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人形の墓場・青空工場跡
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光の雨が降り注ぐ廃工場。
ゴシックドレスに身を包んだ
三宅 葉月
が、吹き抜けを見上げまぶしそうに目を細める。何を見ているわけでもなく。時の流れに思いをはせているようだ。
「……まだ使えるわね」
視線を地面に戻し作り物の腕を手に取り指先をそっとはわせる。気に入ったらしく、レースのハンカチでそっとくるんだ。ハンカチの中には、腕の他にも人間の体を作るのに必要な素材が集められている。
「あなたたち、どんなお洋服が好きかしら」
異国の歌を口ずさみながらスケッチブックを広げた。
数日後。
その日は軽く汗ばむような陽気であった。
「あー、本当に青いんだな。しかしボロい」
木刀を入れた袋を背負った少年が、日差しを避けるために手をかざしながら青い工場を見上げている。
少年の名前は
御剣 刀
。今日は青空工場跡でポルターガイストが起こると聞いて見回りに来ていた。神魂がらみの事件なら対処が必要。そうでないならただの散歩になる。
(だれもいないようだ)
不可思議な事件には慣れている。
臆することなくドアを開ける。偏った嗜好のオブジェの出迎えを受け、狂気の波に心がざわついた。退廃的な芸術家が足繁く通っているせいかオブジェの数は日ごとに増えているらしい。
(3桁に届きそうだ)
グロテスクな人形も、ガラスケースに入っていそうな精緻な人形も、みな、等しく吹き抜けからの光をその身に浴びていた。
(ここにある人形達もだれかの想いを失ったのかな)
自室にいる人形・ルヴィアの影が心をよぎる。ルヴィアは不要とされた人形だ。
(ここにあるパーツは、タイミングが悪くてだれかの想いを受けられなかったのかな)
足下に転がる人になり損ねた残骸をひとつつまむと、じんわりとした悲しみ……いや、寂しさが胸の内から沸いてくるようだ。
キイイ。と入り口のドアがきしむ。
等身大のアンティークドールのような少女が現れた。葉月である。小ぶりのトランクを持った彼女はこれから蒸気機関車で旅に出そうな、現実離れした雰囲気を持っていた。長いまつげが彼女の眠たげな瞳を隙間無くふちどっている。
「……」
葉月は刀の姿を瞳に映すがすぐに興味を失ったようだ。重力を感じさせない楚々とした動きで「いつもの椅子」に座る。その動きの迷いのなさから、刀は葉月がこの廃工場に通い詰めているのを察した。
「……俺、お邪魔でしょうか」
「いいえ」
存在を無視されているわけではないらしい。
気をつかって尋ねた新参者の質問に、人見知りの常連は最低限の返事をした。
「ここは人形達の場所だもの……ここでだれかと会うことも、珍しくはないわ」
口数の少なさを気にしてか言葉を添える。
おそらく、葉月が元々内向的な性格なのだろう。刀は遠慮せず、もう少し工場内で非現実的な時間を過ごすことにした。
「いきなりだけれど、あなた、身軽?」
目を合わせずに問われ、刀の反応が少し遅れる。
「それなりに。どうかしました?」
「この人形たちをピアノ線で吊りたいの。あそこの、大きな球体関節人形みたいに。でも、私では難しいからお願いできないかしら」
葉月が数体の人形を抱えて刀と目を合わせる。人形は工場内のパーツを寄せ集めたもので、真新しい丁寧な作りの服を着せられている。
人形の衣装は葉月が手作りしたものだ。手先が器用な彼女は自作のドレスを愛用しており、布やレースの余りを人形の服に回したようだ。
「工場の一角……。内階段の手すりと、あそこの角にある柱にピアノ線を結わえて蜘蛛の巣みたいにしたいのよ。メインの糸だけくくりつけてもらえれば、後は私がやるわ」
「あのあたりですね。いいですよ、お手伝いします」
刀はピアノ線を受け取ると、葉月の指示を確認しながらピアノ線を蜘蛛の巣状に取り付けていった。葉月のスカートが汚れるから、と人形を吊るす作業まで請け負ってやる。
「その青いドレスの子は高めの位置にお願い。三つ編みの子は腰にピアノ線をくくりつけてくれる?」
「これでいいですか」
「人形の右腕も固定させたいわ。蜘蛛の糸の適当な部分にくくりつけて」
葉月の指示通りに人形を吊るし終えると、人形を見上げる形で鑑賞する背徳的なオブジェが出来上がった。
「ありがとう。あなた、お人形を持つのに慣れているわね」
オブジェを見上げながら、葉月はこともなげにそう言った。
「うちにも、いるので。さっき吊り下げたくらいの大きさの球体関節人形です」
「そう。どんな子」
「ウェーブのかかった黒髪で黒いドレスを着ています」
「そう。大事にされているみたいね」
この前聞こえたルヴィアの声が頭の中でよみがえる。
この廃工場には、これから意思を持ち、何かをなし得るかもしれないものたちが眠っている気がする。
「この場所、それなりに愛されているのよ」
刀の心を見透かすかのように、葉月が淡々とした声でつぶやく。
「私は気に入っているわ。この、色あせた空気」
葉月の声色は、突き放すでも、悲しげでもなく、淡々と事実を呟いているように聞こえた。刀は葉月から視線を外してピアノ線の蜘蛛の糸を見上げる。陽の光を弾いて光る糸の中で、人形たちは安らかに眠っていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
相馬 円
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
ホラー
冒険
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年10月13日
参加申し込みの期限
2017年10月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年10月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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