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4月の☆ハッピーバースデー
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●4月10日 ―オルカ・ヴァヴァルディのBirthday―
獅子目 悠月
が相方の家のチャイムを鳴らしたのは、待ち合わせの数分前だった。
「おはよう。俺だけど――」
「Sono contenta! いや~幸せだな~!」
勢いよく開いたドアの中から、笑顔の
オルカ・ヴィヴァルディ
が出迎えた。
「誕生日おめでとう、オルカ」
「ありがとう。でも言葉だけ? 水臭いじゃないか、ここはひとつ出会い頭のハグを――」
「や、ややや、やめろ……!」
悠月が抵抗していると、ドアの向こうからいい匂いが漂ってきた。
朝食を食べていなかった悠月の腹が、ぐうと鳴る。
「えー残念だなー。ところでその様子じゃ、ご飯まだだろ? 来なよ、一緒に食べよう!」
これでは、どちらが祝われているのか分からないな――
オルカに手を引かれながら、悠月は苦笑した。
星が丘は、リゾート地として知られる場所だ。
小高い丘にはブティックやホテルが軒を連ね、北を流れる天宵川の河口には寝子高の星が丘寮がある。
地元の名士やセレブたちが春のひと時を満喫する、地中海を思わせる高級住宅街。
そんなエリアの一角に、オルカの家はある。
悠月を案内されたリビングで、朝ご飯がほんのり湯気を立てて待っていた。
「本日の献立は、クロワッサンとハムエッグ。コーンポタージュを添えて、ハイ召し上がれ~!」
「あ、ああ。いただきます」
ご機嫌でイタリアの歌を口ずさむオルカに、悠月はすっかり拍子抜けしてしまった。
オルカのことだ、てっきり自分の手料理が食べたいとか言い出すと思っていたのに、予想外の展開だ。
朝食は美味しかった。
どれも出来合いのものとは全く違う出来で、下手なレストランなど比較にならない。
悠月のため、オルカが丹念に吟味して作ったに違いなかった。
「……美味いな、これ」
「本当に? いや~そう言ってもらえると嬉しいな~!」
「ポタージュ、おかわりいいか?」
「どうぞどうぞ! ……ところで悠月。俺へのプレゼント、だけどさ」
オルカはいきなり本題に切り込んできた。
「俺は今、すっごく欲しいものがあるんだ。何だと思う?」
「欲しいもの、だって?」
悠月は思わず尋ね返した。
金で買えるモノじゃないな――即座に悠月はそう思った。
欲しいものは手に入れる、それがオルカという少年だ。
金持ちの彼が、店売りの既製品をねだるなど、まず考えられない。
「ヒントをくれないか」
「ああ、いいとも」
思い悩む悠月を楽しそうに眺めながら、オルカは口を開く。
「そのプレゼントを用意できるのは悠月、君だけだ。他の誰にも無理だ」
「俺だけに?」
悠月はますます首をひねった。
(モノではなく、俺だけが用意できるプレゼント……? 一体何だろう)
さんざん考えて、ついに悠月は両手を上げた。
「降参だ、オルカ。いったい何が欲しいんだ?」
「それはね、悠月――君さ」
「えっ」
呆気に取られる悠月を、オルカは茶目っ気たっぷりの表情で見つめた。
「今日だけだ。今日1日でいい。俺に甘やかされる君が欲しい」
「えっ」
「それが俺への、最高のプレゼントだ……な~んて、ダメかな?」
「お……俺が、プレゼントだって?」
ダメだ、という言葉が悠月の喉まで出かかった。
実際これは悠月にとって、全力でお断りしたい申し出だった。
(甘やかされる? 俺が、オルカに、甘やかされる……?)
ふと悠月は、全身がむず痒くなるのを感じた。
先日の失態
が脳裏をよぎり、気後れする気持ちはますます強くなる。
(断りたい。断りたいが……しかし)
子猫のような潤んだ視線を向けるオルカに、つい溜息をついてしまう。
ずるい奴だと思った。こんな目で見つめられたら、断れない。
「負けたよ。仕方がない、今日だけだからな」
「Evviva! 言ってみるもんだね~」
オルカの体からあふれ出る幸福が、リビングを彩るように包みこんだ。
オーラって目に見えるんだな――悠月はそんなことを考えながら、オルカとの食事を終えた。
それからふたりは、オルカ宅のスタジオでレッスンに励んだ。
軽い運動の後、ふたりは次のステージに向けての構成を話し合った。
「悠月。次のステージの構成だけどさ、何かいい案はある?」
「…… ……」
悠月からの返事はない。
オルカに抱えられた体勢のため、言葉が出てこないのだ。
「あれ? 悠月、呼吸のペースが乱れてるよ?」
「……!!」
顔は真っ赤だったが、オルカに見えない体勢だったのがせめてもの救いだった。
こうしてふたりの時間はあっという間に過ぎていく。
レッスンが終了した頃には、すっかり日が沈みかけていた。
「汗かいたし、お風呂に入れるのはありなのかな~?」
「勘弁してくれ。俺は一人で入る」
即答して、悠月はタオルで汗をぬぐい始めた。
「そっか~、残念! ま、ゆっくり入ってて。俺はシャワー浴びて夕食の支度するから」
夕食を囲み、一服していると、オルカがケーキを運んできた。
「あんまり甘くないケーキにしてみたよ~。というわけで」
「……な、なんだその目は」
「悠月君! いざ、ハッピーバースデー、斉唱だ!」
「なっ」
悠月はほんの少しの逡巡の後、恥ずかしそうに明かりを消した。
ケーキの蝋燭に火をともし、蚊の鳴くような声で歌いだす。
「は……はっぴー……」
「もっと大きな声で、悠月! それとも、俺が君に歌おうか? D'ora in poi voglio――」
「や、やめろ、歌う! ハッピーハースデー、オルカ~♪ ……くっ……」
オルカを見つめる悠月の顔は、みるみる赤くなった。
(大丈夫だ。照明は落ちている、見えていないはず!)
なかば開き直って歌い続ける悠月の顔を、恍惚の表情で眺めるオルカ。
(自分だけの為に歌われるバースデーソング……最高だ……)
(悠月の、あの真っ赤な耳たぶとか……すごくいい……)
(こんな誕生日、味わったことない……ダメだ、抑えないと……)
悠月の歌を名残惜しそうに聞き終えたオルカは、明かりをつけてケーキを切り分け始めた。
フォークに乗せた一口サイズを、そっと笑顔で悠月の口元へと運んでゆく。
「はいあ~ん。ほら悠月、お世話させてくれるんでしょ~?」
「い……いや、それはそうだが……」
やめろという言葉が喉元まで出かかるも、悠月の脳裏を『約束』の二文字がよぎった。
そうだ、約束は破れない。応じるのは、あくまで約束だからだ。
約束だからだ――
「お前にされるのはなんだか癪だな……くっしかし仕方がない」
ぱくん、とケーキを頬張る悠月。
人間は幸福の絶頂にいるとき、時間が止まって感じるのだということを、この時オルカは知った。
「も、もういいだろ!? ……こほん。オルカ、お前にプレゼントだ」
「え、俺に? 何かな何かな~」
「……これだ」
そう言って悠月がオルカに差し出したのは、一組のピアスだった。
モチーフは白薔薇。花弁の中央には、赤と青の石が一揃いに埋め込まれている。
「悠月……」
その時、オルカは一瞬だけ、まるで別の人間になったようだった。
強い感情が、心の最も深いところから沸き上がったときにだけ見せる顔。
滅多に現れることのない、オルカの素顔だった。
「いやー嬉しい! 大事にするね~」
「……ああ」
ほんの束の間の後、オルカはいつもの調子に戻っていた。
悠月は胸の高鳴りを抑え、最後にそっと言い添える。
「誕生日おめでとう。オルカ」
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担当ゲームマスター
坂本ピエロギ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年10月02日
参加申し込みの期限
2017年10月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年10月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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