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概念召喚ＣＧＯ ～大召喚舞踏祭～
■遠大なる第一章 カンストハンターとねこがみさま
大地がゆれ、天空がゆれ、星の瞬きすらもゆれる。
竜の力を宿した世界ネコが吠えれば、そのすべてが一度に起きた。
家々を踏みつぶせるほど巨大な体躯と鋼をはじく毛皮。そして大空を翔る翼。
「この子はネコドラゴン、です。人類を滅ぼせる竜、だよ」
恵御納 夏朝はネコドラゴンの毛皮を撫で、そして相手を見た。
「おいおい、よりによってそいつかよ」
対して、ナイフ二刀流で構える水守 流。
「そいつのせいで大陸が一個無くなったんだぜ。チートだチート」
「そのくらい、怒ってるってこと」
夏朝は手のひらを翳して周囲の光景を示した。
潰れた家々。焼けた田畑。
逃げ延びた人々はおびえ、犠牲となった人々は野ざらしのままだ。
「こんな、ひどいこと」
「いやいやソレは俺じゃ無くて変なバケモンが――」
「いいわけ、させない」
夏朝が腕を振った途端、ネコドラゴンは巨大な炎を吐いた。
通常行動では回避不能の炎を特殊ローリング動作による無敵時間を利用しつつバグすれすれの高速ドリンク使用によって致命傷を回避。流は瞬間的に武器を大砲に持ち直すと、ネコドラゴンの鼻先めがけて乱射した。
僅かに目を瞑るネコドラゴン。
目を開いた頃にはもう流の姿は無い。
「問答無用ってか！ しょうがねえ、どのみち戦う相手だしな……！」
流の姿はネコドラゴンの頭上にあった。
両手剣を振り上げる。
一方でネコドラゴンは防御も回避もできる距離だ。その場から飛び退こうとした途端、足下の樽型爆弾が一斉爆破。閃光と爆音によってひるみ、飛び散った毒の霧によって身体がよろめく。
その瞬間を狙って流はフリーフォールアタックを繰り出した。
鋼をはじくネコドラゴンの毛皮も、鋼を切り裂く流のカンストソードには叶わない。
ネコ粒子となって散り消えるネコドラゴン。
「ネコドラゴン……！ みんな、行って！」
肉球型の方陣が生まれ、無数の世界ネコたちが飛び出していく。
あるネコは炎を吐き、あるネコは雷を呼び、あるネコは超高速で殴りかかる。
「群れ攻撃か？ 甘いぜ！」
自分の足下に樽型爆弾を設置。ロール無敵時間を使ってギリギリ自分だけダメージを回避しつつ群がるネコたちを迎撃。
「愛猫神弓・虎猫羽々矢（こねこははや・くりえいとこめーと）！」
――したところで、夏朝の放った矢が流を貫通。
「ぐあああああああああ！」
それっぽい断末魔を上げてばたんと倒れた……が、高いところからマッスルポーズと共に出現した。
「１乙程度でゲームオーバーにはならねえ。俺を撤退させたきゃ３乙はさせるんだな！」
流星の如く襲いかかるネコたちを両手斧で振り払うと、夏朝へと超高速接近。アンドスラッシュ。
「もっとも、俺は不死身だけどな」
そう。あらゆる世界に存在する流の中の流。それは廃人レベルになるまでやりこんだゲームキャラとしての流である。
非人間的な反応速度。常識はずれのあるルール。ルールの中で動く限り絶対に死亡しないという、無敵の存在なのだ。
「肉球戦輪・猫遊世界（にゃんとらるわーるど・ちゃくらむ）！」
咄嗟に肉球型のチャクラムを取り出し、投擲。投げたことで必ず相手を切り裂くことが確定するというアイテムだが……。
「ぎゃああああああ！ ――あ、回復回復」
へんなドリンクを飲むだけで流は即座にダメージを回復してしまった。
どころかその場でゆっくりマンガ肉を焼き始める始末である。
「どうしたどうした。満腹になった俺は攻撃力もアップするぞ」
「そ、そんなの滅茶苦茶……」
だが、滅茶苦茶なのは当たり前。
それが概念英雄というものだ。
「どうするどうする。俺を概念英雄じゃなくならせるくらいしか、勝つ方法はないぜぇ？」
次々と力尽き、粒子となって散っていく世界ネコたち。
潰れきった国の姿。
夏朝は感情を押し込めるように拳を握りしめた。
「だったら」
どこからともなく、夏朝は一枚の概念強化カードを発生させる。
「砕禍謀喰・獲味納猫牙（エミネント・エンペールング・インフィニットキャッツ・エッセン）！」
「なん……！？」
不可視のネコが、流のなにかを喰っていった。
物理的には何も起きていない。
しかし、世界ネコの放った真空の刃が手を切ったところで血が噴き出し、痛みによって膝を突いた。
「な、なんだ？ 感じないはずの痛みが……寒さ、が……？」
はっとして顔を上げる。
夏朝は手を翳し、不可視のネコをたわむれさせる。
「この概念強化カードはここではない僕との交換日記。無限に分岐するあらゆる可能性の世界ネコたちが、僕にさらなる力を与えてくれる。その一つが……『概念喰い』だよ」
そう。流は自らに課した無敵のルールという概念を夏朝によって喰われてしまったのだ。
「終わりだよ。でも殺したりはしない。君の概念英雄としての概念を喰った。神様にはなれなくても、生きてはいけるから」
「…………」
流はにやりと笑い、何かを言い、そして……その場から概念ごと食い尽くされた。
ぱっと髪を払い、夏朝は戦場に背を向けた。
「次の戦いに行くよ、みんな」
消えたはずの世界ネコたちが再び現われ、夏朝を神輿のように持ち上げる。そして空へと駆けていった。
大地がゆれ、天空がゆれ、星の瞬きすらもゆれる。
竜の力を宿した世界ネコが吠えれば、そのすべてが一度に起きた。
家々を踏みつぶせるほど巨大な体躯と鋼をはじく毛皮。そして大空を翔る翼。
「この子はネコドラゴン、です。人類を滅ぼせる竜、だよ」
恵御納 夏朝はネコドラゴンの毛皮を撫で、そして相手を見た。
「おいおい、よりによってそいつかよ」
対して、ナイフ二刀流で構える水守 流。
「そいつのせいで大陸が一個無くなったんだぜ。チートだチート」
「そのくらい、怒ってるってこと」
夏朝は手のひらを翳して周囲の光景を示した。
潰れた家々。焼けた田畑。
逃げ延びた人々はおびえ、犠牲となった人々は野ざらしのままだ。
「こんな、ひどいこと」
「いやいやソレは俺じゃ無くて変なバケモンが――」
「いいわけ、させない」
夏朝が腕を振った途端、ネコドラゴンは巨大な炎を吐いた。
通常行動では回避不能の炎を特殊ローリング動作による無敵時間を利用しつつバグすれすれの高速ドリンク使用によって致命傷を回避。流は瞬間的に武器を大砲に持ち直すと、ネコドラゴンの鼻先めがけて乱射した。
僅かに目を瞑るネコドラゴン。
目を開いた頃にはもう流の姿は無い。
「問答無用ってか！ しょうがねえ、どのみち戦う相手だしな……！」
流の姿はネコドラゴンの頭上にあった。
両手剣を振り上げる。
一方でネコドラゴンは防御も回避もできる距離だ。その場から飛び退こうとした途端、足下の樽型爆弾が一斉爆破。閃光と爆音によってひるみ、飛び散った毒の霧によって身体がよろめく。
その瞬間を狙って流はフリーフォールアタックを繰り出した。
鋼をはじくネコドラゴンの毛皮も、鋼を切り裂く流のカンストソードには叶わない。
ネコ粒子となって散り消えるネコドラゴン。
「ネコドラゴン……！ みんな、行って！」
肉球型の方陣が生まれ、無数の世界ネコたちが飛び出していく。
あるネコは炎を吐き、あるネコは雷を呼び、あるネコは超高速で殴りかかる。
「群れ攻撃か？ 甘いぜ！」
自分の足下に樽型爆弾を設置。ロール無敵時間を使ってギリギリ自分だけダメージを回避しつつ群がるネコたちを迎撃。
「愛猫神弓・虎猫羽々矢（こねこははや・くりえいとこめーと）！」
――したところで、夏朝の放った矢が流を貫通。
「ぐあああああああああ！」
それっぽい断末魔を上げてばたんと倒れた……が、高いところからマッスルポーズと共に出現した。
「１乙程度でゲームオーバーにはならねえ。俺を撤退させたきゃ３乙はさせるんだな！」
流星の如く襲いかかるネコたちを両手斧で振り払うと、夏朝へと超高速接近。アンドスラッシュ。
「もっとも、俺は不死身だけどな」
そう。あらゆる世界に存在する流の中の流。それは廃人レベルになるまでやりこんだゲームキャラとしての流である。
非人間的な反応速度。常識はずれのあるルール。ルールの中で動く限り絶対に死亡しないという、無敵の存在なのだ。
「肉球戦輪・猫遊世界（にゃんとらるわーるど・ちゃくらむ）！」
咄嗟に肉球型のチャクラムを取り出し、投擲。投げたことで必ず相手を切り裂くことが確定するというアイテムだが……。
「ぎゃああああああ！ ――あ、回復回復」
へんなドリンクを飲むだけで流は即座にダメージを回復してしまった。
どころかその場でゆっくりマンガ肉を焼き始める始末である。
「どうしたどうした。満腹になった俺は攻撃力もアップするぞ」
「そ、そんなの滅茶苦茶……」
だが、滅茶苦茶なのは当たり前。
それが概念英雄というものだ。
「どうするどうする。俺を概念英雄じゃなくならせるくらいしか、勝つ方法はないぜぇ？」
次々と力尽き、粒子となって散っていく世界ネコたち。
潰れきった国の姿。
夏朝は感情を押し込めるように拳を握りしめた。
「だったら」
どこからともなく、夏朝は一枚の概念強化カードを発生させる。
「砕禍謀喰・獲味納猫牙（エミネント・エンペールング・インフィニットキャッツ・エッセン）！」
「なん……！？」
不可視のネコが、流のなにかを喰っていった。
物理的には何も起きていない。
しかし、世界ネコの放った真空の刃が手を切ったところで血が噴き出し、痛みによって膝を突いた。
「な、なんだ？ 感じないはずの痛みが……寒さ、が……？」
はっとして顔を上げる。
夏朝は手を翳し、不可視のネコをたわむれさせる。
「この概念強化カードはここではない僕との交換日記。無限に分岐するあらゆる可能性の世界ネコたちが、僕にさらなる力を与えてくれる。その一つが……『概念喰い』だよ」
そう。流は自らに課した無敵のルールという概念を夏朝によって喰われてしまったのだ。
「終わりだよ。でも殺したりはしない。君の概念英雄としての概念を喰った。神様にはなれなくても、生きてはいけるから」
「…………」
流はにやりと笑い、何かを言い、そして……その場から概念ごと食い尽くされた。
ぱっと髪を払い、夏朝は戦場に背を向けた。
「次の戦いに行くよ、みんな」
消えたはずの世界ネコたちが再び現われ、夏朝を神輿のように持ち上げる。そして空へと駆けていった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2017年09月05日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年09月12日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2017年09月12日 11時00分
