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●4月19日 ―
服部 剛
のBirthday―
弥逢 遊琳
が、同級生の
服部 剛
に抱いている印象は、犬で言えばマスチフに似ていた。
身体が大きく、人懐っこく、子供のように純粋で、裏表がない。
引っかいても噛みついても、呑気に笑って抱擁してくれる大型犬――
遊琳にとって、剛はそういう相手だ。
だからついつい遊琳は、無茶を言って甘えてしまう。
たとえば、こんな風に。
「服部。今から僕の家に迎えに来て。行きたい所があるの」
「おう、構わへんよ! ほな、後でなぁ!」
5秒で通話を終えた受話器を見つめながら、遊琳はやれやれと溜息をつく。
あの調子では、尻尾を振って家を出た頃だろう。彼がバイクで到着するのに、そう時間はかかるまい。
「人の我侭にホイホイ返事をするなんて。僕以外の人間に騙されたらどうするの」
ぶつくさと独り言をこぼしながら、遊琳は外出の支度を始めた。
30分後。
「ゆーちゃん迎え来たで! いやー、道路空いてて助かったわ~」
「おはよう服部。今日も元気そうだね」
「そらもう、さっきから元気で元気で! ほいこれ!」
良く言えば裏表のない、悪く言えば単純そうな笑顔で、剛は遊琳にヘルメットを差し出した。
ゆーちゃんが頼ってくれた、めっちゃ嬉しい――とデカデカ書かれた剛の顔を見て、小さく噴出す遊琳。
(可愛いよ服部。本当に)
遊琳は小さな包みを、そっと懐に忍ばせた。
今日は素敵な一日になりそうだ。
ヘルメットを装着してバイクに跨ると、遊琳は用件を切り出した。
「行先だけどね、とらんぷ堂までやってほしいんだ」
「え……とらんぷ堂?」
剛は不思議そうな顔をする。
「そう。ちょっと野暮用があってね。……店、知らないの?」
「いや知ってるよ、もちろん。ただ……」
剛の言葉に嘘はなかった。
とらんぷ堂は寝子島にある画材店のひとつ。
そして剛の自宅である。
「ただ、何? 僕の頼みが聞けないの?」
煮え切らない態度の剛に、遊琳はピシリと言いつける。
「とと、とんでもない! さあ姫さん、出発やで!」
剛はおかんむりの遊琳にとびあがって、慌てたようにアクセルを踏み込んだ。
寮の外では、遅咲きの桜が舞っていた。
「もう、花見も終いやね」
「……ああ、そうだね」
葉桜の立ち並ぶ静かな道を、バイクが静かに疾走してゆく。
心なしか沈んだ声の遊琳に、剛が慌てた。
「すす、すまん! ゆーちゃん、桜は嫌いか!?」
「いや、好きだよ。それより、慌てて事故なんか起こさないでよね」
遊琳は笑って答える。
(桜の季節もお終い、か……)
遊琳は思う。
小さな子供の頃は、桜を特に愛おしいとは思わなかった。
春だ花見だと浮かれる大人の姿が、子供心に滑稽と感じたこともあった。
しかし、今は違う。
――彼とこうしていられる時間が、あと、どれだけあるだろう?
そんな感傷に浸っていると、不思議と桜が愛しく思えてくるのだ。
(今この瞬間が、いつまでも続けばいいのに)
太陽の香りがする剛の背中を、遊琳は強く抱きしめた。
今日この日を、剛が一生覚えていてくれるように。
(姫さん……?)
遊琳が回した腕に力をこめるのを感じて、剛は不覚にも心臓がどきりとした。
こんな風に甘えられるのは、ちょっと経験にないからだ。
言葉を交わさずとも、剛はすぐに理解した。
遊琳が、今この瞬間を愛しみ、惜しんでいると。
(……も少し、のんびりいきますか)
剛はほんの少しアクセルを緩め、遊琳と一緒に桜の散った道路を走った。
道の果てまで続く並木道の桜。枝にはもう、青葉が芽吹き始めている。
ひとつの季節が、終わりを迎えようとしていた。
それからどれ程たっただろうか。
「さあ着いたで。姫さん!」
『とらんぷ堂』と書かれた看板の前で、剛と遊琳はバイクを降りた。
「ずいぶん時間がかかったじゃない」
「いや~、景色が綺麗でつい……な!」
「ふん、それなら仕方ないね。それより、案内してくれる?」
「ほな、行きましょ!」
すっかり元の調子に戻った遊琳を連れて、剛は店内へと入っていった。
「美術芸術の道具やったら何でもござれ。ゆっくり見てってや♪」
「それなら、ラフ画の画材を見たいな」
「ほいきた! 絵画やったら専門分野やで! ははっ、美術んこと話せるのは嬉しいわ」
一緒に店内を見て回りながら、遊琳は剛の説明を聞いていた。
こういう時の剛は、本当に嬉しそうな顔をする。
そんな彼の話を聞いているだけで自分も嬉しいと遊琳は思う。
自然、遊琳の目と耳は、剛へと向いていく。
そしてつい、意地悪をしたくなってしまうのだ。
「服部、ちょっと聞きたいんだけど……」
遊琳は剛に向かって、少々マニアックな質問を飛ばした。
画材の性質、現在の流行、遊琳の作風。
すべて知っていなければ答えられない、そんな質問を。
「ああ。それやったら……」
即答だった。
「それと、パステルがあったら見たいな。ハードのやつ」
「あ、それはこっちに……」
個々の商材の性質はもちろん、場所や在庫まで把握していることに、遊琳は軽く舌を巻く。
そしてそんな剛に、頼もしさを感じる。
目ぼしい画材をまとめ、会計を済ませた遊琳は、剛にそっと小包を渡した。
「服部、誕生日おめでとう」
「……誕生、日……?」
ぽかんとした顔で見つめる剛に、遊琳は小さく吹き出した。
どうやらプレゼントを貰えるなどと、思ってもいなかったらしい。
「あれ、開けないの? だったら僕が使わせて――」
「い、いや開ける! 今開ける!」
包みの中から出てきたのは、革のキーケースだった。
高級革製の三つ折り生地の上で、太陽をあしらったスナップボタンが、小さく誇らしげに輝いている。
薄明かりの空色から、マジックアワーの金茶へと変わるグラデーションが美しい。
染色も縫製も、量産品のそれではない。素材、デザイン、実用性。どれもが高いレベルで結実している。
遊琳は多くを語らなかったが、彼が精魂こめて作った品であることはすぐわかった。
「もう、ゆーちゃん愛しとる!! おおきに、ずっと大事にするな!」
「……むぐ! 分かった、分かったから離して!」
剛の大きな腕で抱きしめられ、遊琳は息苦しそうに抗議する。
「おおきに……おおきにな……」
革は一生ものと言い、使い込むほどに艶を増してゆく素材だ。
遊琳の密かな心遣いに、剛は胸を詰まらせる。専用の手入れ道具を揃えようと思った。
(甘えとるんか甘やかしとるんか……ほんまそーいうとこ大好きやで、遊琳)
嬉しさを言葉で表現できないのがもどかしい。
剛は思った。
自分の心は、いつも遊琳と共に。
遊琳も思う。
今日この日を、自分は絶対に忘れないと。
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担当ゲームマスター
坂本ピエロギ
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年10月02日
参加申し込みの期限
2017年10月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年10月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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