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人形の墓場・青空工場跡
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休日の昼時。天気がいい。新緑が日の光をはじいてきらめいている。 新聞部の
椿 美咲紀
と
八神 修
は、流行の廃工場「青空工場跡」に取材を兼ねて散歩に来た。修の手には大きめのバスケット。中には美咲紀の作った弁当が入っていた。
「朽ちた人形があるとか、幽霊がいるとか、ホラーぽい噂が絶えない場所だと聞いていますよー。次の寝子高新聞の見出し、『今、ヒソカな流行! 廃工場探索!』なんてどうです?」
「ヒソカ、ね」
友人の手前、苦笑にとどめる。
青空工場跡の知名度を考えると「密か」が適切とは考えにくかった。副会長としては「不良のたまり場になりそうな場所」という意味で元々気になっていた。現地を見に行きたいと考えていたところに美咲紀からの誘いがあり、ちょうどいいねと足を運んだ。
「廃墟でお弁当も流行しているのか?」
冗談半分で尋ねると、「おやつを食べる人はいるかもです」とのんきな声が帰ってくる。
「青空工場跡は元々人形を作っていた工場なんです。そのせいか、退廃的な雰囲気に惹かれて芸術肌の人がデッサンや、インスピレーションを受けにくることが多いそうなんですよ」
「……電気の付かない場所でデッサンか。俺は芸術家にはなれそうにないな」
「あはは。確かにシュー君、芸術家タイプではないですよね。
あっ。着きましたよ。雰囲気ありますねえ……持ってきたデジカメとICレコーダーが大活躍しそうです!」
修は周囲の様子をざっと確認する。自転車も車も近くにはないが、車のタイヤ跡がいくつか見つかった。4日前に雨が降ったことを考えると、それなりのペースで遠方からも客が訪れているようだ。
(徒歩で来る人も多いだろうから、「密か」とは言えないかもな)
「シュー君、中入りましょ-。すごいですよ。本格的!」
「ああ、今行くよ」
日の光がこぼれる工場内は、なるほど確かに退廃的な美しさがあった。一言で言えば、静か。
「オブジェがいくつもありますね。このゴスロリのお人形はご自宅で作成されたものを運んできたんでしょうか」
「だろうな。洋服の生地が新しいところを見ても、最近運び込まれたんだろう。……こっちの腕がつながったやつは別の作者かな。そのへんに落ちている素材をつないだもののようだ」
「はー。新作が、日々生み出されているんですね-」
「こういうアバンギャルドな作風は嫌いじゃないよ」
「新聞にオブジェ掲載したら怒られますかね」
「どうだろう……。俺は、このオブジェの製作者はこの廃墟が有名になりすぎるのを嫌がりそうな気もするけど」
「確かに」
美咲紀はデジカメでオブジェや工場内の写真を撮りながら、食事をするのにいいポイントを探す。1階は人形のパーツが散乱しており、レジャーシートを引くには不向きだ。ふたりは外の階段から2階の休憩室に行くことにした。
途中、修が定礎の中を確認する。ろっこんを使って取り出した箱の中には、なぜか工場が作っていたらしい人形の広告が入っていた。
「へー。完成するとこんなに可愛いお人形なんですね。パーツのままだと猟奇的なのに」
「……来る人が覗くのを見越して入れられているな、これ」
ずいぶん古い物で紙の隅は茶色く変色していた。写真を撮って定礎を元の状態に戻す。
「シュー君、休憩室、いい感じですよ! ここでご飯にしませんか」
先に階段を上った美咲紀がはしゃいだ声を出す。美咲紀の背中を追った修は、歩行に邪魔な物を少し寄せつつ、工場を見下ろせるソファに腰掛けた。見下ろして感心したように口の端を持ち上げる。
「人形の墓場が一望できるな」
人に似せて作られたものが青い光を受けて柔らかく輝いている。役目のない人形たちがただ眠る場所。死に取り憑かれた人ほど御しがたい魅力を感じる場所。
「昼間の探索にしてよかったですね。夜に来ていたら不気味で取材どころではありませんでした。はい、お茶ですよ」
喋りながら美咲紀が弁当を広げる。卵焼き、唐揚げ、肉巻きアスパラガス。人気のおかずが塗料のはげたテーブルの上に並べられる。
「スナップエンドウと春キャベツのサラダもあります。プチトマトがアクセントなのですよ!」
ガラス窓の向こうに広がる退廃的な世界と対照的に、美咲紀の弁当は生命の光に満ちあふれている。
「いただきます。まずはおにぎりを貰おうかな」
「シュー君。彩りの感想もお願いしますー。手鞠風で可愛くしたのですよー」
「あ、悪い。空腹で。鮭のピンク色が可愛らしいな。錦糸卵も色鮮やかだ」
言って、ひとつ食べる。小ぶりなおにぎりは男の口だと一口でも余裕がある。
「美味いよ」
修は美咲紀の頭をなでながら、ひとつ、ふたつとおにぎりを平らげていった。
「あは。小さいおにぎり、たくさん作りましたからどんどん食べてくださいね。デザートにはキウイも用意していますから」
サラダをつつきながら美咲紀が微笑む。
「日光浴に最適な日だな。……では、連休前に記事の方向性を考えるとするか」
「今日は省エネモードでいきましょう。シュー君、生徒会のお仕事で3月、4月と忙しかったじゃないですか」
「それほどでもないが」
言いつつ、修は我が身を振り返る。
「忙しさに慣れてしまったのは、あるかもしれないな」
「今日は私の二次創作の資料集めも兼ねて来ていますし。背景の資料写真、オタ友にも需要あるんですよ」
「……あ、そう」
修の脳内に、資料>>越えられない壁>俺の文字が浮かんだ。
まあいいや。
「男同士の恋愛以外なら楽しみにしているよ」
「真実の愛の形がそこにはあるのに」
「いや、否定はしないけど、好んでは読まないから」
他愛ない会話が無人の工場内を彩る。
気のせいだろうか。目を閉じた人形達が、日の光の下では不安無く眠っているように見える。
ここは青空工場跡、人形達の墓場。
役目を失った人形達の青い棺桶。
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あとがき
担当マスター:
相馬 円
ファンレターはマスターページから!
お世話になっております。相馬です。
今回は私としては珍しくホラー要素のあるシナリオを担当させていただきました。
たまたま、今年の夏はゾンビや殺人鬼の出るお化け屋敷イベントに
遊びに行く機会が多かったもので、
そのあたりの体験が活かせていれば嬉しいです。
楽しんでいただけていれば幸いです。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
相馬 円
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
ホラー
冒険
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年10月13日
参加申し込みの期限
2017年10月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年10月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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