復讐のノーズグラス！　～眼鏡は俺の敵～｜リアクション

復讐のノーズグラス！　～眼鏡は俺の敵～

●ノーズグラスが生み出したもの

　結局、雄真のろっこん『ノーズグラス』で鼻眼鏡化した眼鏡達は完全に日が落ちる前に効果を失い元の形へと戻っていった。
　元々、『ノーズグラス』は眼鏡をかけている人間に向かって恨み言を呟くことで、その時に見ていた眼鏡を一つ鼻眼鏡化させる能力。その効果時間は本来なら数分なのだが、今回は眼鏡に対する怒りやもう一度告白するという意気込みといったものが重なって昂った精神がろっこんを暴走させてしまったようだった。
　そして龍八、下心、いいながうまく保健委員の目をかいくぐり貴子の元に辿り着いた時、既にろっこんの効力は切れて風紀委員長・北風貴子は復活を果たしていた。
「甘かったわね」
　コブラが綺麗に拭いて返した眼鏡が貴子の顔でキラリと光る。仁王立ちする貴子に睨まれ、PEC＋αの今回の野望は泡と消えてしまったのだった。

「鼻眼鏡、楽しかったですー」
　事件を振り返って呑気に笑う五月に、勇生も頷く。
「うん、楽しかったねー。ねこったーでもちょっとした祭り状態になったし！」
　勇生がねこったーに流した鼻眼鏡の画像やツイートは事件のことを知らない人間にも受けたらしく、かなりＲＴされて一時的に鼻眼鏡ブームを起こしていた。
「……鼻眼鏡攻め、いや受け？そう言えば眼鏡にヒゲってダンディズム溢れる萌え要素だよね。ふへへ……今度の新刊はこれでいこうかなぁ……」
　空音に至っては鼻眼鏡から不埒な妄想をして二次被害を起こそうとしていたが、それはまた別のお話。
　
　夜の帳が降り始めた頃、眼鏡が元に戻って喜ぶ渚の歌が風に乗る。
　そんな風に乗った歌声を遠くに聞きながら同じ2年のよしみで望月と武道が雄真を挟んで帰路についていた。
「眼鏡は飾りなんだ！　エライアホにはそれが分からんとですよ！」
　望月は親指を立ててかっこつけながら、ニャンダムに出てくる台詞をパロって雄真を明るく励ます。
「好きなら諦めんな。追っかけ続けろよ、な？」
　武道もニッと歯を見せて爽やかに笑って雄真の肩を叩く。
「うん……うんっ……」
　ぼろぼろと止まらない涙を鼻眼鏡で隠す雄真の心が喜びで満ちていたのは、きっと渚の歌の力だけではない。
　今回の一件を馬鹿馬鹿しい事件と笑うのも良い。
　しかし、この事件が解決したことで一人の少年と、そして多くのメガニスト達が救われたのは紛れもない事実だった。
　

　復讐のノーズグラスはもう要らない。

　

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あとがき

担当マスター：本条小鹿／片桐久乃
ファンレターはマスターページから！

こんにちは、諸事情で急遽途中からリアクションを執筆させていただきました本条です。
参加された皆さんはお疲れ様でした、そして大変長らくお待たせしてしまい申し訳ありません。
ここまでお読み下さり本当にありがとうございます。
今回は個別コメントを送ることが出来なかったのですが、皆さんのアクションあってのリアクションです。
皆さんのアクションには事件解決に限定されない、それぞれの個性が出ていたかと思います。
全ては採用できませんでしたが、皆さんのしたかったことが少しでも出来ていたのなら幸いです。
それでは、また別のお話でお会いしましょう！

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