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【星幽塔】第三階層 竜の肚には精霊の仔と竜の仔と
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地平の彼方まで、豊かな畑が広がっている。
黄金色の穀物を重たく実らせ頭を垂れる麦のようなもの、青々とした葉を空へと伸ばすソラマメのようなもの、地面にのびのびと蔦を広げ黄金の実をつける瓜のようなもの。視線を伸ばせば、鮮やかな翠の葉の中に赤や黄色の果実を実らせた広大な果樹園まで見える。
荷車の轍が刻まれたあぜ道を辿りながら、
水上 桜
は漆黒の瞳に太陽の光を煌かせ淡く微笑んだ。のどかな田園風景は、訪れた平和を実感するに事足りた。
(うん、なによりね)
道の脇に整備された水路をさらさらと流れる透明な水の音に耳を澄ませ、水中に泳ぐ小さな魚に頬を緩める。広大な農場のどこかから賑やかに聞こえるのは、農場で働いている妖精たちの笑い声だろうか。
(平和だわ)
今年の四月から高校生になり、父の転勤の都合で桜花寮生となった桜からしてみれば、星幽塔でのひとときはゆっくりと羽根を伸ばす数少ない機会。
階層によってさまざまな楽しみがある星幽塔のなかでも、第三階層はなんといっても日帰りでのんびりできるところが、
(お得感お得感)
穏やかな青空の光が降り注ぐ、見渡す限り平和な景色の真ん中をほくほく顔で散歩する。万が一を思い狩人の光が変化したクロスボウを所持してはきたけれど、使う場面はなさそうだ。
水路を流れる水の音と作物をそよがせる風の音をお供に、ご機嫌にあぜ道を辿っていて、不意にひょこり、トウモロコシに似た背の高い作物の畑から蝶の翅持つ妖精が顔を出した。
「あっ!」
華やかな声をあげるなり、虹色の鱗粉を撒きながら桜の周りを忙しなくひらひらと飛び始める。
「えっ?」
「こっちこっち!」
「えっ? ええっ?」
小さな手で髪を一筋掴まれ、つんつんと引っ張られ、戸惑いながらも着いて行く。
案内されたのは畑の端っこ。鍬に鋏、鎌やじょうろが並べられている。
「えーっと……?」
農作業手伝いの日雇いにでも間違われているのだろうかと首を傾げる桜の傍ら、別の妖精に同じように連れられてきたらしい黒髪金目の少女と金髪碧眼の少女が歓声をあげた。
「おーっ、畑だ……! いい眺めー!」
「畑仕事がんばリリエルですよ!」
黒髪少女の頭にはぴこぴこと動く虎の耳、金髪少女の背にははたはたと揺れる純白の天使の翼。
「よーしっ、がんばリリエルだ!」
「メリィちゃんもお手伝いつきあってくれてありがとうです」
星幽塔の住人らしいふたりは仲良く手を繋ぎ、きゃあきゃあと楽しそうに畑に入って行く。
「あなたもがんばってくださーいっ」
「がんばれー!」
去り際に振り返って手を振る少女ふたりに笑顔を返し、桜は頬を引っ掻いた。
「収穫? 水やり? 草引き?
リリエル・エーテライト
と
メリィ・ランページ
は水やりしてくれるって!」
桜が手伝いであると信じて疑わぬ妖精に天真爛漫な笑顔で手伝いを迫られ、思わずちらりと眉を寄せる。手伝わざるを得ない状況になってしまった、気がする。
(なんか)
腑に落ちない気分ではあるけれど、一種の農作業体験と割り切ってやってみようか。元より水泳部なだけあって、体力にはそれなりに自信がある。
「じゃあ、草引きでも」
何気なく口にして、畑に踏み入り作業に入った途端に後悔した。
背の高い作物の根は畑の土に固く根を張り、その隙間を縫って生えた雑草はひどく抜き難い。整然と植えられた作物の間を腰を屈めて進み、地面にこびりつくようにして生えた雑草をぐいぐい引き抜く。集めた雑草は両腕で抱いて畑の外の定められた場所に運ぶ。これは乾燥させた後に肥料にするのだという。
「これは……腰に来る……」
広大な農地の一角をひたすら地味に地道に作業をしながら、桜は呻く。
「膝にも来るわ……」
ぽかぽか陽気であっという間に汗まみれ、頬からも額からも汗が吹き出す。腰も膝も軋み始める。知らず息があがる。
(ガチの農作業って結構しんどい……)
とはいえ、時折畑を渡ってくる風は心地よかった。思わず作業を忘れて佇みぼんやりしそうになって、
「手を止めないのー」
畑の空をひらひらと舞う妖精に急かされる。忙し気に飛ぶ彼女は、どうやら畑に風を流し、作物を受粉させる役を担っているらしい。
「はーい」
妖精の起こす風を汗の滲む首筋に受けつつ、桜は作業に戻る。
どこからか、先ほどの少女たちの楽し気な笑い声が聞こえてくる。
(水やりにしても良かったかしら)
とは思うものの、これだけ広い畑に水を撒くのも一苦労だろう。
「さあっ、モリモリ手伝うよっ!」
緩く波打つ黒髪を元気いっぱい跳ねさせて、メリィは琥珀金の瞳を陽の光に煌かせる。
「まずは水やりですね」
空色の瞳をふんわり細め、リリエルは頷く。
今日はリリエルが働く『Barアストラル』の野菜の仕入れ先のひとつ、トト農場のお手伝いの日。
農場の手伝いは大変だけど、今日は友達のメリィも一緒に来てくれた。それだけでリリエルはとても嬉しい。大変な仕事だってきっと楽しくなる。
もちろん、今日の手伝いのための準備も忘れていない。
「ラッシーちゃんにもがんばってもらいましょう」
弾む声で言いながら、リリエルはあぜ道に置いた鞄からアザラシのぬいぐるみを取り出す。
「そのコ、ラッシーっていうの?」
金色の瞳をきらきらと輝かせるメリィに頷き、リリエルはその身に宿した魔水の力を操る。リリエルの抱きかかえたぬいぐるみのラッシーの口からシャワー状に水が噴き出せば、メリィは楽しい歓声をあげた。
「おー! すごーい!」
よし、とばかりにメリィも肩から下げた霧吹き器に魔水の光の力をこめる。
「あたしも水やりする!」
宣言と同時、ふわり、虹を纏った柔らかな霧が周囲に広がった。
「二人でやるとさくさくだよ~」
「はい! 水の力で野菜さんに霧吹きシャワーです~」
空に向かって真っすぐに伸びる作物の畑に水を撒いて進んで行きながら、リリエルは澄んだ歌声を響かせる。
「美味しくなーれ、美味しくなーれ」
「リリエル、それ何の歌?」
隣の畝からひょこりと顔を覗かせ、虎の耳をぴこぴこさせるメリィにリリエルは明るく笑う。
「こうやって歌いかけながらお世話をすると美味しく育つそうです!」
店に来るお客さんが前にそう言っていた。
「野菜を美味しくする力もあるなんて、歌の力ってすごいですよねメリィちゃん!」
酔客の言葉を疑いもせずに頭から信じるリリエルの言葉を、
「へー……! じゃあじゃあ、お歌で野菜が元気になるのか……!」
リリエルが大好きなメリィもあっさり信じた。霧吹きの水を葉先に宿してきらきら光らせる作物を金の瞳に映す。
(野菜も歌が好きなのかな?)
「歌の力ってすごーい!」
「メリィちゃんも一緒に野菜さんに歌いかけましょう!」
「うん、あたしも歌うー!」
――美味しくな~れ、美味しくな~れ~、美味しくな~あ~れ~
虹と水と歌を撒きながら、少女ふたりは元気いっぱい果てなくも見える畑を歩く。
「みんな元気に育つといいなー、がんばれーっ! 大きくなるんだぞー!」
水をやる作物の一本一本に声を掛けて進む合間に、メリィはぴっかぴかに晴れた空を見上げる。こんなにぴかぴかぽかぽかな日は、日向ぼっこをしながらついお昼寝をしてしまうけれど、こうやって誰かの手伝いをするのもいい。
(貴重な経験ってやつだ!)
空を仰いで思い出すのは、両親を亡くした幼い自分を拾って育ててくれたひとのこと。そういえば、飲食店を営んでいた彼も、店で出すための野菜を育てていた。
店を開く前に畑に行っては、雑草を抜いたり水をやったりしていた働き者の背中を今になってふと思い出す。背中ばかり思い出すのは、自分は畑の傍の草原で花を摘んだり虫を追ったりして遊んでいたからだ。
(独りで大変だっただろうなあ……)
作った花束や捕まえた虫を渡せば楽しそうな顔で笑ってくれはしたけれど、手伝いをすれば良かった。今になってそう思う。
(今度会いに行ったら、お手伝いしてみようかな)
そうしたら彼はどんな顔をするだろう。びっくりするかな、喜んでくれるかな。
――美味しくな~れ~、大きくな~れ~
気づけば、畑のあちこちから自分たちが歌うのとよく似た歌が聞こえ始めている。楽しいことや新しいことが大好きな妖精たちが自分たちの真似をしているのだと知って、ふたりは顔を見合わせ笑い合った。
「はーい、おーしまーいっ! 結構大仕事だー!」
「おつかリリエルです、メリィちゃん」
「おつかリリエル!」
指示された区画全てに水やりを終えたあとは、別区画の収穫作業が待っている。額の汗を拭い、リリエルは太陽のように笑った。
「がんばリリエルです!」
「うんっ、がんばリリエルだ!」
小さな虎の獣人は空へと拳を掲げる。
(たくさん覚えて、あの人の役に立つんだっ!)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年11月23日
参加申し込みの期限
2017年11月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年11月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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