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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
ヒットマンズカーニバル
■死角の死角の死角
「シューくん。あの放送……」
「心配ないよ」
カーテンの外をちらりと覗く八神 修。
豪華な食堂で、椿 美咲紀は不安げに座っていた。
「屋敷の警備は厳重だ。暴徒の群れが押し寄せたってはねのけられる。問題は……」
「ヒットマン、ですね」
窓ガラスが割られる音。
美咲紀がびくりと震え、修は自分の唇に指を立ててから『見てくる』と合図をした。
「美咲紀。ここにいてくれ。不安ならネコのハンカチを握っているといい」
「……了解なのです」
館の裏側。死亡した警備員の先、割れた大窓から侵入した七峯 亨は、拳銃をコンパクトに構えて通路の先を警戒していた。
後ろを固めるのは矢萩 咲。ぬらりと光る刀をあらわに、いつでも斬り殺せるように構えていた。
「亨君、分かっているな？」
「八神財閥の殺し屋たちだろう？ 安楽死の専門家と金持ち専門の始末人だ。大丈夫、俺たちの敵じゃない」
亨は一度だけ咲の目を見て、ぱちんとウィンクをした。
「これが終わったら」
「ああ、たっぷりと殺し合おう」
足音が近づいてくる。
ライフルを構えた修だ。
一般的で、扱いやすい銃。しかしその実、室内での取り回しには難がある。
一方で亨のＣＡＲシステム（Center Axis Relock Systemの略）は室内戦闘にむいたコンパクトな構えだ。細かい説明は省くが、軍でも利用される近接戦闘銃撃術である。
亨はこれに加え、イスラエル産の現代格闘術クラヴ・マガを備えたワンマンアーミーなのだ。
そんな彼を野生の勘と隙の無い剣術でささえる咲。二人が組み合わさった時、戦いの死角は無くなるという。
「そこに誰か居るのか」
修の声だ。亨は一度だけ頷くと、リュックサックからアサルトライフルを出して展開、射撃姿勢に入った。
「出てこい、ぶっころしてやる！」
荒げた声を出す修。
言われたとおりに飛び出し、銃撃を浴びせる――と、壁から防弾シートを展開した修がその銃弾を防御。その後、遠隔分解能力で亨のライフルを分解してしまった。
「――！」
声を荒げたのは演技だ。
亨は指ぬきナイフ（カランビットという特殊な握り方をするかぎ爪ナイフ）を取り出し、修へと斬りかかった。
「フォローを頼む、咲」
ライフル相手の格闘でも、咲と二人がかりなら――と思った矢先に、背後で金属のぶつかり合う音がした。
屋敷の裏から回り込んできた美咲紀が、咲へと襲いかかったのだ。
長柄のスコップを振り回す美咲紀。庭道具と侮るなかれ、先端を鋭く研いだ彼女のスコップは人体を容易に切断する威力を持つ、戦斧と化しているのだ。
それを刀で器用にしのぐ咲。しかしあまりの猛攻に、その場から動くことが難しい。
「亨君。相手の狙いは挟撃だ！」
「しかたない、か」
亨は挟み撃ちをさけるべくあえて修の後ろに回り込むと、ちらちらと身体に拳銃を隠しながら修を銃撃。誘導していく。
一方で修はライフルによる射撃をそうそうに捨て、即座に自主分解。催涙スプレーを手に取る――が、距離をとったと思われた亨が素早いローリングで接近。修の足をとると、ねじり上げるように転倒させ、組み伏せた。
袖から小型拳銃を滑り出す修。それを押さえつける亨。
「悪いな。『それ』をもらうわけにはいかねえ」
修の隠し銃には毒が仕込まれている。当たれば最後、命は無いだろう。
そのまた一方では格闘を逃れた咲が隠し銃を抜き、修に狙いを定めた。
「シューくん！」
間に飛び込む美咲紀。
自らを盾にし、咲の銃弾を身体に受けた。
脱力し、壁に激突する美咲紀。
その一方で修は催涙スプレーの発出口を分解。その場で強制噴出させる。
ほぼ自爆のような一撃で隙をつき、亨の足に毒の弾頭を打ち込んだ。
だが亨のナイフが彼の首に突き立てられるのは、同時のことだった。
力尽きた美咲紀と修。
二人を並べ、せめて安らかなれと祈りを捧げた後、咲と亨は庭へと出た。
美しい花が咲いている。あの美咲紀が育てた花園だろう。
「嫌な殺しだ」
「だが、これで最後だ」
背をつけあい、数歩進み……。
「なぁ我が桜よ。お互い散らすには惜しい位、散るにはいい華だろ？」
振り返ればそれが合図だ。
亨は即座にナイフを投擲。それを刀で払う咲。
隙を突いて接近し、刀を手首の関節を外す勢いでもぎ取る亨。
「この……っ！」
刀は落ちたが、武器はまだある。咲は拳を突き出し、ビームを発射。
一方の亨は身体を小さくしてビームを回避。素早く咲の足にとりついた。
ビームにはホーミング能力がついている。回避したとてすぐさまターンした光線に焼かれるが定め。ここで解除しなければ自滅することになる。
が、しかし。
「亨君。きみへの殺意（あい）が、足一本に劣るとでも」
光線が、咲の足もろとも貫いていく。
――修、美咲紀、亨、リタイア。
「シューくん。あの放送……」
「心配ないよ」
カーテンの外をちらりと覗く八神 修。
豪華な食堂で、椿 美咲紀は不安げに座っていた。
「屋敷の警備は厳重だ。暴徒の群れが押し寄せたってはねのけられる。問題は……」
「ヒットマン、ですね」
窓ガラスが割られる音。
美咲紀がびくりと震え、修は自分の唇に指を立ててから『見てくる』と合図をした。
「美咲紀。ここにいてくれ。不安ならネコのハンカチを握っているといい」
「……了解なのです」
館の裏側。死亡した警備員の先、割れた大窓から侵入した七峯 亨は、拳銃をコンパクトに構えて通路の先を警戒していた。
後ろを固めるのは矢萩 咲。ぬらりと光る刀をあらわに、いつでも斬り殺せるように構えていた。
「亨君、分かっているな？」
「八神財閥の殺し屋たちだろう？ 安楽死の専門家と金持ち専門の始末人だ。大丈夫、俺たちの敵じゃない」
亨は一度だけ咲の目を見て、ぱちんとウィンクをした。
「これが終わったら」
「ああ、たっぷりと殺し合おう」
足音が近づいてくる。
ライフルを構えた修だ。
一般的で、扱いやすい銃。しかしその実、室内での取り回しには難がある。
一方で亨のＣＡＲシステム（Center Axis Relock Systemの略）は室内戦闘にむいたコンパクトな構えだ。細かい説明は省くが、軍でも利用される近接戦闘銃撃術である。
亨はこれに加え、イスラエル産の現代格闘術クラヴ・マガを備えたワンマンアーミーなのだ。
そんな彼を野生の勘と隙の無い剣術でささえる咲。二人が組み合わさった時、戦いの死角は無くなるという。
「そこに誰か居るのか」
修の声だ。亨は一度だけ頷くと、リュックサックからアサルトライフルを出して展開、射撃姿勢に入った。
「出てこい、ぶっころしてやる！」
荒げた声を出す修。
言われたとおりに飛び出し、銃撃を浴びせる――と、壁から防弾シートを展開した修がその銃弾を防御。その後、遠隔分解能力で亨のライフルを分解してしまった。
「――！」
声を荒げたのは演技だ。
亨は指ぬきナイフ（カランビットという特殊な握り方をするかぎ爪ナイフ）を取り出し、修へと斬りかかった。
「フォローを頼む、咲」
ライフル相手の格闘でも、咲と二人がかりなら――と思った矢先に、背後で金属のぶつかり合う音がした。
屋敷の裏から回り込んできた美咲紀が、咲へと襲いかかったのだ。
長柄のスコップを振り回す美咲紀。庭道具と侮るなかれ、先端を鋭く研いだ彼女のスコップは人体を容易に切断する威力を持つ、戦斧と化しているのだ。
それを刀で器用にしのぐ咲。しかしあまりの猛攻に、その場から動くことが難しい。
「亨君。相手の狙いは挟撃だ！」
「しかたない、か」
亨は挟み撃ちをさけるべくあえて修の後ろに回り込むと、ちらちらと身体に拳銃を隠しながら修を銃撃。誘導していく。
一方で修はライフルによる射撃をそうそうに捨て、即座に自主分解。催涙スプレーを手に取る――が、距離をとったと思われた亨が素早いローリングで接近。修の足をとると、ねじり上げるように転倒させ、組み伏せた。
袖から小型拳銃を滑り出す修。それを押さえつける亨。
「悪いな。『それ』をもらうわけにはいかねえ」
修の隠し銃には毒が仕込まれている。当たれば最後、命は無いだろう。
そのまた一方では格闘を逃れた咲が隠し銃を抜き、修に狙いを定めた。
「シューくん！」
間に飛び込む美咲紀。
自らを盾にし、咲の銃弾を身体に受けた。
脱力し、壁に激突する美咲紀。
その一方で修は催涙スプレーの発出口を分解。その場で強制噴出させる。
ほぼ自爆のような一撃で隙をつき、亨の足に毒の弾頭を打ち込んだ。
だが亨のナイフが彼の首に突き立てられるのは、同時のことだった。
力尽きた美咲紀と修。
二人を並べ、せめて安らかなれと祈りを捧げた後、咲と亨は庭へと出た。
美しい花が咲いている。あの美咲紀が育てた花園だろう。
「嫌な殺しだ」
「だが、これで最後だ」
背をつけあい、数歩進み……。
「なぁ我が桜よ。お互い散らすには惜しい位、散るにはいい華だろ？」
振り返ればそれが合図だ。
亨は即座にナイフを投擲。それを刀で払う咲。
隙を突いて接近し、刀を手首の関節を外す勢いでもぎ取る亨。
「この……っ！」
刀は落ちたが、武器はまだある。咲は拳を突き出し、ビームを発射。
一方の亨は身体を小さくしてビームを回避。素早く咲の足にとりついた。
ビームにはホーミング能力がついている。回避したとてすぐさまターンした光線に焼かれるが定め。ここで解除しなければ自滅することになる。
が、しかし。
「亨君。きみへの殺意（あい）が、足一本に劣るとでも」
光線が、咲の足もろとも貫いていく。
――修、美咲紀、亨、リタイア。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2017年10月12日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年10月19日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2017年10月19日 11時00分
