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久須部 紀伸
、43歳。職業・イラストレーター。
異形の怪物など、怪奇的な描写を得意としている。
夜の廃墟。嫌いなわけがない。
「……お、あそこに新作が展示されていますね。この衣装からして、こちらの人形と同じ作者でしょうか」
懐中電灯の光を葉月作成の新作人形に寄せ、楕円形のめがねを押し上げながら穏やかな視線で観察する。グロテスクな人形がひしめく中で、葉月作成の「一般的な愛らしさ」を持つ人形はある意味異質であった。
(これはこれで怖いような)
廃墟内でグロテスクなオブジェのデッサンばかりしていたため、紀伸の中に、ここにあるものは歪な物ばかり。という思い込みがあったことに気がつく。
「今日はこの子をデッサンしましょうか」
そう言って、紀伸は雰囲気を損なわない程度に明るいランタンを設置した。ネタ探しと気分転換でこの廃墟にはよく来ている。お気に入りの椅子に座ればすぐに自分の世界に入り込め、デッサンに集中できた。
紀伸が丸まってしまった鉛筆の芯を気にしたのと同じタイミングで、2階のドアが開く。人の気配。紀伸が顔をあげると、
「うわ、びっくりした……よくできた人形だな」
と、さして驚いた様子もない少年の声がした。少年・
如月 蘇芳
がいる休憩室から紀伸のいる場所は死角になっており互いの顔は見えない。ランタンの淡い光も、休憩室から階下をのぞき込まない限り気づかれることはないだろう。
(普通の大人でしたら、こういう時に声をかけるべきでしょうが)
紀伸はインスピレーションを受けにこの廃墟を訪れている。
ランタンを静かに壁際に寄せ、蘇芳の動向に耳を傾けた。
「あ、え、い、う、え、お、あ、お」
(ああ。演劇をやる子なのですね)
なるほど、なるほど。と紀伸はあごに指を当てて納得する。
ガラス窓越しにこれほどの声量であれば、発声に慣れているのだろう。
「……ソフィーが死んだとき、剥製にして飾りたいと思った。僕の家には父様が殺した立派な角を持つ鹿の剥製が飾られていて、毎日僕を優しい目で見つめてくれていたんだ」
蘇芳の役は狂気に満ちた貴族の青年の役だ。彼は死体を使って制作された美しい人形に恋をしている。
「僕は知っているよ。今は眠っている君の声が、ツグミやコマドリよりも美しいこと。君の喉には歌姫の骨をプレゼントした。あとは瞳の色だけが……。……うーん」
(狂気の表現で迷っているようですね)
紀伸は蘇芳の演技を聞きながら目の前の人形のスケッチに再び没頭する。2階の蘇芳は役をつかむため、演技に動きを加えて同じ台詞を何度も練習した。
「この台詞、少し長いから観客が飽きないように工夫する必要があるよね。神経質に歩いてみようか。それとも、貴族らしく優雅に振る舞った方がいい?」
紅茶を飲むパントマイム、猫背、颯爽と歩く、爪を噛む、自信のなさそうな早口。役柄を強調するような動きを次々と取り入れ、自分の中の青年像をまとめていく。
(孤独で、現実と向き合うことができない青年。他人の目など気にしないだろう。それならば、笑うシーンは息の限界まで大げさに笑った方がいいかな)
深く息を吸い込み、獣の遠吠えじみた笑いを演じる。
何度も何度も。
喉の奥が乾燥して痛みを感じるくらいに。
そうすると酸欠のせいか、頭がぼんやりとして。
役が自分の体にすっと宿る。
演じている自分を、もうひとりの自分が天井から眺めている。
けほ、と蘇芳は空咳をしてソファに座り込む。体の力を抜いていたため、ソファのクッションに垂直に体が沈んだ。錆びたスプリングの音がする。
「はあ。今日はこれでやめておこう。声が出なくなっちゃう」
携帯を開いて時刻も確認。外で警察に合ったら補導対象になる時間だ。
蘇芳はぼーっと荒れ果てた工場の天井を眺めると、勢いをつけてソファから立ち上がる。衣服の埃を払って外階段を下りた。
紀伸は人の気配が消えたのを確認してランタンを中央に戻す。工場内がぼんやりと明るくなった。
「おや。少し見ない間に」
デッサンしていた人形の関節から、染み出すように赤い液体が滴っている。
「彼の演技が素晴らしかったのでしょうね」
言いながら、紀伸は赤い鉛筆を探してカバンの底を手でさらう。手ごたえが無い。家に置いてきてしまったようだ。
「失礼しますね」
人形の目から流れる赤い液体を指で拭い、デッサンのために使わせてもらう。
廃工場内の人間は紀伸ひとりだけ。
無数のガラスの瞳にさらされながら、紀伸は穏やかな時間を過ごした。
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担当ゲームマスター
相馬 円
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
ホラー
冒険
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年10月13日
参加申し込みの期限
2017年10月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年10月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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