いきなり最終決戦！　寝子島滅亡できるかな｜リアクション

いきなり最終決戦！　寝子島滅亡できるかな

◆ふたりはネコキュア！

『さてさて！　皆さん戦ってますかー！　戦わなければ生き残れない！』

　そう言いながら、モニターに映る不知火ゆかりは自らの後方に居る何者かに言う。

『スタッフの皆さん、カンペ出してあげてくださーい！』

　何だろうと出演者の一人が思っていると、どこからか黒服がやってきて、未だ変身できていない人の変身アイテムや、カンペを取り出した。
　そうしている間にも、怪人は寝子島を破壊している。真っ黒な大きな影が、『ツライナー』と叫びながら道路を割り、コンクリートの破片を宙に飛ばしている。

「たのむ！！　君しかいないんだ！！」

　ぼろぼろの歩道橋の上、黒服が二人の少年に変身コンパクトを握らせた。

　二人の少年、獅子目悠月と来島アカリがコンパクトを手にすると、突然辺りが虹色の光に包まれて、二人の服がはじけ飛んだ。

「くっ……！」
「えっ、ちょ、何だこれ！？」

　全裸ながらも、その身体は白く光り、どうなっているのかはよく見ることが出来ない。

「な、なんで服がはじけ飛ぶんだよー！？」

　アカリは叫ぶが、その声に応える者はいない。

「ニャンブラック、ニャンホワイト、早く変身するワン！」
「ツライナーが迫ってきてる！」

　どこから出てきたのか、サモエドとシャチのマスコットが言う。彼らは『デュアルエレメンツチェンジ！　と叫んでください』というカンペを咥えていた。そのカンペを見た悠月もアカリも、顔を赤くする。マスコットはカンペをめくり、『変身台詞を叫ばなければそのままです』と書かれた面を見せた。

「な、こんなの叫ぶって……出来る訳ねーだろそんなの！」
「くっ……どうあってもこれを叫ばなければいけないのか」

　二人とも苦虫を噛み潰したようなおそろいの表情でカンペを見ている。しかし、いつまでも攻撃してこない謎の影、はじけ飛んでそのままの服、消えることのない虹色の光に、悠月は覚悟を決めてアカリを見た。

「やる、しかねーな」

　悠月の視線に頷くアカリ。そうして二人とも息を吸い半ば自棄になりながらも叫ぶ。

「デュアルエレメンツチェンジ！」

　手を繋ぎ、悠月は黒と赤を基調としたクールな印象の衣装。アカリはふわりとその紺碧の髪を伸ばし、白と青を基調とした、清楚かつキュートな印象の衣装を身に纏った。悠月は変身しているうちに、その身体を少年らしい精悍なものから丸みのある女性のそれへと変質させている。
　変身を終え、地に降り立つ二人。悠月は重く、アカリは軽やかに。二人立ち上がって言う。

「闇に煌めく炎の戦士、ニャンブラック！」