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断章 教会に彷徨う黒騎士の想い
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時刻は夜。
月明かりが静かに照らす森の奥の寂れた教会。
そこで剣戟の音が響き渡る。
踊る影は二つ。
片方は人間大の大きさで、素早さを生かして相手の攻撃を躱していた。
対する相手は3メートルは越えるかという巨体でありながら、その剣戟は高速の一閃。
黒き鎧を纏う巨大な騎士相手に
鈴野 海斗
は何とか持ちこたえている状態であった。
教会内には薄紫色の瘴気が立ち込め、それが彼の体力と精神力を次第に奪っていたのである。
「はは、流石にくらくらしてきたっちゃよ。だけんども、気張らなきゃいかんっちゃね!」
足でしっかりと大地を踏み締め、海斗は上段から振り下ろされる巨大な黒騎士の剣を受ける。
ずしりとした騎士剣の重量が彼の身体に負荷を掛け、たまらず海斗は膝をついてしまう。
黒騎士の騎士剣は教会の長椅子よりもまだ大きく、そして鋭い。
海斗の手で握るロングソードが魔力すら込められていないなまくらであったのなら、打ち合う事すらできずに両断されていたことだろう。
黒騎士のの騎士剣に比べれば細く短い剣であったが、何度打ち合ってもおれないこの剣のそれが今この状況ではとても頼もしく思えた。
「約束したんだべ……お前を、ここから……出さないと……ハァっ!!」
一瞬、力を抜いた海斗は沈み込む騎士剣を滑らせ黒騎士の右側へと踊り出た。そのまま剣を下段に構え、一気に振り抜く。
黒騎士の右腕関節部分を狙ったその一撃は確実に黒騎士の身を裂き、裂かれた関節からはどす黒い瘴気が鮮血の様に吹き出す。
「グゥゥァア……ッ!」
怯み、少し体勢を崩したそれを見逃さず海斗は黒騎士へ走り寄ると黒騎士の顎先へサマーソルトキックを打ち込み、後方へ飛びのく。
肩で息する海斗の視線の先では少し後方へたたらを踏んだ黒騎士が騎士剣を構え直している。
「どうやら痛覚がないわけじゃないっちゃね……それならやりようはあるっちゃ!」
「ウオォォォオオーーッ!」
騎士剣を深く構え、鋭く突きの状態で突進する黒騎士へ海斗は走った。
斬り結ぶその瞬間にろっこんを発動し、彼は自身へ強化を施す。
強化された彼の筋肉は身の丈以上ともいえる騎士剣と打ち合っても遅れを取らず、逆にそれを弾き返した。
二の太刀を黒騎士が振るう前に海斗の一閃が黒騎士の肩口を裂いた。黒騎士は肩を抑えながら後ずさる。
必要以上の消耗を抑える為、海斗はろっこんによる強化を解除する。身体に疲労感が蓄積しているが根性でそれを無視した。
「はぁ……はぁ……言ったべさ……わりぃけども、この扉は抜かせないべよ、って。オラはお前さんみたいなフツウじゃないものから、フツウを護るんだべ。だから、ここは、絶対に通さないっちゃッッ!」
◆
同時刻、水色髪の少女が教会から森を抜けた位置にある村の広場で跪いている。
小さく何かを呟いているようだが何を呟いているかまでは一切聞こえない。
手を組み、祈るようなポーズになった瞬間、淡い光が彼女――ちーあを包み込んだ。水色の腰まである長い髪が風に浮かされたようにふわりと広がっていく。
「異界の扉に導かれし勇者よ……今、数千の時と扉を超え、刹那の祈りを持って……此処に来たれっ!!」
ちーあが唱え終わると同時に彼女の眼前に白い大きな扉が出現する。
それは真っ白な作りで色というものが存在していないかのようだった。
扉が音を立てて開かれ、中から数人の者達が現れる。それは彼女が寝子島から呼んだ仲間達であった。
再召喚で消耗したのかふらついて倒れそうになるちーあを
白石 妙子
が抱き留めた。
「ちーあちゃん、大丈夫?」
「あはは、ちょっと……疲れちゃった、だけなの、ですよ……」
余り顔色の良くないちーあを撫でながら座る妙子の元に一人の青年が近づいてい来る。
「切羽詰まっている状況だな、ちーあ。後は任せてくれ。すぐに行動を開始する、常闇は森で骸骨共を食い止めてくれ。俺はここで情報を粗方集めてから教会に向かうよ」
仲間の一人である
八神 修
の言葉に
常闇 月
は頷いて返すと森へと向かって走り去っていった。
「情報収集……あんたはどうやってやるつもり?」
そう八神に声を掛けたのは
ティオレ・ユリウェイス
だった。彼女は動きやすい軽装であったが耳とへそに煌びやかなアクセサリーが光っている。
「村の長老含め、事情を知ってそうな者に声を掛けようと思う。信仰の対象であるはずの教会からこの村は離れすぎている、どうにも何かある気がしてならないからな。君は?」
「そうね……あんたが正規の方法で行くって言うんなら私は裏からいこうか。生憎とこういう事は専門分野なんでね」
八神はその言葉を聞き、頷いて返した。
「わかった、何かわかったら俺に知らせてくれ。教会まで伝えにいくのは戦闘も含むし、そういうのは専門じゃないんだろ?」
服に隠している短剣に視線を送られながら八神に言われたティオレは背を向けて手をひらひらと振って返した。
彼女は思う、ああいう手合いの奴の家には盗みに入りたくないと。
ティオレを見送り、八神はちーあを安静に休ませるために宿を借りた妙子に付き添った。
小さな村故か客室はそこまで大きくはなかったが、体の小さなちーあを休ませるには十分過ぎる程である。
ベッドに寝かせると村人から借りた桶に水を張ると手拭いを浸す。
しっかりと水を染み込ませてから妙子は手拭を絞って息を荒くするちーあの額に乗せてやる。
頬を上気させ、ちーあは少し熱を出しているようであった。
優しく妙子はちーあを撫でると傍にいる村人に村はずれの教会の事を聞いた。八神は背を壁に預け黙ってそのやり取りを見守っている。
「あの教会はなぜ、あんな所に?」
「……さあ、俺が生まれた時にはあそこにあったからなぁ。一年に一回、森を抜けてお祭りをやりに行く以外は特に何も聞かないなぁ」
「お祭り、ですか?」
「ああ、作物や狩りの豊穣を祈って行列を作って教会まで練り歩くんだよ。で、果物や花とかをお供えして帰ってくるのさ。ま、どこにでもある祭りだろう?」
どこにでもあるような豊穣の祭り。
確かにそう言われればそれだけなのである。
「だが、それなら村の中に教会を立てた方がいいんじゃないですか? わざわざ野生の獣がいる森を抜けてまで村はずれの教会に行く意味もないですし」
八神がそう畏まって聞くと、村の男は急に慌てた様子になって狼狽える様に答えた。目は完全に泳いでいる。
「あ、ま、うん、確かにそうなんだが! あはは、そうだよなぁ……こっちに建てたら楽なのになーいやー全く」
八神と妙子の視線に耐えられなかったのか、村人はそそくさと部屋から出ていってしまった。
「明らかに妖しいな……」
「ええ、でも素直には話してくれなさそうですよね」
妙子は静かに呼吸をするようになったちーあの頭を撫でながら八神に視線を移す。
「何か手があるんです?」
「ない事もないが……あまりこの村で波風立てるのは避けたい。ちーあもすぐに動ける状態じゃないしな」
「そうですね……もし、触れてはいけない何かに触れてしまって、すぐにここを動かないといけないってなったらちーあちゃんが危ないですもの」
ゆっくりとちーあの頭を撫でる妙子のその手つきは母性に溢れるものであった。
その様子を見て八神は顔を緩ませると部屋の扉に手を掛ける。
「……どこへ?」
「情報を精査する準備を整えてくる、黒騎士を屠る為には必要だからな。ちーあを頼むよ」
妙子は優しい笑顔で頷き、部屋から出る八神を見送った。
その頃。
別行動を取っていたティオレは村の中を一通り探り終わり、妖しいと思った個所の調査を行っていた。
「……ビーンゴ。やっぱりあったわね」
そこは村の集会所の裏手、土に埋もれた地下への扉がそこにはあった。
彼女は鍵を何なく開錠すると地下へと降りていく。
古びた長い石の階段が闇へと誘う様に下へ下へと続いていた。
しばらく降りていくと小さな広間に出た。そこは蝋燭の光に照らされた石の部屋であった。
「なんだ、よ……これ……っ」
彼女は目の前に広がる光景を見て、言葉を失った。
それは壁一面に貼られた何かの毛である。縮れ、微妙にくしゃくしゃとしたその束ねられた毛はそれぞれ纏められ、釘で壁に打ち付けられている。
その数は数十にも上り、それらがなんなのかはわからないが気持ちのいい物ではなかった。
ティオレは気持ちの悪さを抑えつつ、戸棚にしまわれた本を開いてみる。そこにはこう記されていた。
『赤の月、27。祭りの生贄を無事確保。薬物……自我の崩壊……確認。村の男の……滞りなく終了。教会で夜の宴……処分完了、毛回収、保管』
その書物は祭りの度に女性が生贄とされ、最終的には殺されて毛だけが回収され保管されていると記されていた。
「おいおい、なんでこんな……なんでだ、どこかに理由が……」
一番年代物そうな書物を開き、ティオレはその中でその理由を見つける。
それはかつてこの村を守る存在であった黒騎士の嘆きの記録。
彼は教会の女司祭に恋をし、彼女に思いを告げた。だが彼女は神に仕える身、その想いはついぞ遂げられることはなかった。
だが黒騎士は思いが届かなくても彼女が愛する村を守ろうと共に誓い、数十年もの間村を守り続けたのである。
しかしそんな英雄ともいえる黒騎士だったが、彼も寄る年波には勝てない。
彼を失えば村は守護神を失ってしまう、そう困り果てていた村人の前に一人の呪術師が現れた。
彼は黒騎士を永遠の守護神にする方法を村人に教え、村人はそれに賛成しその方法を実行に移した。
それは黒騎士を憎しみと呪いで縛り、その魂を剣に封じ込めるのである。
そうすれば、ひとたび握ると黒騎士の剣技を自在に扱える魔剣の完成であった。
人とは思えぬ所業ではあるが守護神を失いたくないという村人達の恐怖心は彼らを凶行に駆り立てるには十分過ぎる程だったのである。
彼らは黒騎士を騙して拘束し、彼の目の前で女司祭を辱め、ついには殺してしまう。
黒騎士の憎しみと怒りが最高潮に達した時、呪術師は彼を魂ごと剣へと封じ込めたのであった。
以後、この村はその剣へ呪いのエネルギーを補充する為に一年に一回……教会で女司祭の格好をさせた生贄の女性を辱め、殺す。
そんな祭りが密かに開催されることとなったのであった。
「嘘でしょ……こんなことって……!」
「見つけてしまったのですな、この部屋をそして……祭りの真実を」
「……っ!」
背後からの声に気付き、ティオレは短剣を抜くがそれは長老の言葉によって制された。
「貴女をどうこうしようとは思いません。このような秘祭は忌むべき事。そう考えた先々代の長老は魔剣を破壊しようとした……だがどのような方法を用いてもあの剣を壊すことはおろか破壊することはできなかった」
ゆっくりと歩く長老は書物へ燃える松明を投げた。松明の火は瞬く間に広がり、その場にあった毛や書物を焼いていく。
「誰かに事実を見つけられたらこうしようと、村の皆で決めていたのです。魔剣を使用しないと決め、教会に安置するようになってから」
「長老……」
「さあ、行きましょう。貴女の見つけた真実があの本の最後の記述がきっと黒騎士を屠る鍵となりましょう。彼をどうか……安らかに眠らせてあげてくだされ」
ティオレは無言で頷くと長老と共に八神の所へ急いだ。
先程の書物の最後の行に記されていた言葉『月光浄化』。
それを伝える為に。
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冒険
SF・ファンタジー
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定員
20人
参加キャラクター数
12人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年11月09日
参加申し込みの期限
2017年11月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年11月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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