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海神の島にて
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樹が森の中で見たものは、ふわふわの、白い綿か毛か、そういった何かに包まれた羊だ。触ってみると、どこか覚えのある感触が樹の手に伝わった。匂いを嗅ぎ、舐めてみると、
「わ、わたあめ!?」
甘味が口内に広がった。わたあめ羊がメェ~と鳴く。樹はその毛並みをもふもふしながらも、時々その毛を口に入れて、その味を楽しむ。羊は、自らの毛が食べられていることも気にせず、ただ向けられるカメラに興味津々なようで、メエメエ泣いてはカメラを舐めていた。
「あっ、だめだったら!」
樹の探検はまだまだ続く――。
「はうっ、南の島なのに林檎がなっているのです」
籠を持った修と美咲紀が足を踏み入れた森には、南の島らしい熱帯植物だけではなく、林檎やアプリコット、梨のような果物の、艶々とした鮮やかな色の洪水が見る者を楽しませるかのように群生していた。
無論常識で考えればあり得ないことであるが、此処は地上知らぬ海神の創った島だから、なんでもありなのだろう。あるいは、人の夢見る楽園の光景をどこかで聞き知った海神が、それを元に作り上げたのか。神の庭に生る古今東西の果実に、美咲紀と修は驚き、また楽しんでから、思い出したかのように口を開く。
「ここは楽園のようだな」
「シュー君、神様のリンゴといえば知恵の実ですよ」
「それはキリスト教やユダヤ教での話だろ」
苦笑しながら修は続けた。
「海神様とは関係ないよ。それに、知恵の実はリンゴとは限らない」
「そ、そうでなくとも天にも昇る美味しさに違いないのです!」
美咲紀も負けじと反論する。続いて美咲紀は頭上に在るルビーのような林檎に目を向けると、
「採らせてね」
と樹に声をかけてその実を採った。修の持った籠の中に、ルビー色が積まれていく。林檎の他にも、桃、柘榴、檸檬、オレンジ、梨、葡萄……様々な果物が美咲紀の手から修の手へ移っていく。不思議なことに、果実が枝から離れたも束の間、目を離している間に、もう元の場所には熟れた実が現れているという有り様で、これには美咲紀と修も二人して首を傾げた。
「はうっ、採った傍から生えてくるのです」
「まさに夢の島だな」
「すごいのです……」
採集もひと段落したところで、切り株に腰掛けた美咲紀は、採ったばかりの、未だ鮮やかな赤色の目立つ林檎を一つ、持ってきた果物ナイフでするすると剥いていく。ナイフが皮の上を進むたび、纏う赤の下にある淡黄色の肌が露わになった。そうして美咲紀の手で全ての赤が剥がされるかと思いきや、途中で止められ、残った赤はぴんと立った兎の耳のように模られた。
「先にシュー君にあげるのです」
淡黄色の兎がぴょんと修の手に乗る。よくできた兎にほっこりしつつ、口に含むと蜜が溢れてきた。しゃくしゃくと噛むたびに口の中が密で溢れて、その味たるや天にも昇るようである。
「美味いな。美咲紀も早く食べたらどうだ」
修にそう勧められて、美咲紀は林檎を剥く手を止め、剥けたばかりのそれを口の中へ放り込む。そうすると、美咲紀の口の中にも先述の旨味が広がり、彼女にこの上ない感動を与えた。
「美味しいのです!」
「だろう?」
修ももう一度、林檎を一切れ口に入れる。しゃくしゃく、しゃくしゃく。林檎を齧るときの軽く小気味良い音が鳴った。美咲紀も倣って食べ進める。そうしてすっかり味わい尽くしたとみると、修は次に籠から桃を取り出して、ナイフで二つに分けた。
「林檎以外も食べよう」
「無論、そのつもりなのです!」
丁寧に切り分けられたそれは、口に含むと柘榴のような味がする。桃の姿をした柘榴だ。美咲紀もこれには驚いてあっと声を出してしまった。恥ずかしがる美咲紀の姿を微笑ましそうに修は眺め、口を開く。
「柘榴ににた味の桃……罪の味に神の形だ」
「シュー君は難しい例えを使うのです……」
「桃と宗教は関係が深いよ」
「うーん、桃太郎なら知ってますよ」
「いい線いってる」
そうして修は美咲紀に桃に纏わる話を一つ二つして、続けた。
「そして柘榴は人肉の味に似ているという俗説もある」
「そ、そうなんですか!?」
「あくまで俗説だよ」
「びっくりさせないでほしいのです」
むくれる美咲紀に微笑んで、修はこの不思議な味をした桃の甘露に法悦を覚える。それが無くなる頃、惜しいと思ったのか、修は美咲紀に、
「ジャムにして持って帰りたいな。焼きたてパンに薄く塗ったら天にも昇る味だろう」
という。美咲紀も目を輝かせながら頷いて、じゃあ……、と続けた。
「それなら、必要なものがたくさんありますね」
砂糖、調理器具、保存用の瓶。つらつらと挙げられたそれを修は確認するが、途中で違和感を覚え口を挟む。
「バゲットもだ。パンが無ければ始まらない」
「パンなら、向こうの木に生ってるのです」
「まさか」
ほら。美咲紀の指差した先を見て、修は口を開けたまま暫し静止することになった。
甘い匂いがする。樹は森の中で、ふとそんなことを思った。嗅ぎ慣れると、その甘い香りに混じってアルコールのにおいがすることにも気づく。香りのもとを辿るべく樹は歩を進めた。茂みをかき分けると、むわっと香は強くなっていく。むせそうになったところで、樹は泉から湧き出るワインを見た。樹はワインが湧き出ていることがわからず、目を白黒させていたが、暫し経って、我にかえると、サッとカメラを構えてその泉を映した。
「見てください! ワインです!」
気化したアルコールを吸い込んでいるせいか、樹はなんだかくらくらとしてくる。ビデオの中に残るその声とカメラを構える手つきも浮ついてふらふらしていた。樹は慌ててその場を去り、倒れそうな身体を気力のみで支える。
「危ないところでした。お酒は20歳から!」
最後に、震える声でそう言った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
六原紀伊
前回シナリオ
海神の庭にて
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年09月20日
参加申し込みの期限
2017年09月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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