寝子島へと足を伸ばした
ヴェルト・レトランジェは、偶然、その話を耳にした。
――ねえ、知ってる? 土掘り妖精の宝物の話。
――ああ。過去のどこかに置き忘れてきた大切な物を、妖精が隠してる、ってやつ?
――そう、土を掘ったら、妖精が大事に仕舞ったそれが出てくるの。
――そういや、子供の頃、お気に入りのおもちゃを失くして、必死で庭の土を掘ったっけなぁ。
――何か出てきた?
――いや、全然。庭を荒らすなんて酷い悪戯だって、親にめちゃくちゃ怒られたよ。
(……ふむ、興味深い言い伝えだね)
星幽塔とは雰囲気を異にする場所の魔法じみた噂を、ヴェルトは耳心地良く聞く。
口元に緩く弧を描いているヴェルトには気付かずに、お喋りな2人組のうちの片方が、可笑しげに笑った。
――そりゃ、それじゃ駄目よ。妖精が隠したんだもの、人間が掘り出すには手順が必要だわ。
曰く、土掘り妖精の宝物を掘り返すのは、彼らが月下に踊る時間、夜中でなくてはならないらしい。
――それでね、お願いするの。妖精さん、妖精さん、宝物をお返しください、って。
そうしてその代わりに、ミルクや蜂蜜やささやかなお菓子を、掘り返す土の横に供えるのだとか。
まあ、夢みたいな話だけどね、と、柔らかな笑い声。
「土掘り妖精の宝物、か……」
2人組が去っていった後で、ヴェルトは小さく唇を揺らした。
お世話になっております、巴めろと申します。
このページを開いてくださってありがとうございます!
ヴェルト・レトランジェさん、ガイドへの登場誠にありがとうございました!
なお、もしこのシナリオにご参加いただける場合ですが、
ガイドは一例ですのでご自由にアクションをかけてくださいませ。
以下、シナリオの詳細でございます。
このシナリオの概要
寝子島の(恐らくはマイナーな)魔法じみた言い伝えが、
神魂の力で、一時的に現実のものとなってしまいました。
土掘り妖精の姿こそ見かけることはできませんが、
夜中に、ミルクや蜂蜜、お菓子等を妖精の為に用意して寝子島の土を掘ると、
PC様が過去のどこかに置き忘れてきた物を掘り出すことができます。
寝子島の外で失くした、手放した物や、もうこの世に存在しないはずの物も出てきます。
但し、もうこの世には存在しない物を掘り出した場合、
それは朝の訪れと共に消えてしまいますのでご注意くださいませ。
また、忘れていた記憶や思い出のような、本来は形のない物を掘り出すこともできます。
それらは光の塊のような形で掘り出されて、
手に取ると、その記憶や思い出を思い出す代わりに、光の塊は消えてしまう仕組みです。
掘り出した記憶や思い出が保持されるか時間の経過で消えてしまうかは、どうぞご自由に。
なお、噂は、元々知っていてもいいですし、街のどこかで偶然耳にしてもOKです。
こちらも神魂の影響か、この噂は寝子島の人々の間で話題に上りやすくなっている様子。
GAを組んでお二人以上で噂を確かめに行くのも勿論歓迎ですし、
その際、GAのおひとりだけが何かを掘り出す、というのもOKです。
それでは、佳き埋蔵品に出会えますよう。
ご縁がありましたらよろしくお願いいたします!