どんなことをして遊べばいいか教えてほしい｜リアクション

どんなことをして遊べばいいか教えてほしい

●初めて見るもの

　翌日。総悟は約束の時間より早く待ち合わせ場所の星ヶ丘駅前に。
　楽しいことを想像しているうちに時間は流れ、あっというまに集合時間に。
「おはよう、待った？」
　最初に合流したのは真帆だった。
「今来たばかりだよ」
　本当はかなり待ったと言えず。その後、続々と遊びを教えてくれた生徒達が集まった。
「まずはまたたび市動物園ね。総悟君、見たい動物はあるかしら？」
　優梨乃にそう聞かれ、ライオンが見たいと答える。
「皆さん、電車が来ましたよ」
　森蓮の案内で、一行はねこでん寝子島線に乗り込む。

「動物園到着ー！　早く入ろう！」
　チケット売り場に走って行った桃原空音が、皆のチケット買ってくると張り切る。
「お友達と動物園に行くのは初めてなので、少し緊張します」
　ドキドキしながら入口を見る綾辻綾花に、リラックスしていきましょうと優しく声をかける優梨乃。
　空音からチケットを受け取ると、総悟リクエストの猛獣エリアへ。
　目を輝かせ、食い入るように現実で初めて見るライオンに総悟は釘づけ。
「動物を見るのは初めてか？」
「図鑑で見たことあるけど、直に見るのは初めてだよ」
　他を見に行こうと誘いたかったが、修はもう少しだけ付き合うことにした。
「総悟殿、トラを見に行かぬか？」
「行こう」
　夏神零の手を取りトラを見に行く。

　次はふれあい広場。
「見るのも良いけど、触れるのも良いわよ」
　白いミニウサギを抱っこしながら優梨乃が勧める。
「この子を抱いてみてください」
　綾花は、自分の膝に乗せていたモルモットを抱えそっと手渡す。
「柔らかい……。ウサギは小学生の頃に学校で飼っていたから触れたことあるけど、モルモットは初めてだよ」
「機会があれば、総悟くんの小学校の頃の話を聞かせてください。約束ですよ？」
　綾花がそう言うので、お互いのことを知り合ってからで良ければと返事した。

　お昼には少し早いが、フードコートで腹ごしらえを。
「どうやって食べるの？」
　轟が食べようとしているハンバーガーを見て、総悟が疑問に思い尋ねた。
「お前、ハンバーガー食ったことないのか？　こうやって食うんだよ」
　そう言うとガブリと一口。勢いがあれば一口で完食していただろう。
「豪快な食べ方をするんだね」
「こうやって食うのが美味いんだ。チビチビ食えるかっての」
「食べてみたくなったよ」
「そうか。じゃ、今度ファーストフード店に連れてってやるぜ」