ストッキング・ピンク・ワールド　～絶対領域VS透け透け伝線～｜リアクション

ストッキング・ピンク・ワールド　～絶対領域VS透け透け伝線～

「まったくニーハイ派はわかってないね！」
　暴れる桜を見ながらそんなことを口にするのは、パンスト派に属した白真白。
　隣には同じパンスト派の城山水樹もいる。
「ストッキングを脚にまとう時の感触で、女は美に対する緊張感を全身に走らせてより美しくなれると思うのよね」
　それぞれ白のストッキング、黒のストッキングを着用しながらふたりは話す。色は違えど、ニーハイよりもパンストを愛しているという気持ちは一緒だった。
「確かにニーハイもいいよ、でも一番は白ストなんだよ！」
「まあ……私は黒を履いているからアレかもしれないけど、ストッキングがより自分を高めてくれるアイテムであることは事実よ」
　水樹はそう言うと、ニーハイ派の前へ颯爽と歩き出した。その脚を包む薄い黒のストッキングは、色白の肌をうっすらと透かしていた。
　その光景はストッキング派の男たちをおおいに魅了した。
　ストッキングの向こう側にある素肌のきめ細かさや色つや、触れれば心地良いであろう弾力や柔らかさを想像し、男たちは自然と士気が上がった。
「女の美しさを存分に引き出すこの魔法のような衣を身につけたいと思わないの？」
　水樹がニーハイ派に問いかける。相変わらず暴の力を振るう狂人モードの桜は端から聞く耳を持たず、パンスト派は死すべし、くらいの気持ちでその手に持った武器を水樹に向けた。
　水樹はそれをふっと鼻で笑う。
「美しくないのよ」
　まあ無理もないか、と呟いてから水樹はやたらデキる女風のオーラ全開で言ってのけた。
「いい？　この絶妙なエロティシズムがもたらしてくれる足下への視線、その刺激が否応なく自分が女であることを示してくれるの。そして欲望むきだしのその視線がプレッシャーとなり、女をもっと美しくする」
　曰く、ストッキングは美女になることを許された女の特権なのだそうだ。
「あなたに、それが理解できるの？」
　彼女の持つ美貌も相まってか、これにはニーハイ派の男たちも気圧され一歩後ずさった。
　瞬間、水樹は勝利を確信する。さらにそこへ真白が追い打ちをかけた。
「ほら、見てよ！」
　前へ進み出た真白は、白のストッキングに包まれた脚をこれでもかと見せびらかした。
　すべすべでぴっちりした脚のラインが、鮮やかに晒される。
「どう？　この透け感とかライン！　最高じゃない！」
「最高……？」
　その単語に、桜が反応した。
「最高なのはニーハイって言ってるでしょうがああああ！！！」
　ランチャーを棍棒のように振り回す。このままでは真白に直撃してしまう！
　かと思ったその瞬間、真白は懐から予備のストッキングをすっと取り出した。
　素早くろっこんでそれを硬化させる。硬度を増したそのストッキングは、もはや魔剣である。
「もう！　分からず屋！」
　両者の武器が鈍い音を立ててぶつかり合う。もうこうなったら、物理的に教えるしかないと両者が悟っていた。

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