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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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HAPPY BIRTHDAY TO WORLD
■かみさまののぞんだほし
とても場違いな話をしてもよいでしょうか。
屋敷野 梢という存在がこの宇宙に誕生したのは、宇宙が宇宙の形をなす前でした。
彼女ははじめに宇宙あれと望み、次になんでもあれと望みました。
ある戦争で世界の覇権を手に入れた彼女が望んだのは、宇宙の多様性だったのです。
それゆえ彼女は神々のひとつとなり、ある惑星を見守るだけの存在になりました。
惑星コズエ。
それが、彼女が見守ることにした星の名前です。
地球と比較することはこの際無粋ではあるのですが、惑星コズエは地球と比べて海ばかりの星でした。
暫くの間、この星はなにもない岩と水と大気の星でした。
そこへあるとき、生命と呼べるものが誕生したのです。
宇宙から飛来した隕石だったのか、雷による突然の化学反応だったのか、それとも化学物質が自主的におかしな化合を起こしたのか、それはわかりません。
しかし結果として、この世界には泡のような物体が生まれたのです。
泡がもっていたのは、自らを増やすという機能です。
一個体の泡は二個に増え、四個に増え、八個に増え、すぐに惑星のあちこちへと広がっていきました。
しかしどういうことでしょう。
増やした別の個体は、元の個体とごく僅かに違いを持っていたのです。
泡に自他の識別能力などありません。
自らと大きく異なった物体を外敵と見なし、排除を始めたのです。
泡は増え、つぶし合い、増え、つぶし合い、それを幾度も繰り返すうち、いくつかのパターンだけが残るようになりました。
つぶし合いで消えきらないパターン。いわゆる、強いパターンでした。
彼らの特徴は共通していました。
集合し、分担すること。
まるで細胞組織のように各種の機能を分担し、ひとつの大きな行動を成す軍隊と化したのです。それを細胞一個体として、彼らはさらなる集合を始めました。
自分たちよりも集合段階の低い生物を破壊、分解し、自らが稼働するための栄養源とする。
その行為は必然的に広まり、一般化しました。
生物の誕生、といっていいでしょう。
彼らには弱点がありました。
海から出ると大気の成分によって死滅してしまうということです。
ですがそれは、誰もいない場所でもありました。
生存競争に負けた個体はこの過酷な外気の世界へと進出し、全く新しい生命体になる必要が生まれたのです。
敗北。そして生存への執着。種を残すためあらゆる可能性を模索した結果、一部の生物は水上……外気の世界へと進出しました。
触れるだけで細胞群体は死滅しますが、この死体を硬化させ外皮とすることで、かれらは生命維持を可能としたのです。
もはや海中に戻ることはありません。
敵の居ない新天地へと、到達したのです。
ですが、新天地はいつまでも新天地ではありませんでした。
陸へあがった生物たちは、同じように生存競争を始めました。
今度は外皮を硬化した部位で突き破って内容物を破裂させるという手段で他を破壊し、取り込み、分解するようになりました。
そうした競争に負け、生き延びた生物はやがて、かつて恐れた外気を燃焼させる手段に行き着くのです。
炎を道具とする時代の幕開けであり、知的生命体の誕生でした。
この星では幾度となく戦争が起きました。
他者を破壊し、とりこみ、分解することで生きながらえる性質は数十億年たってもかわらなかったのです。
生物が群集を組み、巨大なコミュニティとなってもなお、それは続きました。
永遠に続くと思われたそのやりとりは、ある時に止まりました。
彼らが星の資源を採掘し、加工し、大気圏を抜けるように飛ぶ巨大な爆発物を作るようになった頃のことです。
その生物が惑星の反対側まで移動できるようになったことで、やっと知ったのです。
このままでは割に合わない、と。
彼らはそれまでの技術を、宇宙開発に向けました。
ジェット推進や太陽光発電、その他様々な学がつぎ込まれ、宇宙に飛び立つロケットが生まれたのです。
海から死を覚悟で外に出た生物は、同じく生きていくには過酷すぎる宇宙空間へと出て行くのです。
それがどんな未来を生むかは、まだ分かっていません。
とても場違いな話をしてもよいでしょうか。
屋敷野 梢という存在がこの宇宙に誕生したのは、宇宙が宇宙の形をなす前でした。
彼女ははじめに宇宙あれと望み、次になんでもあれと望みました。
ある戦争で世界の覇権を手に入れた彼女が望んだのは、宇宙の多様性だったのです。
それゆえ彼女は神々のひとつとなり、ある惑星を見守るだけの存在になりました。
惑星コズエ。
それが、彼女が見守ることにした星の名前です。
地球と比較することはこの際無粋ではあるのですが、惑星コズエは地球と比べて海ばかりの星でした。
暫くの間、この星はなにもない岩と水と大気の星でした。
そこへあるとき、生命と呼べるものが誕生したのです。
宇宙から飛来した隕石だったのか、雷による突然の化学反応だったのか、それとも化学物質が自主的におかしな化合を起こしたのか、それはわかりません。
しかし結果として、この世界には泡のような物体が生まれたのです。
泡がもっていたのは、自らを増やすという機能です。
一個体の泡は二個に増え、四個に増え、八個に増え、すぐに惑星のあちこちへと広がっていきました。
しかしどういうことでしょう。
増やした別の個体は、元の個体とごく僅かに違いを持っていたのです。
泡に自他の識別能力などありません。
自らと大きく異なった物体を外敵と見なし、排除を始めたのです。
泡は増え、つぶし合い、増え、つぶし合い、それを幾度も繰り返すうち、いくつかのパターンだけが残るようになりました。
つぶし合いで消えきらないパターン。いわゆる、強いパターンでした。
彼らの特徴は共通していました。
集合し、分担すること。
まるで細胞組織のように各種の機能を分担し、ひとつの大きな行動を成す軍隊と化したのです。それを細胞一個体として、彼らはさらなる集合を始めました。
自分たちよりも集合段階の低い生物を破壊、分解し、自らが稼働するための栄養源とする。
その行為は必然的に広まり、一般化しました。
生物の誕生、といっていいでしょう。
彼らには弱点がありました。
海から出ると大気の成分によって死滅してしまうということです。
ですがそれは、誰もいない場所でもありました。
生存競争に負けた個体はこの過酷な外気の世界へと進出し、全く新しい生命体になる必要が生まれたのです。
敗北。そして生存への執着。種を残すためあらゆる可能性を模索した結果、一部の生物は水上……外気の世界へと進出しました。
触れるだけで細胞群体は死滅しますが、この死体を硬化させ外皮とすることで、かれらは生命維持を可能としたのです。
もはや海中に戻ることはありません。
敵の居ない新天地へと、到達したのです。
ですが、新天地はいつまでも新天地ではありませんでした。
陸へあがった生物たちは、同じように生存競争を始めました。
今度は外皮を硬化した部位で突き破って内容物を破裂させるという手段で他を破壊し、取り込み、分解するようになりました。
そうした競争に負け、生き延びた生物はやがて、かつて恐れた外気を燃焼させる手段に行き着くのです。
炎を道具とする時代の幕開けであり、知的生命体の誕生でした。
この星では幾度となく戦争が起きました。
他者を破壊し、とりこみ、分解することで生きながらえる性質は数十億年たってもかわらなかったのです。
生物が群集を組み、巨大なコミュニティとなってもなお、それは続きました。
永遠に続くと思われたそのやりとりは、ある時に止まりました。
彼らが星の資源を採掘し、加工し、大気圏を抜けるように飛ぶ巨大な爆発物を作るようになった頃のことです。
その生物が惑星の反対側まで移動できるようになったことで、やっと知ったのです。
このままでは割に合わない、と。
彼らはそれまでの技術を、宇宙開発に向けました。
ジェット推進や太陽光発電、その他様々な学がつぎ込まれ、宇宙に飛び立つロケットが生まれたのです。
海から死を覚悟で外に出た生物は、同じく生きていくには過酷すぎる宇宙空間へと出て行くのです。
それがどんな未来を生むかは、まだ分かっていません。
あとがき
担当マスター：
青空綿飴
ファンレターはマスターページから！
大変お待たせしました。
惑星開拓日記、もとい『HAPPY BIRTHDAY TO WORLD』のリアクションをお届けいたしました。
皆さんの思い描く生態系は本当にさまざまで、意図せずかなりの多様性が生まれましたね。
彼らはみな、別々の方法と目的をもって宇宙へと旅立ちました。
広い宇宙で彼らが出会うこともあるでしょう。
けれどそれは、まだ未来のお話です。
その時が来ましたら、またお会いしましょう。
ごきげんよう！
惑星開拓日記、もとい『HAPPY BIRTHDAY TO WORLD』のリアクションをお届けいたしました。
皆さんの思い描く生態系は本当にさまざまで、意図せずかなりの多様性が生まれましたね。
彼らはみな、別々の方法と目的をもって宇宙へと旅立ちました。
広い宇宙で彼らが出会うこともあるでしょう。
けれどそれは、まだ未来のお話です。
その時が来ましたら、またお会いしましょう。
ごきげんよう！
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年10月26日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年11月02日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年11月02日 11時00分
