どんなことをして遊べばいいか教えてほしい｜リアクション

どんなことをして遊べばいいか教えてほしい

●人それぞれ

　次はやりやすいものが良いと総悟が言うので、旅鴉月詠は上下左右斜めの８枚のパネルを足で踏んでプレイするダンスゲームを勧めた。
「実際にやってみよう」
　１００円玉を入れ、早速プレイ。ダンスしながら説明するので、すごく器用だと感心する。
「実際にやってみると良い」
「僕と対戦してくれないかな？」
「良いだろう」
　こうして始まった対戦だが、リズム感とパネルを踏むタイミングが重要なゲームは初心者と経験者では差が開く。それもあり月詠が勝った。
「なかなかだったぞ」
「そう言ってもらえると嬉しいよ」
　次は俺だ、と八神修が対戦を申し出る。
　最初は２人ともテンポ良くパネルを踏んでいたが、徐々に踏むパネルが複雑になるにつれ足が縺れてきた。
「わっ！」
　総悟の同時踏みタイミングがずれ、足を滑らせ体勢を崩した。転倒する寸前に修が咄嗟に体を支えてくれた。

（少年剣士を支える秀才少年すごく良い！　そのまま一気に……！）
　同人ネタキター！　と大興奮の桃原空音。
「熱い視線が……」
「気のせいだ」
　仕切り直した対戦は、体力の差で総悟が勝った。

　対戦後、月詠がジュースを差し入れてくれた。
「ありがとう」
「球技大会があったろう。体育科なら球技や武道の授業がなかったかな。あれが人によっては遊びの範疇だよ。君は芸術科の人間をどう見るかね？」
　返答に困っているので「遊んでるようにしか見えないだろう？」と言う。
「自分の生活に直結はしないけど、いつもと違うことをするのは楽しいと思わないかね？　私が言いたいのはそういうことだよ」
「そうかな？」
「人の遊びはそれぞれだ。普通科、芸術科、体育科と学科が違うようにな」
　喉を潤した修が言うので、そうだと納得する総悟だった。
「遊びは一通り終わったんだろ？　だったら、俺との約束果たしてくれ」
　早く剣術を教えてほしい風雲児轟が話しかけるが、あたしとの約束が先と尾鎌蛇那伊が遮る。
「温水プールとボウリング場を案内してくれるんだったね。水着、持ってきてないけど……」
「大丈夫、レンタルがあるから」

　プールには、蛇那伊が言うように女の子が多かった。
「剣術稽古の前の準備運動と思えば良いか」
　ふてくされながら準備運動する男性陣に熱い視線が。
（男の子達の肉体美……いい……！）
　ここでも同人ネタを探す空音の視線だった。特に注目しているのは、鎧のような蛇那伊の筋肉だ。
　皆で楽しく泳ごうとなるはずだったが、総悟が泳げないことがわかったので交代で泳ぎを教えることに。
「恥ずかしいところを見せたね……」
「そう落ち込まないの。次のボウリングで頑張ればいいんだから。ね？」
　更衣室で総悟をマッサージしながら蛇那伊が励ますが、ボウリングではガター続きだったので益々恥ずかしい思いを。

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