携帯戦記カプセルギア　外伝「ダストバトル！」｜リアクション

携帯戦記カプセルギア　外伝「ダストバトル！」

●●●戦いの爪痕●●●
　あの戦いの後、パーツが自立して動く、捨てられたパーツは夜な夜な持ち主に攻撃をする。人間に攻撃してくるなど、様々な情報が飛び交った。
　しかし、そのどれもが程なくして信憑性の薄いものだとして廃れていった。
　巻き込まれた子供たちは本当なのに、と言いつつ不貞腐れることなくカプセルギアを楽しんでいた。

「ふーっ、結構な数だったから時間かかったね。でも、こうやっていじるのは楽しいね！」

　一方、あの戦いの参加者達の一部はクミの家に集まり、まもりさんとスーパーさんを綺麗に掃除していた。
　薄汚れていたパーツが新品とは言わないものの、それなりに綺麗になって部位ごとに並べられている。

「だねー。中々苦戦させられたけど、それもいい思い出だよ」

　一息ついた様子の樹の手も作業で汚れていた。
　ついでにあの時、撃破寸前まで追い込まれていた蟻地獄のメンテナンスも行っているようだ。

「やっぱり物は大切にしてあげないとかわいそうだよ。復讐だ―、みたいな感じだったし」

　真白は浪漫砲と呼ばれているパーツを手に取りながらつぶやく。

「これは本当に塗装なのだな？　もう、汚れてはいないのだな？」
「うん。ただの再現。触ってみる？　ちなみにこれからねこったーにアップするよ」

　白燕はまもりさんを様々な角度から見ながら、塗装を施した月詠に問う。
　自信あり気に返事をする月詠はまもりさんをきれいにした後、ジオラマを作成した。
　そして、『ぎあノぽい捨テ赦サナイ！』と書かれた文字を入れ、マナー啓発ポスターを作った。
　「パーツは専用の回収箱に入れましょう。飾りたいお店、募集」とコメントされたねこったーにはそれなりの反応があったようだ。

「あの時はバタバタして言えなかったけど、楽しかったよ…ありがとうなぁ！」

　そんなジオラマに戦闘後に言えなかった感謝を伝える瑠樹。
　戦闘が終わった後、タイラが倒れ、月詠や真白といった上級生が主導となり、病院に連れていかれた。
　タイラ達を見送った後にクミが回収を提案し、今に至る。

「タッちゃん、本当にもう大丈夫なの？　痛いところはない？」
「もちろんだ、心配をかけたな、歩夢」

　病院に付き添った歩夢と倒れて連れていかれたタイラ。
　意識的ではないもののきょろきょろと小動物のようにタイラの状況を確認する歩夢。
　クールを心がけているタイラが少しばかり揺れそうではあった。

「病院に行ったときはビビったけど、疲労ってのはなんかおかしいよな」
「なんだお前、やる気か」
「まぁまぁ、タイラくん。悪気はないんだし」

　竜世が自分の持っていたスーパーさんを磨きながら医師に言われたと伝えられた内容を思い出していた。
　それに突っかかるタイラと苦笑気味に止めに入る星志郎。

　医師の診察は異常なしで、おそらく疲労なのではと言われたタイラ。
　あの戦いにおいて肉体的な疲れは発生しないはずであり、事前に運動してきたわけでもない。
　不思議に思いながらも、そういうこともあるのだろう程度に考えていた。

　彼が自分がもれいびであり、ろっこん【Sentiment partagé de】の発動が原因であると知るのにはしばしの時間が必要であった。
　同時に、あの戦いの時に見えた、まるでバルティーグルの目線で操作していたからこその勝利だということも。

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あとがき

担当マスター：御宮久
ファンレターはマスターページから！

【この物語は終了しました。次回もご期待ください。】

突如襲い来る捨てられたパーツたち。
巻き込まれた大人と子供らは自らのギアのために戦う。

飛来する武器に迫られる即興たる連携。
出し惜しみが許されない状況の中、ギアはただ疲弊していく。

無理かと頭をよぎったとき現れる援軍、増援。
無数とも思えるパーツを減らし、勝利を掴んだのは少年の叫びだった。

次回、携帯戦記カプセルギア　外伝「ダストバトル！」
『君に、ギアの声が聞こえるか。』

【この物語は終了しました。次回もご期待ください。】

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