スクール水着は世界を救うんだってばマジで！｜リアクション

スクール水着は世界を救うんだってばマジで！

【７】

　こちらは参道商店街。
　晩ごはんの食材を買おうとしていた御剣刀は何故かスク水を着ていることに気がついた。
　百歩譲って、男子用ならまだしも女子用。この股間の息苦しさは絶対女子用。
「何ごとだよ！？」
　わけもわからず途方に暮れていると、どこからともなくテオの声が聞こえてきた。
　異常事態＆テオ。もう嫌な予感しかしないが説明を聞く。
「『あー確かに超めっちゃヤバい！　鬼めちゃんこ深刻！　マジで～っ』ってやつだな」
　ははは、と力なく笑ったあと、頭を抱えた。
「また神魂かよ、いい加減にしろよ！　死ぬだろ！　この島と俺の社会的立場のどちらかが！」
　マルチバッドエンドというやつである。
「女子用のスク水を着た男子高校生がブラジャーを手づかみしてましたとか事件の匂いしかしねえ！」
　とはいえ、とはいえである。
「けど、放っておいたら島が吹っ飛ぶし……くそ、言葉にするといろいろヤバいな」
　頭を抱えていた手を下ろし、刀は顔を上げた。
「俺も男だ、覚悟を決めた！　俺の社会的なんちゃらは多分きっと大丈夫だと信じる！　根拠ないけど！！」
　刀はブラを回収するため、あてどもなく走り出した。

「う、うわ！　なんで俺、スク水姿になってるの？」
　こちらはまた商店街の別の場所。
　時同じくして、花厳望春も己の身に起こった異常事態に戸惑っているところだった。
　テオの話によれば、爆弾ブラを回収しなければならないようだが……。　
「こんな格好でブラジャー追いかけなきゃいけないわけ？」
　いろいろ意味がわからないし、少なくともこの格好じゃ絶対したくない。
　とりあえず、パーカーを羽織ってなんとかこの恥ずかしめから逃れなければ……とするのだが。
「うわあ！　なんで着た途端にものすごい風が……わ！　わわわ！！」
　突風はまるでパーカーを剥ぎ取るように奪っていってしまった。
「な、なんなんだよ〜？　これも神魂の仕業ってこと？　うう、このままでいろってこと？」
　なんで自分がこんな目にと嘆く望春だった。
「と、とにかく、早く解決することが一番ってことだね」
　しかし、人目につくところには行きたくない。
　そういう場所は他の人に任せよう。きっといるはずだし、と自分に言い聞かせるように言う。
「俺は人目につかない場所に探しに行こう。ええと、寝子島神社とかはどうかな」
　あそこなら、そんなに人はいないはず。
「……問題は寝子島神社までどうやって行くかってことだけど」
　不思議と周りの人はこの変態高校生を目の前にしても特に気にする様子もない。
「都会の人は無関心っていうけど、この島の人はそうでもないし……意外と平気なのか？」
　それは不幸中の幸いだったが、しかし……。
「気づかれてはいないみたいだけど、恥ずかしすぎる……」

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