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今夜、寝子ヶ浜海岸で。~猫の目シーグラス~
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日没から数時間。辺りはすっかり夜に包まれている。
町のあかりはここまで届かない。人工の光といえば、道路を走る車のヘッドライトがときたまよぎるくらいだ。
浜辺で揺れている白い光の筋は、一部の者が持ち込んだ懐中電灯によるものだった。だがそれも、広大な夜の領域では微々たる存在だ。
夜を明るくするもので、やはり月以上の存在はない。
雲一つない空に浮かんだ大きな満月から投げかけられる光で、遠くの岩まではっきりと浮かび上がって見える。
海面が反射しているせいもあるだろう。月光を浴びた波頭が、水平線までと続く、きらきら輝く光の帯を成していた。
規則正しいリズムで打ち寄せる波の音に混じって、砂を掘る音や人が動くときに立てる音、会話する声やその気配などがあり、静寂とはほど遠かったが、気分を害する類いのものではない。
砂浜に残る足音。踊る人影。
おしなべて、そのすべてが
桜 月
の創作意欲をかき立てて、月は満足だった。
「夜の浜辺、か。散歩で通ることはあるけどここまで下りてくることはあまりなかったんだが。
こうして浜辺に立つと……うん、いいね。何かが自分の中に降りてきそうだ」
見ているだけで、頭の中でイメージがふわふわと湧き上がっていく。このままではやがて消えていくだけのそれを形にとどめようと、月はさっそくその場に座って、ノートに向かった。
もともとそんなに欲しいわけでもなかったシーグラス探しは、すっかり頭から飛んでいた。
今はとにかく自分のなかにあるものをすべて出し切りたくて、ひたすらにペンを走らせる。それらには、文字もあればスケッチもある。絵の具か色ペンがあればそれも使っただろう。とりとめがなく、意味もなしていないが、かまわず月はエネルギーにあふれたそれらをすごいスピードで羅列していった。
整理するのはあとでいい。今はただ、この身の内に充満するエネルギーを現実世界へ形としてとどめるだけだ。
(うん、この流れいい……もっともっとイメージが欲しい)
ほとばしるエネルギーに全身が焼け付くように震える。まるで満月の神秘的な力が直接自分のなかに入ってくるみたいだった。
早く、早く。もっと早く手が動けばとのジレンマすらも楽しく思える。
この自分の中から湧き上がる何かを形にして人に伝える……それが私がデザインをする理由だから。
最近は恋人への愛情とか独占欲とかの欲望がほとんどだったから、それだけにこういう外界からの刺激を受けて創作することの楽しさを新鮮に感じられる。
(ああ、これを早く形にしたい。おまえはどんなふうに生まれることを望む?)
傍らにある、拾ったシーグラスや色石、貝殻を見る。
夜空や海を食べる星や月。
うん。いいかもしれない。あとで『memoria』で場所を借りて、作ってみよう。
来たからには! できる限り、めいっぱい、採って帰るのだ!
新田 樹
ほど意気込みと決意に充ち満ちた者はいなかった。
ほかの人たちの迷惑にならないよう、距離を取った先で、ろっこん
箱庭(リトルガーデン)
を使い、砂中にある物を砂の上に瞬間移動させる。
彼女のろっこんは知覚できない場所にある物体も移動できるものであるため、今回のように埋もれて目に見えなくても支障はないのだが、それが何かは出てこないと分からないことから、かなりの確率で投棄ゴミや小石を引き当てることになった。
「うーん。これじゃあ自分の手で掘ったほうがマシかも」
数回チャレンジして、貝殻1つでは全然割に合わないと結論し、ため息をつく。
そのとき、乾いた岸のほうで探している男性が見知った相手であることに気づいて、樹は気分転換がてら声をかけに行った。
「こんばんは、刀さん。刀さんも来てたんですねっ。全然気づきませんでした」
名を呼ばれて
御剣 刀
は掘るのを一時中断し、面を上げる。
後方にいた刀のほうは気づいていた。樹が気づいていないことも知っていた。シーグラス探しで頭がいっぱいだったのは傍目にも明らかだったから。
「こんばんは」
「なんか意外ですね。こういうかわいい系、刀さん興味なさそうなのに。
あ。もしかして、だれかにプレゼントですか?」
裏表のない、屈託ない興味津々顔で訊かれて、刀はちょっと笑ってしまった。
「紗那ちゃんにあげようと思って」
紗那とは、中山 紗那のことだ。春休みを利用して、兄と伯母を訪ねて寝子島へやって来た。
縁あって彼女と友人になった刀は、一緒に釣りをした際、少しだけ複雑な兄と妹の関係を見た。兄の喬がどう思っているかは分からないが、紗那のほうは単純に嫌っているというよりもう少し複雑な感情を彼に抱いているようで、ジレンマに陥っているようだった。
家族関係については、正直刀も人のことは言えない状態にある。刀の場合は両親だが、折り合いがつけられず、彼らの元を離れて1人暮らしだ。
だからこそ分かるというか……。
(本当に嫌いなら距離を置くし、そのうちに興味がなくなると思うんだよな)
紗那は寝子島へやって来た。忙しい父親の代理だということだが、それでも片道何時間もかけてやって来たのだ。釣りにだって、一緒に来たし。
(そこには嫌い以外の感情が働いているはずなんだよ)
どうにかしたいと思っているのは分かった。兄のほうが少しも気づけていないのがふしぎなくらい、傍から見ている刀には明白だった。
あれは単に強がっているだけで、本心では何かきっかけを欲しがっているにすぎない。自尊心が邪魔をして、それをどうすればいいか分からなくて、彼女は自分が作った袋小路に陥ってしまっているのだ。
「中山のほうは全く気づいてないようだし、とすると時間に任せててもあれ以上の距離が縮むことはなさそうだから……」
第三者がお節介を焼くしかない。
そして、ここまで考えるくらい気にするんなら、ひとつお節介焼くか、って気持ちになったのだ。
察してくれ、というように肩をすくめた刀を見て、樹もいつになく神妙な顔つきでふむりと考え込んだ。
紗那については樹も、ちょっと猫の尾を踏んでしまったような、胸に引っかかるものがある。
どうしても気になって、あのあと『memoria』を訪ねてみたが、紗那はもう本土に帰ってしまったあとだった。
「……私も、します」
砂を掻き分ける樹の手が見えて、ん? と顔を上げる。
「私も紗那さんにプレゼントするシーグラス、見つけますから……一緒に送ってくれませんか?」
そう言って一生懸命探す樹の横顔を見て、刀は「うん」と答えた。
余談だが、樹は紗那に贈るたくさんのシーグラスと一緒に中央に星型の模様が入った球状のシーグラスを見つけて、小躍りするくらい喜んだ。
たぶんそれは例の超有名アニメのコラボ商品か何かのビー玉が元なんじゃないかと刀は推測したが、本人が無邪気に喜んでいるのを見て、水を差すのはやめることにした。推測しただけで、本当のところは分からないのだから。
また、翌日刀は拾った金色の猫の目シーグラスをできるだけきれいにして、『memoria』に持ち込んだ。
店主の密架にお願いして、それを紗那に手紙と一緒に送ってもらう。
『釣りをした寝子ヶ浜海岸で、めずらしいシーグラスを見つけたからあげるよ。これは月猫の涙なんだそうだ』
そして例の童話を同封して、『また遊びにおいで』と記した。
彼の元へ「夏休みにそちらへ行く予定をたてています」としたためられた礼状が届くのは、さらに数日後の話だ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年08月26日
参加申し込みの期限
2017年09月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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