いきなり最終決戦！　寝子島滅亡できるかな｜リアクション

いきなり最終決戦！　寝子島滅亡できるかな

　接近した怪人を槍術で薙ぎ払い、修は次々と敵を倒していく。美咲紀も彼をサポートするように、敵を拘束した。……が、先程まで倒していた敵よりも一回り大きいそれは、蔓の中でもがき、茨を引きちぎる。解放された敵はドスドスと地を割りながら美咲紀の前へ走ってきた。

「ふむ。どうやら収穫してしまった方がよさげなのです？」

　美咲紀はこのピンチにも、首を傾げながらにっこりと笑ってロッドを天高く掲げる。するとロッドは先程までの花束のような造形から一転、曼殊沙華の花が添えられた死神の鎌のような武器に変化した。その柄には蔦が巻き付いていて、よりその形の禍々しさを増している。美咲紀はその鎌を以て敵を斬った。しかしその敵に気を取られていたのが良くなかったようだ。修の悲鳴が聞こえて美咲紀は地を蹴る。視界の隅には、強敵になすすべもなく、ただ攻撃を受けている修の姿があった。

「ソルジャー！　大丈夫なのですか！？」
「プリンセスフローラ、心配するな……ぐっ！」

　修の窮地を助けたい気持ちでいっぱいの美咲紀だが、その背後にまた大きな敵の気配を感じ、その攻撃を受け止めるので精いっぱいである。

『おおーっと、ここでソルジャーがピンチ！　いったいどうなっちゃうんですかー！？』

　二人が苦戦する中、宙をふよふよと浮いているUFOが光線を撃ち、広場の石畳を破壊した。しかし、突然、ピシャリという雷鳴と光の中、何者かの影が映る。

「ほっほーう。また面白そうな事になってますな～」

　影は修と美咲紀に向かって歩いてきた。

「その声は！」
「誰だ……！？」

　二人が言うと、声の主の姿がはっきりと映る。

　可愛らしくも兄によく似た顔、長い黒髪をポニーテールにした、スポーティな印象の少女……新田樹だ。樹はリュックからヘッドドレスを取り出して、その頭に装着する。

「ドレスアップ！」

　そう言うと、樹はスポーティな服から一転、ロングスカートのメイド服姿になった。その胸には、ドクロのブローチが輝いている。ふわりとスカートを靡かせて、樹は地に立った。

「マジ狩る・冥土参上！」

　軽くポーズをとる樹に、修と美咲紀の視線が集まる。

「マジ狩る・冥土……！？」

　マジ狩る・冥土もとい樹は、どこからか傘を取り出して開いた。すると、その先端部分に穴が開き、弾丸が連射される。銃弾は石畳に反射した後、美咲紀を取り囲んでいた怪人を一掃した。

「マジ狩るシャワー！」

　樹が叫ぶ。すると、また雷鳴が轟いた。