this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
ちゃぶ台ファンタジー
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
つぎへ >>
平日のシーサイドタウン
二限目の講義を終えた。木天蓼大学の生徒達が構内に溢れる。春らしい色合いの服が多い中、黒い学生服は否応なく人目を引いた。丈が異様に長い。それに見合う大柄な身体で
鬼河内 巌
は伸し歩く。
「昼じゃのう」
学生帽の鍔を親指で軽く弾いた。挑むような眼を青空に向けて雄々しく笑う。
道の分岐に差し掛かると足を止めた。厳めしい顔で顎を摩った。
――学食のカレーでもええんじゃが、今日は気分を変えてキャットロードじゃあ。
一方に目を向けて大股で歩き出す。立派な揉み上げが風に靡く。
「究極のカレーを目指すんじゃい!」
己を鼓舞して、がはははは、と豪快な笑い声を上げた。
キャットロードに設置してある瀟洒なベンチに
薄羽 白露
は座っていた。絶えることのない微笑みを浮かべ、静かに人の流れを見ている。通り掛かる人々もまた、興味深げな目を向けた。
白露の白くて短い髪は僅かな風にも反応して揺れる。肌のキメは細かく、ブルーサファイアに等しい瞳の色を有していた。人々はそのような彼の衣服に注目した。
陰陽師を彷彿とさせる狩衣の姿であった。
「あ、あの、その姿はコスプレだったりします?」
高校生くらいの女子が遠慮がちに声を掛けてきた。白露は笑みを湛えたまま、柔らかい口調で返す。
「そう見えるかもしれないけど、僕の場合は本職なんだよね」
「本物の陰陽師? もしかして占ったりとかできるんですか」
「そうだよ。今も絶賛、営業中だね。何か占いたいことはあるかい? もちろん、お代はいただくけどね」
やんわりと言って隣の空いたところに手を向ける。じゃあ、と女子は頭を下げながら横に座った。
のんびりとした調子で値段の交渉が始まる。白露は相手の事情を考えて小遣いの半分を要求した。想定よりも安い金額だったのか。女子は喜んで手を打った。
「じゃあ、占いを始めようか。恋愛運でいいんだよね」
「はい、少し恥ずかしいですが……」
女子は行き交う人々にチラチラと目をやる。白露は笑顔で相手の緊張を解した。
「まずは道具が必要だね」
袖に手を入れて四角い物を取り出した。中央の丸い物体には北斗七星が描かれていた。女子は感心したように微かに頷く。
「それで占うんですね」
「六壬式盤(りくじんしきばん)だね。占いに必要なことを君から聞いて、この円盤を適切な位置に回して占う物だよ」
簡単な説明のあと、細々とした質問が始まった。女子は深い記憶を探りながら答えた。白露は終始、穏やかな笑みで聞いて盤を操作した。
その手が止まった。盤が導き出した答えに満面の笑みを浮かべる。
「そう遠くない未来に君は劇的な出会いをするみたいだね。その人が生涯の伴侶になる相が強く出ているよ」
「本当ですか」
「星の導きによれば、だけどね」
にっこりと笑う白露に女子は安堵の表情を見せる。見料を支払うと弾むような足取りで雑踏に消えていった。
その一件が呼び水となり、立て続けに占うことになった。
「少し疲れたかな」
そうは見えない微笑みで白露はベンチから離れた。飲食店を見ながら歩を進める。
食べ放題を謳った焼肉屋の店舗にちらりと目をやった。
「和食がいいよね」
口にして焼肉屋の前を通り過ぎた。衣料の店に差し掛かったところで目を細めた。
「あれはちゃぶ台かな」
「ちゃぶ台じゃのう」
ほぼ同時の声だった。白露は顔を横に向けた。やや視線を上げる。偉丈夫という名に相応しい巌が見下ろしてきた。
先に声を出したのは白露であった。
「随分と古めかしい格好だね。バンカラだったかな。応援団の人なのかい?」
「長ランは男の証明じゃけんのう。ワレの方こそ、古いんじゃい! 陰陽師は平安時代なんじゃあ!」
「言われてみれば、そうだね。まあ、共通点のある者同士ということで。それよりもちゃぶ台だよ。気になるよね」
白露は顔を正面に戻す。
「わいも同意見じゃあ」
二人は揃って向かう。ちゃぶ台は両店舗の境目に置かれていて既に料理が乗っていた。
二人は無言で向かい合う形に分かれた。巌は側のカレーを見詰める。楕円の大皿の隅に丸くご飯が成形されていた。傍らには銀色のソースポットがあった。深みのある色合いのカレーが並々と入っていた。
「付け合せも充実しとるのう。小皿に福神漬けにラッキョウか。誰がわいのソウルフードを用意したんじゃあ!」
巌は白露に目を移す。
「僕ではないよ。反対に君が用意したのかと思ったくらいだからね。おにぎりと味噌汁の相性がいいよね。一口サイズの胡麻豆腐に、こっちは蕪の漬物だね」
「ワレは和食が好みか。二人の好みに合わせて用意されたということは……」
「食べてもいいのかもね」
二人は目を合わせた。意見は一致したという風に置かれた座布団に座る。
「いただきます!」
巌の大音声で昼食が始まった。
白露はおにぎりを口に運ぶ。尖った部分を控え目に齧った。よく噛んで食べる。自然な笑みが口元に浮かんだ。更に深く齧ると中心に行き当たった。露わになった具材に関心を寄せる。
「山椒の実と昆布を煮込んだ物だね。おにぎりの具によく合う。そちらも味は絶品なのかい?」
「もちろんじゃい! それよりも具材が問題なんじゃあ!」
巌は厳しい顔でカレーを食べていた。咀嚼している間はスプーンでカレーの内部を探った。何も見つからない。具材は原形を残さず、溶け込んでいた。
「何もわからんのじゃあ! このまろやかで深い味を構成する具材はどこなんじゃい!」
「僕はカレーに精通している訳ではないけど、もう少し高いところから全体を見た方がいいと思うよ。おおよその形を把握することで理解が深まるかもしれない、なんてね」
白露は言いながら味噌汁のお椀を覗き込む。箸を伸ばして生麩を摘まむと一口にした。
「それじゃあ! 小難しい理論が足枷になっとったんじゃあ! 純粋に味わって食べることが先決なんじゃい!」
巌は皿を持ち上げた。カレーを掻っ込む。時に啜り、夢中になって平らげた。
「おかわりじゃあ!」
叫ぶと一皿が現れた。巌は荒々しい手付きで引き寄せて挑む。
白露は蕪の漬物を食べていた。
「カレーが液体のようだね」
「当たり前じゃあ! カレーは飲み物じゃけんのう!」
豪快に言い放つ。白露は微笑みを返した。
二人の食事は終わった。
白露は食後の緑茶を静かに啜る。
巌は大きな身体を丸めて手帳と向き合う。舌が受けた鮮烈な記憶の全てを書き記していった。
白露は湯呑を両手に持った状態で周囲の人々に目を向ける。誰一人、こちらを気にする者はいなかった。
「これも星の導きなのかな」
微笑んだまま、最後の一口を啜った。
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
ちゃぶ台ファンタジー
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年11月27日
参加申し込みの期限
2017年12月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年12月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!