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魔王再臨~Komm, du süße Todesstunde
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●わが神の望みとあらば~Wenn es meines Gottes Wille
(何だ……今のは……!?)
森でゲヘナが打ち倒されたその時、魔王城の中庭にある世界樹の分木が光輝き、彼の語った真実がまもの達の中へと流れ込んで来た。
先代のまおうが、嘗て勇者であったこと――その事実を突きつけられた高久は、震える手で大剣を握りしめるのが精一杯のようだ。
(勇者が、ああ……俺は、勇者が助けに来てくれると信じて、けれど間に合わなくて……)
眼前の光景と過去の光景が混ざり合い、いつしか高久の瞳には、炎に包まれて落ちていく城が映し出されていた。その城壁にもたれるようにして力尽きた騎士は――そうだ、自分だ。
(勇者に対する恨みが、こうして俺を現世へ繋ぎ止めた……)
「――危ない!」
呆然と立ち尽くす高久を狙った死者を、毒の矢で射抜いたのはレオンだった。大分敵の数は減って来ているものの、これまでに彼らが受けた傷は決して浅くは無い――見れば最前線で戦い続けている樹も、既に武装の殆どが使い物にならなくなっている。
「……ご命令とあらば、私の命すら犠牲にして仕留めますが」
ひび割れた仕込み刃を振りかざす彼女は、きっと己が動かなくなるまで戦い続けるのだろう。背後から襲い掛かる死者へ向けて、樹の首がぐるりと回転すると――その口に仕込まれた魔弾砲が至近距離で放たれる。
「いえ、どうかそんな事はなさらないでください……。オフィーリア、何故まおう様に反旗を……!?」
哀しげな様子で樹の身を案じるレオンは、戦いを止めぬ死者の女王へ問いかけた。優しかった先代のことを微かに思い出した彼は、何故オフィーリアが頑なに王の座を求めるのかが分からない。
「このままでは、まもの達はみんな傷つき、死んでしまいます!」
「……ふん、ならば先代とて好都合だろうよ。貴様らも思い出したのであろう? 先代が、ただの人間……勇者と言う忌むべき存在であったのだと!」
――その事実は、死者の女王として君臨する彼女にとって、酷く屈辱であったことだろう。まおう選出のシステム自体に疑問を持った彼女は、まおうの死と忘却の時に備えて密かに術の研究を行っていた。そうして代替わりの時期を狙い、王位の簒奪を企てる――。
(まぁ、確かにこんな風にいざこざが起きるなら、先代の存在が失われた方が良いのかもねぇ)
微睡みつつも蛍を操る月詠は、ふわぁと欠伸を噛み殺して傍観していたが――足止めを行う眷属たちをかいくぐって、機械の鳥が此方へ向かってくる様子に身構えた。
(……もしかして、本体の私に気付いた?)
多数の蛍を使役する代償に、月詠自身の力は然程高くは無い。何とか雷を当ててショートさせようとするが、あちこちに散った蛍たちを呼び戻すには時間が足りなかった。
――彼女の戦い方は、乱戦状態でこそ活きるもの。明確に此方を狙う相手と、真正面からやり合うのでは分が悪い。仕方ないと月詠が覚悟を決めたその時、中庭を荒らす不届き者へ向かって、鋭い枝が伸びて一気に串刺しにした。
「ああ、私の可愛い子……存分に獲物を味わい、美しく咲き誇っておくれ!」
翼が折れて落下していく機械鳥を、地面で待ち受けるのは月だ。そうして彼女の願いに応えるようにして、暴れ回る蔓が養分を啜り、獲物の残骸を根が地中に引きずり込んでいく。
どうやら緑の女王が居る限り、魔王城の庭は安泰らしい――その間もオフィーリアに死を与えようと皐月が攻め立てるものの、女王を守る死者たちは手練れが多く、後一歩のところで届かずに居た。
(蒼い瞳は鬼火のように、薄く笑う唇は蝋人形のように――含みのある足取りは、首狩り役人のように)
悠月の歌うチャントに乗せて、皐月は踊るようにステップを刻む。まものとは、斯くあるべし――その生き様に恥じる行いをする偽りの女王には、ただ死を与えるだけでは勿体無い。
(そう、じわじわと腐り溶かして、無様で醜悪なモノにしなくては)
しかし、そんな彼女の熱を嘲笑うかのように、オフィーリアは軽やかな手際で戦場を支配し、己も術を組んで狡猾に立ち回っていた。
「己が君臨したいというのならば、住処を柵で覆い城とせよ。手札を全て伏せて強者を気取り、目と耳を塞ぎ口を閉じなさい」
「くくっ……守人風情が、大層な口を利く。貴様こそ身の程を知るべきだ。その翼で妾を見下しているつもりであろうが――」
其処で空を飛び回る皐月の羽を、オフィーリアの魔弾が無慈悲に貫く。そうして地面に叩きつけられた彼女の身体は、予め展開してあった魔法陣によってじわじわと分解させられていった。
「無様に這いつくばるのは貴様だ! 己の戦い方も定まっておらぬ者に、この妾が倒せるものか!」
属性と間合い――その二つが定かでないのなら、此方側で如何様にも出来ると女王は嗤う。そのまま一気に皐月を塵に還そうとしたオフィーリアだったが、彼方より飛来した闇の魔力が、魔法陣の呪を中和しようと火花を散らした。
「……まぁ、昔から上昇志向だったのは知ってるし、次のまおうを目指すのは別に勝手にすればいいけど、やり方がよくないねぇ」
杖を握りしめて更に魔力をぶつけようとしている由貴奈へ、オフィーリアは殺意をこめた視線を向けるが――彼女はそれを、真っ向から受け止めて言葉を続ける。
「ねぇ、死者はあるべき場所に帰るべきなんだよ。墓を暴こうだなんてもっての外。まおうの体はもちろん、こんな茶番に付き合わされて、フィーちゃんに連れられてる死者たちの中にも、怒りを覚えてる奴もいるんじゃない?」
そんな死者の管理人たる由貴奈の言葉にも、オフィーリアは不遜な態度を崩さずにいた。しかし、戦場に響き渡る日和のヴァイオリンが、徐々に死者たちの魂を鎮め――気づけば、オフィーリアの配下の殆どは戦うことを止めていたのだ。
(懐かしい、温かい、苦しいこの音色。目を覚まして、私と共に楽園に帰りましょう)
やがて彼らは、死者の聖母へと跪き彼女の盾となることを誓い、日和もまた慈愛に満ちた笑みを浮かべて子供たちへ頷く。
「あぁ、この母を守ってくれると。あぁ、このコ達を傷付けるなどユルサナイ」
我が子らを守るためならば、母は戦おう――そう告げて聖なる力を高めていく日和の姿に、オフィーリアは何故だと唇を震わせた。
「……女王のフィーちゃんには分からない? うちがここへ連れてきた亡霊たちも泣いて、怒って、憎んでる。楽園で眠っていた伴侶を連れてかれて怒ってるやつもいる」
――死者たちは決して便利な道具ではないと、由貴奈は言う。彼らを使役する者は、決してそのことを忘れてはならないのだと。そうしなければいずれ、彼らは牙を剥き――己が破滅の道を辿ることになるだろう。
「ああ、野心家なのは構わないが、少々手段が強引だ。はっきり言おうか? 君はまおうの器じゃない」
亡霊騎士である高久にも、死者たちの嘆きが十分に伝わって来ていた。操ることでしか統率出来ないなら、それまでなのだ――己を守る盾を失った彼女へ、高久の大剣が唸りを上げて振り下ろされると、光と闇の障壁が広がって辺りを焦がす。
「オフィーリア……あなたはやりすぎました。皆の命を守るため……私たちはあなたの命を奪います」
更に其処へ、狙い澄ましたレオンの毒矢が吸い込まれていき、オフィーリアの屍の肌は見る間に腐り落ちて骨が露わになった。あああぁぁ――と女王の絶叫が魔王城を震わせていく中、悠月は鎮魂歌を添えるべく剣戟の音色を響かせる。
「……血を多く流すことになっても、例え多勢に無勢だとしても。最期まで歌で送り続けると王に約束した」
元々戦いは得手では無いが、紡ぐ魔曲は悠月の身体能力を引き上げてくれていた。手首を返して下から剣で斬りつけた後、彼は風を生んでオフィーリアの体勢を崩す。
(望まれた歌を、最後まで歌いきるのが俺の矜持だから)
――例え喉が潰れようと、声が枯れ果てようとも、悠月は歌うことを止めないだろう。鬼気迫る彼の歌声を背に受けて、高久は今度こそ――最後まで城を守り切ろうと立ち塞がった。
「俺はもう、二度と膝はつかない――」
オフィーリアが放つ渾身の魔術を受けて尚、高久は剣を手放さない。亡霊の魂が、消滅の間際まで追い込まれるぎりぎりの所で――彼の放つ眩い光は、遂にオフィーリアへ止めを刺した。
「あ、ああ……永遠の時を生きる妾が……死ぬのか! 此処で!」
溺れるように彼女の手は虚しく宙を掻き、しかし死を避けられぬと知ると、死者の女王はけたたましい笑い声を響かせて空を仰ぐ。
――そんな彼女が消滅の間際に叫んだ言葉は、この世界を呪ってのものか。それとも、醜い己を嘲笑ってのものだったのか。
「ああ、この穢らわしい体! どろどろに溶けて露になってしまえばよいのに!」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
柚烏
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年08月12日
参加申し込みの期限
2017年08月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年08月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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