シーサイドタウンのはずれにポツンとある廃墟。敷地内の建物すべてが青いペンキで塗られていて遠くからでもひどく目立っていた。建物内の壁も天井もすべて青である。ネット上で廃墟マニアから「青空工場跡」と呼ばれていた。
元々は人形を作る工場だったらしい。
セルロイド人形の胴体、三つ編みの残骸、段ボールいっぱいの眼球パーツなどが床にぶちまけられている。埃の積もり具合を見ても20年は放置されている工場であった。寝子高の体育館に似た作りで吹き抜けがあり、1階が製造工場、2階は「1階の3分の1ほどの広さ」で工場を見下ろすことができる従業員の休憩スペースがある。1階にあるトイレは水が流れていないため使えない。
灰色の雲が空を覆った、とある日。
廃工場に
天 雲日の姿があった。
「動く音がするって噂のベルトコンベヤーはこれか。……謎。そもそも電気が来ていないのに」
ぼんやりとした声で感想を述べる。
夜は物好きが訪れることもあるらしい青空工場跡だが昼間は静かなもの。昼寝好きの彼女はたまにここを訪れているらしい。慣れた動きで建物裏にある錆びた外階段をカンカンカンと音を立てて上る。建物内にも2階に続く階段はあるものの、足元が暗く人形の頭部が転がっているため歩きにくい。
(中の階段に置いてあった趣味の悪いオブジェ、意味不明だ。そんなものを作る時間があったら眠ればいいのに)
思考が極端である。まあ、そうでなければこんな不気味な工場に昼寝に来ないだろうが。
雲日は鍵の壊れた従業員スペースに続くドアを開け、適当に窓を開けて換気をし、埃っぽいソファに腰を下ろした。
「ぐー……」
幽霊が出るという噂も雲日の眠気には影響がないようだ。
2階部分はガラス窓でぐるりと囲まれている。曇りとはいえまだ昼。外からのわずかな光で工場内がぼんやり青く輝いていていた。
ボンソワール、相馬です。
寝子島セカンドマップ提案所にて、
天 雲日さんにご提案いただいた内容を元にシナリオガイドを作らせていただきました!
マップのE-10にある廃工場が舞台です。
今回は廃工場を舞台にしたフリーシナリオです。ミステリじゃないよ!
「昼」と「夜」。どちらか時間帯を選んで行動していただきます。
工場内には電気が通っていないため、
夜に訪れる場合は懐中電灯やスマホの明かりが必要になります。
工場内には人形作りに必要なパーツが一通りそろっています。
いたずらっ子や風変わりな芸術家の間ではオブジェを作って
展示するのが流行っているそうです。
新作を作るかどうかはあなた次第!
ではでは、よろしくお願いします!