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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
ヒットマンズカーニバル
■公然の敵
樹、刀、ジュスト、そして莉鳥。
四人が一度にぶつかり合った自然公園周辺の戦いに、もうひとつの人為が加わっていたことに気づいただろうか。
「ビンゴ！ やった、これで三人リタイア。やっぱこの手に限るさね」
薄暗い部屋でパソコンを操作する霧谷 朧。
彼の周囲には無数のディスプレイが光を放ち、町中の監視カメラの映像を分割して映していた。
ここは朧が所有する隠し拠点の一つ。あるテナントビルの屋上に設置された装甲コンテナである。
彼は監視カメラ映像に侵入し、よいタイミングで事前に仕掛けた罠を発動。複数のヒットマンがぶつかり合う際に意図的なノイズを作って効率よく死に追いやっていたのだ。
これぞウィスプ。不可視の殺し屋と呼ばれるゆえんだ。
「この調子で全員つぶし合ってくれればいいけど……」
吸いきったパックジュースのストローをくわえたままタイピング。次なる罠の準備にかかろうとしていた、その時。
ぱ、と監視カメラ映像が不思議な映像に切り替わった。
『お集まりの皆々様々、今宵最高のゲームを開始するよぃ』
紙袋を被った謎の人物。彼は画面に６枚の顔写真を表示させると、高らかに宣言した。
『この人間を殺した者には――』
町の監視カメラ映像が次々にその映像へと切り替わっていく。
どころかキー局のテレビ放送や町のオーロラビジョンにもだ。
『１億ドルをプレゼントしちゃうよぃ！』
朧の口からパックジュースが転がり落ちた。
全ての画面で紙袋の男が笑っている。
朧は椅子が倒れるほどの速さでその場から逃げ出した。居場所がバレている。コンテナも危ない。
「しょーがない。別の拠点に移って別のやり方を――」
「悪いがあんたの行き先は地獄だよ」
中古ゲーム屋の老婆が、ショットガンを手に立っていた。
「ばーちゃん、お小遣いはあげてるでしょ」
「老後の蓄えは多い方がいいんでね！」
射撃――の寸前に銃身を蹴り上げる。
朧は老婆が銃をかまえなおす僅かな隙に屋上の鉄柵を素早く乗り越え、次なる射撃が鉄柵をうつ頃、屋上から飛び降りた。
自殺、ではない。向かいのビルに足をつけてスライド。室外機やそのダクトをとっかかりにして次々に勢いをころしつつ、死なない程度の速度で地面へと降りていった。
最後には地面をごろごろと転がり衝撃を逃がす。
ショーウィンドウのテレビに、朧や莉鳥たちの顔写真が映っている。賞金首のように金額つきでだ。
それを見た通行人が、朧とテレビ画面を見比べていた。
「おいおい、メチャクチャやるなあ」
朧はガードレールや自販機を軽やかにのりこえ、その場から撤退した。
瓢の計略にはまったのは朧ばかりではない。
「椎井、おまえ殺し屋だったんだってなあ……」
路地裏にて、莉鳥は学生の集団に囲まれていた。
ハイスクールでも札付きの暴走族だ。殺しはやらないが、バックについた連中が問題だ。
「てめぇをアニキに売れば俺らにも千ドル入るんだよ。お小遣いくれや、な？」
「それとも命乞いしてみっか？ てめぇ美人だしよ、いっぺんヤらせてくれりゃあ――」
「触らないで」
手を伸ばしてきた男に、莉鳥は放電。
気絶した彼を蹴り飛ばし、掴みかかった別の男をグローブで感電死させる。
「クソ！ 調子のってんじゃねえぞ！」
男たちは莉鳥に群がり、押し倒される。
喧噪は裏路地におさまり、表通りを歩く人々はただただ目を伏せた。
口調でお察しいただけようか。
テレビ放送やネット回線を通じてヒットマンたちの顔を明かし、衆人をたきつけているのは他でもない骨削 瓢である。
「あっしの凶器はネットワーク。あっしが殺そうとしなくとも、そこらの誰かが殺しにかかる。悪意と殺意に満ちたこの町じゃあ、逃げ切るこたぁできんよぃ」
紙袋を脱ぎ、瓢はげらげらと笑った。
「象とて蟻に食い殺されるんだよぃ！」
隠し拠点を出る。騒動が収まるまでの間、町から離れるためだ。
そのための逃がし屋も手配している。
スモークガラスで覆われた黒塗りの車に近づき、こんこんとノックする。
「あっしだよぃ。早速車を出して――」
ぴたり、と手を止める。様子がおかしい。
扉を開けてみると、逃がし屋の男が運転席からごろりと転がり出た。首筋に一筋の切り傷。恐らくはナイフによる毒殺だ。
「おたくを侮ってたよぃ。こっちの手の内もバレていたとは……」
銃のセーフティを解除する音だけが背後でする。
姿は見えない。だが後頭部に押し当てられた銃口の感触だけはわかった。
「不可視の殺し屋、朧。『そういう意味』もあったんだねぇ」
銃声。
瓢は倒れ、そして――。
「けど、近づく癖は直した方がいいよぃ」
車がまるごと爆発した。
――莉鳥、朧、瓢。リタイア。
樹、刀、ジュスト、そして莉鳥。
四人が一度にぶつかり合った自然公園周辺の戦いに、もうひとつの人為が加わっていたことに気づいただろうか。
「ビンゴ！ やった、これで三人リタイア。やっぱこの手に限るさね」
薄暗い部屋でパソコンを操作する霧谷 朧。
彼の周囲には無数のディスプレイが光を放ち、町中の監視カメラの映像を分割して映していた。
ここは朧が所有する隠し拠点の一つ。あるテナントビルの屋上に設置された装甲コンテナである。
彼は監視カメラ映像に侵入し、よいタイミングで事前に仕掛けた罠を発動。複数のヒットマンがぶつかり合う際に意図的なノイズを作って効率よく死に追いやっていたのだ。
これぞウィスプ。不可視の殺し屋と呼ばれるゆえんだ。
「この調子で全員つぶし合ってくれればいいけど……」
吸いきったパックジュースのストローをくわえたままタイピング。次なる罠の準備にかかろうとしていた、その時。
ぱ、と監視カメラ映像が不思議な映像に切り替わった。
『お集まりの皆々様々、今宵最高のゲームを開始するよぃ』
紙袋を被った謎の人物。彼は画面に６枚の顔写真を表示させると、高らかに宣言した。
『この人間を殺した者には――』
町の監視カメラ映像が次々にその映像へと切り替わっていく。
どころかキー局のテレビ放送や町のオーロラビジョンにもだ。
『１億ドルをプレゼントしちゃうよぃ！』
朧の口からパックジュースが転がり落ちた。
全ての画面で紙袋の男が笑っている。
朧は椅子が倒れるほどの速さでその場から逃げ出した。居場所がバレている。コンテナも危ない。
「しょーがない。別の拠点に移って別のやり方を――」
「悪いがあんたの行き先は地獄だよ」
中古ゲーム屋の老婆が、ショットガンを手に立っていた。
「ばーちゃん、お小遣いはあげてるでしょ」
「老後の蓄えは多い方がいいんでね！」
射撃――の寸前に銃身を蹴り上げる。
朧は老婆が銃をかまえなおす僅かな隙に屋上の鉄柵を素早く乗り越え、次なる射撃が鉄柵をうつ頃、屋上から飛び降りた。
自殺、ではない。向かいのビルに足をつけてスライド。室外機やそのダクトをとっかかりにして次々に勢いをころしつつ、死なない程度の速度で地面へと降りていった。
最後には地面をごろごろと転がり衝撃を逃がす。
ショーウィンドウのテレビに、朧や莉鳥たちの顔写真が映っている。賞金首のように金額つきでだ。
それを見た通行人が、朧とテレビ画面を見比べていた。
「おいおい、メチャクチャやるなあ」
朧はガードレールや自販機を軽やかにのりこえ、その場から撤退した。
瓢の計略にはまったのは朧ばかりではない。
「椎井、おまえ殺し屋だったんだってなあ……」
路地裏にて、莉鳥は学生の集団に囲まれていた。
ハイスクールでも札付きの暴走族だ。殺しはやらないが、バックについた連中が問題だ。
「てめぇをアニキに売れば俺らにも千ドル入るんだよ。お小遣いくれや、な？」
「それとも命乞いしてみっか？ てめぇ美人だしよ、いっぺんヤらせてくれりゃあ――」
「触らないで」
手を伸ばしてきた男に、莉鳥は放電。
気絶した彼を蹴り飛ばし、掴みかかった別の男をグローブで感電死させる。
「クソ！ 調子のってんじゃねえぞ！」
男たちは莉鳥に群がり、押し倒される。
喧噪は裏路地におさまり、表通りを歩く人々はただただ目を伏せた。
口調でお察しいただけようか。
テレビ放送やネット回線を通じてヒットマンたちの顔を明かし、衆人をたきつけているのは他でもない骨削 瓢である。
「あっしの凶器はネットワーク。あっしが殺そうとしなくとも、そこらの誰かが殺しにかかる。悪意と殺意に満ちたこの町じゃあ、逃げ切るこたぁできんよぃ」
紙袋を脱ぎ、瓢はげらげらと笑った。
「象とて蟻に食い殺されるんだよぃ！」
隠し拠点を出る。騒動が収まるまでの間、町から離れるためだ。
そのための逃がし屋も手配している。
スモークガラスで覆われた黒塗りの車に近づき、こんこんとノックする。
「あっしだよぃ。早速車を出して――」
ぴたり、と手を止める。様子がおかしい。
扉を開けてみると、逃がし屋の男が運転席からごろりと転がり出た。首筋に一筋の切り傷。恐らくはナイフによる毒殺だ。
「おたくを侮ってたよぃ。こっちの手の内もバレていたとは……」
銃のセーフティを解除する音だけが背後でする。
姿は見えない。だが後頭部に押し当てられた銃口の感触だけはわかった。
「不可視の殺し屋、朧。『そういう意味』もあったんだねぇ」
銃声。
瓢は倒れ、そして――。
「けど、近づく癖は直した方がいいよぃ」
車がまるごと爆発した。
――莉鳥、朧、瓢。リタイア。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年10月12日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年10月19日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年10月19日 11時00分
