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ちゃぶ台ファンタジー
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休日にも関わらず、
八神 修
と
椿 美咲紀
は制服姿で街中を歩いていた。射撃部として裏山を利用した練習メニューをこなした。その後、美咲紀の提案でシーサイドタウン駅へと赴いた。
胃袋が愛らしく鳴いた。美咲紀は腹を押さえて隣に弱々しい目を向ける。
「さっきは軽い飲み物を提案したのですが、もっと胃袋にドカンとくる物を食べたくなりませんか?」
「確かに小腹が空いたけど、そこまでは考えていなかったな。電車を経由して帰ればすぐだし、星ヶ丘寮の邸宅には昼食も用意されている」
涼しげな顔で修は返した。美咲紀は怒りにも似た表情で小刻みに頭を振った。
「今が空腹のピークなのです。飲食には最高の時を迎えているのですよ。この機会を失うと、次はないことはないですが、とにかくお腹がキュルルンなのです!」
「少し部活動を張り切り過ぎたみたいだな。大会に向けては良いスタートを切れたとは思うが」
修は苦笑いで答えた。仕方ないという風に飲食店に目を移す。
「ファーストフードはどうかな。少し物足りないか」
「この瞬間、すき焼きに決まりました!」
美咲紀は駆け出した。ポニーテールを風に靡かせて噴水を目指す。
「急にどうしたんだ?」
状況が呑み込めないながらも後を追い掛ける。
「やっぱりなのです! シュー君、ほら、すき焼きですよ!」
笑顔で飛び跳ねる。修が来るのを待ち切れず、置かれた座布団に座った。
「こんなところにすき焼きが……本当にあるな」
修は不審な物を見るような目で言った。
噴水の側にはちゃぶ台があった。その上には大きな銅製の鍋が置かれていた。すき焼きの具材は程良い色になって煮えている。青磁の大皿には追加用の野菜や霜降り肉が詰め込まれていた。
「どういう理屈なんだ?」
修は首を傾げながらも美咲紀の隣にあった座布団に腰を下ろした。
「シュー君、見てください! 生卵も新鮮ですよ! 白身が二重に盛り上がっています!」
差し出された小鉢には色艶の良い生卵が黄身を中心に隆起している。
「この状況で食べる気なんだな」
「もちろんですよ! これは空腹で飢えた子供達に心を痛めた神様の差し入れなのです!」
「そうなのかな」
先程から修は周囲に目を配っていた。人通りは多いものの、こちらに注目している者は誰もいなかった。
「では、いただくのです」
「少しは用心しろよ、とこの状態でいうのは野暮か」
修は美咲紀に倣って手を合わせた。
二人は手にした箸で小鉢の生卵を軽く掻き混ぜる。食べる用意が整ったところで美咲紀が鍋の中を覗き込む。目移りする様子を修は横から黙って見ていた。
「白菜が良い感じに煮えているのです。あれはシラタキですね。ネギ、シイタケやエノキ、定番の焼き豆腐もありますね。でもでも、やっぱりメインはお肉なのです! もちろん、私もお肉を頂いちゃうのです!」
箸で大振りの肉を掴み、溶かし卵に浸して頬張る。窄めた口で笑みを浮かべた。修は笑いを堪えた表情で話を振る。
「どんな感じだ」
「空腹が最高の調味料になって、もう、美味しいの一言なのですぅ」
「食べても大丈夫そうだな」
「問題ないのです。白菜やシラタキも頂くのです」
宣言した通り、箸で摘まんでいく。
修は吟味する顔で肉と野菜を選び、たっぷりと卵を付けて口に運ぶ。味を分析するように時間を掛ける。
「肉は上質だ。程良く脂が乗っていて口当たりも悪くない。野菜は旨味が詰まっていて鮮度が良い。醤油と酒の香りがまとめ役となって全ての食材の味を活かしている」
「要するに、美味しいって、ことですよね」
「簡単に言えば、そうなるかな」
修は苦笑した。美咲紀は冬籠りを始めるリスのように膨らんだ頬をしていた。尚も箸は肉を掴んだ。
鍋の中の具が減ってきた。修は簡易コンロの火を強めて新たな食材を加えていく。美咲紀に近いところに野菜を揃えた。
「シュー君、野菜が多いのです」
「そうでもないだろう。もう、おかわりはいいのか?」
「おかわりなのです!」
勢いよく差し出された小鉢に修は煮えた食材を次々に入れていく。目にした美咲紀が口を尖らせた。
「ネギが多いのです! もう少し白菜が欲しいのです! 言っている間にこっそりとネギを増やしたらダメなのです!」
「ネギにはビタミンCが含まれていて肌荒れに効果がある。カルシウムも多く含まれていて心が休まるよ」
「そうかもしれないですが、今の私の一押しはお肉、牛肉なのです! 育ち盛りなのです!」
美咲紀は堂々と言い切った。修は笑って受け流す。
「シュー君には私が入れてあげるのです!」
「程々にしてくれよ。ちょっと待て、肉を入れ過ぎだ。ネギも多いって」
「ネギにはビタミンとカルシウムが含まれていて身体にいいのです!」
「それ、俺がさっき言ったから」
「もちろん、受け売りなのです!」
誇らしげに胸を張る。
「それ、本人を前にして言うか?」
修は楽しそうに言葉を返す。美咲紀も笑っていた。
食べながら修は思い出したように言った。
「でも、なんで肉なんだ?」
「胸の成長を促すのです」
「そうか、強く生きるんだぞ」
修はしみじみと返した。
鍋の具材がなくなったところでうどんが投入された。美咲紀が率先して麺を解していく。
修は考え込むような表情となった。
「うどんがあったのか?」
「欲しいと思ったら、あったのです」
「そうか、もう、どうでもいいな」
修は腹を摩りながら言った。
色々な食材を煮込んだあとのうどんは格別に美味かった。食べ始めの勢いを取り戻して二人は食べた。麺の熱さに苦戦しながらも全てを平らげた。
美咲紀が熱い息を吐き出す。
「はー、お腹いっぱいで幸せな気分なのです」
「俺も限界だ。こんなに食べられるとは思わなかったよ」
二人は顔を見合わせて、おかしそうに笑う。会話が途絶えた。共に安らいだ表情で青い空を眺めていた。
ぽつりと美咲紀が口にした。
「空腹が最高の調味料って言いましたけど、秘訣は誰かと一緒に食べることなのですよ~」
「なるほどな。道理で美味しい訳だ。食べ過ぎるところが難点ではあるが」
修は笑みを湛えたまま、姿勢を正した。それに美咲紀も倣う。
二人は手を合わせて同時に言った。
「ごちそうさまでした」
二人は立ち上がるとシーサイドタウン駅へと歩いていった。後ろを振り返らず、会話を楽しんだ。
ちゃぶ台はひっそりと姿を消した。
青い空は晴れ渡り、一点の雲も見当たらなかった。
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あとがき
担当マスター:
黒羽カラス
ファンレターはマスターページから!
今回のシナリオは私にとって試練の時でした。
ちゃぶ台が方々を飛び回り、半ば巻き込まれるような形でPCさんにご馳走を振る舞います。
書いていてとにかくお腹が減りました。焼き肉、すき焼き、私も食べたい!
三センチくらいの肉厚の牛肉を頬張って……妄想が過ぎました、はい。
空腹時には軽い胃の痛みを感じながら書き切りました(アクションの魅力が凄まじい)。
ちゃぶ台については謎のままにしました。本当はNPCの狐さんに登場して貰う予定でしたが、
思い直してそっと闇に葬りました、にっこり(作者権限)。
等々、ここまで書き連ねてきました。この苦しさも皆さんの素晴らしいアクションがあればこそ!
仕上がったリアクションがそれに適うものであったならば、私としても嬉しい限りです。
本シナリオへのご参加、本当にありがとうございました。美味しく書かせて頂きました。
ごちそうさまでした!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年11月27日
参加申し込みの期限
2017年12月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年12月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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