頭を抱えて俯いたタイラに、シャルルがゆっくりと事情を説明し始めた。
「……」
しかし、目を覚ましたばかりのタイラにしてみれば、それらはやはり夢以外で納得するには難しく、しばらくの間、仏頂面で周囲の様子を窺い見ていた。
しかし、シャルルの言葉を裏付けるように、先程竜世と一緒にいた、キラキラとしたスパンコールやアクセサリーを付けたプリマチュチュの踊り子衣装を着たキアが、とてとてと間近にやって来たのを見ると、流石にタイラも目を丸くした。
「もうっ! みんな、凄い勢いで走るんだものっ、はぐれてしまったわっ!
すっかり迷子っ。あなた、良かったら私の本を探すの手伝ってちょうだい!」
タイラは驚いたまま、シャルルと一度顔を見合わせる。そして、シャルルが同意するように頷くのを目にしてから、タイラは少し目線を逸らしつつもキアへと向き直った。
「……まあ、いつまでも考えて動けないなんて頭が悪すぎるしな」
タイラは、机の上にいたシャルルをいつも通りに抱きかかえて立ち上がった。
「しかたない、シャルルもいるしボクも手伝ってや……」
「──タイラ?」
「……!? 翔!」
両側を本棚に挟まれた正面通路から、ゆっくりと
鳳城 翔
がタイラの状況に目を見開いた様子で歩いてくる。
もちろんタイラは、腕には大切にシャルルを抱え、足元には女の子のぬいぐるみを寄り添わせての光景である。
「こ、これは──!!」
「あ、キア見つけたー! こんな所にいたんだ!」
タイラが翔に言い訳をする暇も無く、今度は横手から本を持つヌイを連れた竜世が駆け寄ってきた。
「あれっ翔やタイラもいるのか!
タイラの近くにいるのはタイラんちのヤツ? バルティーグルに似てるな!」
白虎を模したタイラのカプセルギア──バルティーグルに似ていると言われたシャルルは、タイラが大事に抱える腕の中から竜世に向かい挨拶をした。
「はじめまして。シャルルだよ」
「シャルルっつーのか! 俺は源竜世よろしくな!」
「シャルル! そんなトリ頭に挨拶なんかするな!!」
タイラは、慌てて抱えていたシャルルを背後に隠そうとする。
その様子を、日常の友人への表情を装おうとして、それでもつい浮かんでしまう笑みを隠せずにいる翔と、思い切り目が合った。
「……」
「ち、違うぞ!! これはみんな持っているものだからな!
ボ、ボクは普通だぞっ!
フランスでは子供にはみんなdoudouを与えられるんだ!」
顔をこの上ないまでに上気させながら、限界まで動揺を隠しきれないタイラに、翔は更にそれを生温かい──微笑ましい目で見つめている。
「な、何を見ている!?」
「いや、ぬいぐるみとか好きだったのか。意外だった」
翔は、今度はそれに生──もとい、不思議な温度を備えた温かく見守る微笑みも添えて、一つ頷くとそれ以上何も言わずにその場所を後にした。
「だから、シャルルを、うるさい玩具と一緒にするな!」
「まあっ、うるさいってどういうこと! こんなお淑やかなレディもいないっていうのに!!」
足元で、キアが大騒ぎする。
「だ、誰もお前のことだなんて言ってないだろう!」
足元のキアとゴタゴタし始めたタイラの様子に、彼のカプセルギアとの在り方を知っている竜世はとても不思議そうに首を傾げた。
「……でもさぁ、ぬいぐるみと仲良くなれるならギアと仲良くしててもおかしくないじゃん?
それなのにそっちは認めねえなんて変なヤツ!」
「──!」
『変なヤツ!』──竜世の言葉が、違和感として胸を強く打った。タイラは不意を突かれた驚きに、それに符合する言葉を探すが見つからない。
そしてタイラは、衝撃を受けた心の原因を探れないままに、思ったままを口にした。
「『バルティーグル』は玩具だ。それ以上じゃない」
そう形にすれば、タイラの胸から、先程叩き付けられた言葉の違和感がすっと消えた。
それをもって──タイラは自分の言葉の方が正しく、先程の違和感の方が間違っていたのだと理解する。
「そう言えば、シャルルはタイラにどんな本を探しているんだ?」
竜世は話を仕切り直して、タイラが先程、恥ずかしさに翔達の視線から隠すように持っていたシャルルに話し掛けた。
「シャルル、それならボクが自分で探──」
「タイラに見せたい本は明日のお楽しみだよ。
だから、タイラは良かったら他の子を手伝って上げてほしいな」
「おー! シャルルもタイラに本を探すんだよな。
じゃあ手伝ってやるよ!」
竜世がそう言うと、シャルルは承諾したようにタイラの腕の中から、伸ばされた竜世の手へと飛び移った。
そのままひょいと竜世はシャルルを頭の上にきちんと収まり良く乗せて、
「出発進行ー!!」
「あ、こら! 待てトリ頭!!」
あっという間の出来事だった。
こうして取り残されたのは、ぬいぐるみのキアとタイラのみ……
「それで……何を探せばいいんだ?」
しばらくの沈黙の後。タイラから、こちらの方は見ていなくても、確かに届いたぶっきらぼうな言葉に、キアは目を輝かせた。
◆ ◆ ◆
「どんな本探すか決まってんの?」
柔らか素材のシャルルを頭に乗せて、図書館をめまぐるしく縦横無尽に動き回りながら、竜世はシャルルに問い掛けた。
「そうだね、一応決まってるよ」
「あ、そうだドラゴン図鑑なんてどうだー? さっき見たんだけどすっげーカッコよくてさ!」
「うんうん」
「んー、でも決まってんならそっち探さないとな!」
こうして、竜世とシャルルはしばらく図書館内を走っていたが、他のぬいぐるみから『図書館は静かに!』と三度目の『シーッ!』を喰らってしまってからは安全運転で歩き回って本を探した。
「あ、多分ここの本棚」
「見つけたのか!」
「うん、でももっと上の方かな」
「んー、じゃあ俺が持ち上げてやるよ!」
竜世は笑顔でひょいと頭の上にいたシャルルの胴体を両手に掲げて、更に高いところが見えるように持ち上げる。
「もう少し左でも大丈夫?」
「おー! もう少し左……っと」
竜世の頭上から、本ががさごそと動く音がする。
「よいしょっと」
「ちゃんとゲットできたかー?」
「うん、取れたよ。ありがとう」
その声を合図に、竜世がシャルルを前に降ろす。
シャルルが抱えている為、本のタイトルは見えないが竜世は本が取れた事を自分のことのように喜びながら、ぬいぐるみ達が話していたオネーサンを探しに行った。
オネーサンに本を見せて預けておくと、翌日不思議なことに確実にその本がぬいぐるみの持ち主の元へ届くらしい。
「あ、いた!
オネーサン、この本お願い!」
あっちこっちへと動き回るぬいぐるみの様子を見ていたオネーサンの姿を見つけて、竜世が勢い良く本を差し出す。
それを見た、オネーサンと呼ばれる女性はとても嬉しそうに微笑むと、タイトルを忘れないよう確認するかのようにその本を受け取った。
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シルバーシナリオ(150)
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3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年01月04日
参加申し込みの期限
2018年01月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年01月11日 11時00分
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