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土掘り妖精の宝物 ~或いは、貴方の為の埋蔵品~
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話を聞いた
メーベル・コルテージュ
は、エメラルドグリーンの双眸をくるりと丸くした。
「土掘り妖精……ですか」
その様子に、話し手たる
ヴェルト・レトランジェ
はふっと面白がるような微笑を零す。
「君、また噂を聞きつけてきたのか、という顔をしているね」
「……そういう顔になっていますか? ええ、険呑な噂ではなくて幸いだ、とは思っておりますとも」
メーベルの応えに、ヴェルトは今度はくすと音を漏らして笑った。
愛らしいかんばせにも声にも笑みを乗せたまま、ヴェルトは言う。
「面白い噂だろう? 折角だから試してみようと思ってね。君も、ついてきたまえ」
「かしこまりました、お付き合いさせていただきます」
「準備は……」
「すぐに。妖精様方のお茶会に必要なものを、取り揃えて参ります」
執事然とした真面目な返事に、「簡素で構わないよ」とヴェルトは淡く苦笑した。
軽く支度を済ませれば、2人で寝子島へ。
人目に付かない適当な場所を見つけると、ヴェルトは噂通りの手順を踏んだ。
そして、お願いの言葉を淀みなく唱える。
「妖精さん、妖精さん、宝物をお返しください……童心にかえった気分だな、ふふ」
楽しげな様子で、小さなシャベルを使ってさくさくと土を掘り起こすヴェルト。やがて現れたのは、
「これは……指輪、でしょうか」
と、ヴェルトと共に土を掘っていた手を止めて、メーベルが口にした通りの物だ。
サファイアの填まった指輪は、土のせいだけでない様子で、傷み、汚れている。
ヴェルトが指で摘まんだそれは、微かな月明かりに鈍く煌めいていた。
「俺のものではないようですが……先生のものでいらっしゃいますか?」
「うん。……懐かしいものが出てきたね。確か、昔貰ったものなのだけど」
ヴェルトのアメジストの双眸が、遠くを見るように細められる。
だからメーベルは、尋ねずにはいられなかった。
「……どちらの方から、贈っていただいたものなのですか?」
「誰って、女だよ。昔のね」
「そう、ですか。……先生にも、かつては一人の方を愛していた事があったのですね」
「まあ、そうなるね。結婚はしていなかったけれど、悪くない暮らしだったよ」
ヴェルトの目元に、少年の姿に似合わない複雑な色の笑みが乗る。
メーベルはもう、胸の内から問いが溢れてくるのを、押し留めておけなかった。
また、尋ねる言葉が口をつく。
「その方は、どのような方でいらっしゃいましたか?」
「うん? そうだね……生意気な子だったよ」
「生意気、ですか」
「ああ、君みたいにね」
「それは、お褒めに預かりまして光栄ですね」
からかうような言葉に、ちくりと毒が混じったような言葉を返すメーベル。
その意を察した上で、ヴェルトは口の両の端っこを上げている。
そのような女性が好みでいらっしゃいましたか、とその笑みは敢えて受け流して続ければ、
「いや?」
と、ヴェルトは至極あっさりとして応じた。
虚を突かれて、メーベルはぱちぱちと瞳を瞬かせる羽目に。
「……では、何故先生はその方を愛されたのですか?」
問われて、ヴェルトは「ふむ」と顎に手を宛がった。
「……なんでだろうね? 気まぐれを起こしたのかもしれないな」
「気まぐれ、ですか……では、何故お別れされたので?」
ここまで、何度も何度も重ねられてきた問い。
その中で、ヴェルトはここに来て初めて、答えに迷うように寸の間だけ瞳を揺らめかせた。
「別れたというか、なんというか……病でね」
返る言葉に、メーベルは慌てて頭を下げる。
「それは……つかぬことをお聞きして、申し訳ありません」
しかし……と、今度はメーベルが言い淀む番だった。
けれど、ゆるゆると顔を上げれば、ヴェルトの目が「続けていい」と言っていて。
だからメーベルは、胸の内に浮かんだ問いを、そのまま口にした。
「でしたらその指輪は、大切なものだったのでは、と」
「そのはずだったんだけど、気付いたら無くなっていたね」
けろりとしてヴェルトが言う。
ほう、とメーベルは知らず詰めていた息を吐いた。
もしかすると、少しばかり呆れの色が乗ってしまったかもしれない。
「……なるほど、先生の失せ物癖は昔からという訳ですか」
「はは、どうやらそうらしい」
軽い調子でそう返されて、メーベルは肩をすくめてみせた。
「全く、気を付けて頂きたいものですね」
「おや、やはり生意気じゃないか。別に、君が困るわけでもないだろう?」
「ご主人様にそういう癖があって、執事が困らないということがあると思いますか?」
また、言葉に幾らかの毒が乗る。
可笑しげにくつと笑い声を漏らすヴェルトへと、メーベルは言った。
「……で、そちらの指輪はどうなさるのですか?」
「君にあげてもいいけど、どうする?」
言葉と共にこちらへと向けられたくすんだ煌めきを、しかしメーベルは受け取るという選択をしない。
「……いえ、俺は結構です。その指輪は、先生が身につけるべきものでしょう」
「ふむ、そうかい? じゃあ、僕が付けるとしよう」
指輪をハンカチで軽く、けれど丁寧に拭って、ヴェルトはそれを人差し指に填めた。
月明かりの下、深い青の宝石は、先ほどまでよりもどこか誇らしげに見える。
「あまり状態は良くないけど、直せばそれなりになるだろう」
言って、ヴェルトは眼差しを、指輪からメーベルへと移した。
「さて、次は僕の方から質問をさせてもらおうか。君の方は? 何か見つかったかね?」
忘れている記憶だって、掘り返せるかもしれない。
けれどメーベルは、緩く首を横に振った。
「いえ、俺の方は何も」
「……ふーむ、そうなのかい。まあ、そういうこともあるよ」
「ええ。……掘り返さない方がいいものもあるでしょうから」
メーベルの言葉に「君がそう思うなら」と応じて、
「しかし、あの短い時間で随分と張り切って準備をしたものだね。これは後で食べようか」
なんて、ヴェルトは持参した菓子の残りを検めながら零す。
その姿を目に、メーベルは痛みを堪えるようにして、胸元に手を添えた。
(……俺には、先生と共に生きることは出来ない)
自分はいつかヴェルトを残して、老いて死んでしまうだろうと。
そのことを思うと、心を鋭い爪で引っ掻かれているような心地がした。
(そうしたらその時は……俺も、忘れ去られてしまうのでしょうか。まるで、最初からいなかったかのように)
それでも、と。だからこそ、と、痛みを抱えながらもメーベルは思う。
(生きている限りは、傍にいられる限りは)
(貴方の一番近くで、貴方の犬として、貴方と共に生きましょう)
例えいつか忘れ去られてしまうのだとしてもと、メーベルは胸の内に、誓うように呟いた。
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あとがき
担当マスター:
巴めろ
ファンレターはマスターページから!
お世話になっております、ゲームマスターの巴めろです。
まずは、ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました!
掘り出された物が形として残っても、そうでなくても。
PC様方の心に積もる、良き埋蔵品として描けておりましたら幸いでございます。
重ねてになりますが、ご参加くださった皆様に心からの感謝を。
この度も、本当にありがとうございました!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年09月29日
参加申し込みの期限
2017年10月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年10月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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