かららんというドアベルの音。
サックスの演奏にざわめきが重なるバーを進む、一人の少年。
彼はカウンターにつくと、マスターにいつもの品を注文した。
置かれるグラス。丸い氷が側面をうって小気味よい音をたてる。
「
染井 湊、だな?」
隣に座った男が写真の束を滑らせる。湊はそれをグラスの底で踏むように止めた。
「ターゲットはその全員。全て仕留めれば十億ドル。現金だ」
写真を扇状に開いて、湊は不敵に笑った。
「これは、荒れる夜になりそうだ」
竹藪の奥深く。風も喧噪も鳥の声すら聞こえない土の上。
哀坂 子夜は写真の束をふところへとしまいこんだ。
「報酬も、内容も……了解した、よ」
ようやくに吹いた生ぬるい風が、彼女の長い髪をなでてゆく。
腰にさした刀の柄頭が月の明かりににぶくつやめく。
「生き残るのは、一人きり。悪趣味なゲーム、だね」
ビルの屋上。吹き抜ける風。自動車と電車の騒音もはるか遠く、
エレノア・エインズワースはなびく髪をおさえた。
「生きとし生けるものすべて、いずれは死するのみ。その時間を刈り取ることで、私たちは報酬を……生きる糧を得る。私たちはただの獣。きわめてシンプルな食らいあいだと思いませんか」
エレノアは写真の束をポケットに突っ込むと、気だるげに町を見下ろした。
「獣たちが食らいあう、祭りの夜が始まるのですね」
この夜、町屈指のヒットマンたちに同一の依頼が下った。
内容はシンプルだ。
他の殺し屋すべてを殺害した者に、賞金を払う。
殺し屋たちのカーニバルが始まるのだ。
ごきげんよう、ヒットマン諸君。
私からの依頼はシンプルだ。
依頼した全てのヒットマンを殺した者に、報酬百億ドルが支払われる。
舞台はネコジマシティ。
期限は明け方まで。
最高の夜を過ごしたまえ。
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こちらは暗黒都市ネコジマシティを舞台としたIFの世界。
キャラクターたちはヒットマンとなり、同参加者がターゲットに指定されています。
ネコジマシティの雰囲気はガイドの最後あたりにある町の風景そのままです。
この町にはビル街、埠頭、竹藪、豪邸、自然公園といったスポットがあり、それぞれ暗殺にピッタリのシチュエーションとなっております。
ルールは無用。あらゆる手を尽くし、他のヒットマンたちを殺し尽くす――いわばバトルロワイヤルなのです。
ヒットマンとしての素性を固めるために、まずはプロフィールを考えてみましょう。
普段どんな風に依頼を受けているのか。得意武器や得意な殺し方は何か。どんな風に仕事を完遂するスタイルなのか。拘りはあるか。
ひとことにヒットマンといっても、そこにはクールな哲学があるものです。キャラクターのストイックな側面を掘り下げるにはもってこいのジャンルでしょう。
ろっこん能力は使えてもいいし、使えなくても構いません。
これに加えて皆さんには類い希なる戦闘技術、暗殺者としてのカンと経験が備わっています。武器もたっぷり、資金も潤沢。
あとはそう、殺すだけ。
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