最近、小中学生の間で流行が訪れている『携帯戦記カプセルギア』。
皆で遊ぶために旧市街の空き地に集まった子供たち。
既に先客がギアバトルを繰り広げていたが、少々様子がおかしい。
片や必死の形相で操作し、相手の攻撃を凌いでいる大人のギアマスター。
片やギアマスターの姿が見えない、薄汚れたパーツだけのようなものが止めどなく相手を攻撃している。
「ねぇ、あんなギアも出てくるの?」
「知らねー。でも、強いな!」
異常性に気付かない子供たちは興味津々といった風に近づいていく。
刀のパーツとドリルのパーツが大人が操作するギアを挟み撃ちするように飛来。
大人は舌打ちをしながら、ギアをジャンプさせ、事なきを得たように見えた。
「おっちゃん! 上からも来てるぞ!」
「うわ、下からも飛んできたよ、おじさん!」
「あァ!? だれがおっちゃんおじさんか! って、マズ…ッ!」
無数とも思えるほどの武具パーツが上下から襲ってきていることを大人に伝える子供たち。
つい呼ばれた言葉に反応してしまった大人のギアマスターだが、スマホのタップは忘れていない。
薙刀をやり過ごし、バスターソードを受け流し、悪魔の羽を縦横無尽に操って攻撃を受け流そうとするも。
「ち…っ」
舌打ちをする大人のギアはパーツ達の猛攻を受けても尚、地に足を付けた。
しかし、そのギアはすでに満身創痍。脚部と悪魔の羽を駆使してもこれ以上の戦いは難しい。
「…ああもう! キッズ達、加勢をしてくれ!」
「かせい? ここは地球だよ?」
「だぁ! 手伝ってくれって言ってんの! あのパーツたちを一緒に倒してくれ!」
「そういうことならそう言ってくれよ! ギアスタンバイ!」
大人の言葉に反応した子供たちが一斉にギアを起動する。
オペレーションシステム『A.I.C.O.』が起動完了音を鳴らすが。
『ギアバトル、スタ―――』
戦闘開始を知らせるアナウンスが途中で終わり、画面には『Error』の文字。
戸惑う子供たちに大人が声を張る。
「操作も音声入力もできるから気にすんな!」
反応した子供たちが操作を始めると、次々とギアが起動する。
だが、呼応するように空き地の周りから薄汚れたパーツが現れる。
「増えるのかよっ!」
「あのギア、何かしら?」
子供が気が付いたパーツの中に居る一体のギア。
そのギアはダメージを受けたわけでは無く、泥やカビのようなもので汚れている。
目が光ったと思うと、どこか機械的な音で言葉を紡いだ。
『哀れなギアよ、放漫なギアマスターどもを見限り、ここで共に眠ろうぞ……』
「来るぞ!」
うねるパーツたちは大人と子供のギアに矛先を向け、襲い掛かる。
子供たちがスマホを操作するとギアは反応し、パーツたちとの戦闘を開始する。
大人の表情には少し、陰が落ちていた。
舞台・背景
場所は旧市街の空き地。
初期位置はパーツたちに囲まれていてもよいですし、外から加勢に来ても問題ありません。
大人には少々事情がある様子…確かめてみるのも良いかもしれません。
登場人物
・ギアマスター:うま(大人)
ギア名 :あーく
装備 :悪魔の羽とユニコーンの脚部が特徴的なスピード型だが、防御もそこそこ
戦法・状況:スピードを活かして相手を翻弄するが、今回はすでに戦闘不能直前。
・子供たち
人数 :男女5人ずつ、計10名のギアマスター
編成 :男子は赤を基調としたパワー型、女子は青を基調としたバランス型
戦法・状況:目の前のパーツたちを無力化することに終始し、ギアを倒すという発想が生まれません。
そのため、何もしなければ次々に戦闘不能になっていきます。
敵情報
以下の情報はプレイヤーのみが知ってる情報として、アクションに活用してください。
名称:汚れたギア
戦術:自分を守りつつ、物量で攻める。
弱点:本体の耐久力はそこそこ。
特徴:ダストパーツたちを操り、戦闘不能のギアを地面に埋もれさせることが目的。
名称:ダストパーツ
特徴:パーツ本来の性能を発揮できない状態。
しかし、極端なパラメーターのパーツも存在するため、油断は大敵。
体力がなくなればその場に落ち、以後は動くことはない。
その他
Q:ギアを持っていないけど参加できる?
A:ギアでのバトルが前提なので、今回の機会に相棒をゲットするのが良いと思います!
Q:年齢制限はありますか?
A:この外伝についてはございません。誰かの保護者とか、ふらりと寄って巻き込まれても大丈夫です。
Q:もう少しで年末ですね!
A:そうなんですよねぇ…って、いやいや、まだ5月で温かいですよ!よ!
『携帯戦記カプセルギア』とは
全高10cm程度の小さなロボット『カプセルギア』を、
ラジコンのように自由に動かしたり、対戦モード(ギアバトル)で戦わせたりする、大人気のオモチャです。
神魂の影響か、AR(Augmented Reality=拡張現実)のように
エフェクトが現実の空間へと現れ、その動きを大迫力に演出してくれます。
パーツを交換して、オリジナルロボットを組み立てる(カスタマイズする)こともできます!
≪カプセルギアの楽しみ方いろいろ≫
・気に入ったカプセルギアを友だちに見せて自慢してみる。
・カスタマイズにハマって、いろんなパーツを集めてみる。
・カプセルギアを操縦して、思うまま動かせるよう練習してみる。
・対戦モードで誰かと遊んでみる。
子どもたちの間では、勝手に動き出したり、持ち主のピンチを救ったりする、なんて噂も。
カプセルギアは、やがて皆さんの大切な相棒となっていくことでしょう。
そのかたわら、カプセルギアたちを悪用しようとする悪者や、トラブルの予感も見え隠れしていて……?
★ シリーズはここから始まりました。→『携帯戦記カプセルギア 第一話』
カプセルギアの遊び方
1.カプセルギアの作り方
2.購入や操作の方法
3.アクション提出の手順
参考:くわしい情報の紹介