――助けて、ください
――僕たちを助けてください!
呼び声に目覚めた
浮舟 久雨が見たものは、青。深く、どこまでも広がる海の青だった。久雨が周囲を伺っていると、小さい手足をパタパタと動かし、気持ちよさそうに海を泳ぐコーギーたちが視界に入る。
「よかった! 目覚めたんですね!」
「ここは……?」
コーギーたちは久雨に気付くと、彼女をわらわらと囲んでは吠えるように喋る。
「実は僕たちにもわからないんです」
「海神様に連れてこられたんです」
「本当にどうしようかと思ってました!」
「よかった! 外から人が呼べてよかった!」
「助けが来ただけでも嬉しいです!」
どうやら事態はよほど逼迫しているらしい。そう感じた久雨はコーギーたちを手で制し、口を開く。
「教えてくれ。何が起こったんだ? 恐れる敵は何だ? それは私たちでも、倒すことが出来るものなのか?」
「そ、それは……」
コーギーたちは顔を見合わせては頷き合い、耳を垂らして、深く恥じ入るように言った。
…※…
「……納期、です」
「ノ、ノウキ。……納める期限って書くノウキ?」
「その納期です……」
一方そのころ。久雨と同じくこの場に呼ばれた
李 小麗は、コーギーたちから説明を聞き困惑していた。
話をまとめると、こうである。
むかしむかし、遠く、遠くの海からこの地に海神様が流れ着いた。
流れ着いた海神様は、なにもないこの海にいきものを作ったあと、彼らを集めてこう言った。
『誰か他の人が作った、面白い海が見たいなぁ』
つくられたばかりのいきものたちはこの無茶ぶりに困りに困り、今までのらりくらりとかわしてきたものの、意外とワガママな海神様はとうとう癇癪を起こしてしまって、近くにいたコーギーたちをこの海に放り込んだのだという。
『期限までに出来なかったら、もう君らはうちのこじゃないからね!』
「さすがにそれは横暴すぎなのだ!」
コーギーたちはそれをわかっているのかいないのか、皆しょんぼりと項垂れて鳴く。
「我々の想像力にも限界があることを、海神様は知らないのです」
「そもそも泳いでる魚を見たことがあるのは、ほんの一部のコーギーだけですし」
「海神様の作ったいきものの真似では、海神様は満足しないでしょうし」
「そんなこんなで悩んでたらあと一週間になってしまいまして」
「それは大変なのだ……」
一緒になってしょんぼりする小麗をもふもふと労わりつつ、コーギーたちは口を揃えてまた言った。
「だからどうか、僕たちを助けてください!」
お世話になっております。六原です。
ガイドに登場してくださった浮舟 久雨様、李 小麗様、ありがとうございました。
もしご参加されるようでしたら、ガイドの内容に捕らわれず自由にアクションを書いていただければと思います。
宿題、皆様はいつ終わらせていましたか。六原はいつもギリギリで終わらせていました。
そんなわけで、今回はギリギリなコーギーたちのお手伝いを皆さんにして貰います。
概要
「自分ではない誰かが作った、面白い海が見たい」
海神様は言いました。
◆場所
どこかの海です。元々はウミコーギーたちの宿題のために用意された場所でした。
寝子島の海ではないでしょう。異世界かもしれない。
どこの海なのか、海のどこなのかを知る術はありません。
時間が歪んでいるのか、ここでの一日は寝子島での10~30分に相当します。
※不思議な力によって、地上と同じように呼吸が出来るようになっています。
◆海神様
とても大きな、よくわからない、ちょっとワガママな存在です。
留守なのか、会うことは出来ません。皆様に害をなすつもりはないようです。
◆ウミコーギー
地上で亡くなったコーギーの魂をもとに海神様がつくったいきもの。海の生活満喫中。
外見は普通のコーギーと変わりませんが大きさは様々で、人が乗ることの出来るサイズの個体もいます。
つくられたばかりで引き出しが少なく、想像力はあまりないです。
◆いきもののつくりかた
1.目を閉じます
2.イメージします
3.目を開けると作成者の近くにイメージ通りのいきものが生まれます
※一度生まれたいきものは消すことが出来ません
※◆いきもののつくりかたはコーギーたちから聞くことが出来ます。
つくるいきものは水棲生物や実在の生物である必要はありません。自由に作ってみてください。
それでは、ご参加お待ちしております。