this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
今夜、寝子ヶ浜海岸で。~猫の目シーグラス~
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
つぎへ >>
月猫の話はいつからあったのだろう?
少なくとも去年の夏にはあった、と
水上 桜
は思う。去年の夏休みに探しに行こうかと思ったから。
だけどあのころは受験を控えていたし、そうしている暇はなかった。1日くらい、あるかないかの宝探しをして浮かれたって、どうってことなかったかもしれない。だけどそういった気の緩みを高校入試を半年後に控えた受験生がすると、引き締め直すのに倍以上の時間と労力がかかってしまう。
そうして念願かなって晴れて高校生になり、なんやかんやあって忙しかった日々のあれこれも落ち着きだした4月中旬。入部した家庭科同好会で
七夜 あおい
が話していることが耳に入って、去年の夏のことを思い出したのだった。
「七夜先輩、猫の目シーグラス探しに行かれるんですか?」
「うん。今夜ちょうど満月だから。よかったら水上さんも一緒に行く?」
「いいんですか?」
「こういうのって、大勢で行ったほうが楽しいものね」
「じゃあお言葉に甘えて。よろしくお願いします」
桜はぺこっと頭を下げた。
季節は春とはいえ、夜の海岸は海からの風で寒いだろうから、シャツの上にやや厚めのパーカーをはおって行くことにした。着いてみて、正解だったと思いながらジッパーを引き上げる。
そうして堤防から砂浜へ下りて、さっそくシーグラス探しに入った。
月の光で結構見通しがきいて明るいけど、探し物のシーグラスは小さな物だし、やっぱり細かいところまでは夜目では無理だ。ポケットから懐中電灯を取り出して、照らしながらまず波打ち際の砂の上を丹念に見て歩く。そうすると光を反射して、きらりと光る物がいくつかあった。
ほとんどが割れたビンの破片だったり、割れた貝殻だったりしたけれど、なかには欠けてない貝殻もあったりした。あと、きれいなシーグラス。ほとんどが茶色だったり薄い水色だったりしたけど、その不定形な1つ1つが桜の創作意欲を刺激してきて、わくわくする。
「これはワイヤーで巻いてイヤリングにしようっと」
とか
「これはステンドグラス風にしてブローチにすると映えるんじゃないかしら」
とか。
いろいろアイデアを膨らませていると、流木のそばでチカッと光る物が一瞬見えた。
「なに? ……あ! 赤いシーグラス!」
めったに見つからないレアなシーグラスが見つかって喜ぶ桜に、後ろから問いかける声がした。
「あなた。そんな所で何をしているの?」
振り返ると、ショートカットの大人の女性が立っていた。
彼女、
深倉 理紗子
は寝子島総合病院、内科勤務の医師だ。もう十年以上前から医師不足が深刻な問題として報道されているが、それは本土に限ったことでなく、寝子島も例外ではない。
人手が足りない状態が慢性化し、超過勤務が当然のように続く理紗子の日常は到底言葉では言い尽くせない激務の連続だった。
医療という、人の命を預かる仕事につく人間としての重い責任と緊張感の連続に、神経が悲鳴を上げたのが去年の秋。過労と診断された理紗子は「医者の不養生」と1カ月の療養を半ば強制的にとらされることになった。
それから半年を経て職場復帰を果たしたわけだが、状況はさほど変わっていない。今も仕事場は人手不足でてんてこ舞いだし、それに……理紗子自身にも、いろいろあった。あり過ぎた。特に、人間関係で。
人間関係のこじれは感情のもつれも引き起こす。
きょうも理紗子は12時間勤務を終えて疲労困憊自宅に帰るところだったが、まっすぐ帰る気になれずに夜の町をうろついて、心のなかの捻じれた何かが発する鈍い疼痛を抱えてさまよい歩くうちにたどり着いたのがこの寝子ヶ浜海岸だった。
人気のない海岸を歩き、冷たい夜風にあたれば少しはこの胸で淀んだ澱(おり)も薄れてくれるかもしれない――そう思って月明りを頼りに波打ち際ぎりぎりを歩いていて、桜を見つけたのである。
「あなた、高校生でしょう? こんな時刻、こんな場所に女の子がいるべきじゃないわ。早く家に帰りなさい」
大人らしく注意をする理紗子に、桜は驚きを沈めると冷静に答えた。
ここへはシーグラスを取りに来ていること、自分ひとりではないこと。
「猫の目をしたシーグラスは満月の夜にしか見つからないということなので、仕方ないんです。もちろん家族や寮母さんには了解を得て来ていますし、10時までには帰宅します」
「そうなの」
桜の話し方に、しっかりした少女だと印象を受ける。
もしかして家出ではないかと疑っていたりもしたのだ。
「あなたがひとりじゃなくて良かったわ。
ところで猫の目シーグラスって?」
やはり丁寧に、桜は今話題の月猫と少年の童話について説明をした。
「なるほど。それで満月の夜限定なのね。ロマンチックだわ」
そんなおとぎ話を目の前の少女のように信じるには、自分は少し現実を見過ぎてすり切れすぎてしまった気がするけれど……それを口にして、彼女の心の柔軟さを失わせるつもりはない。
「それで、見つけたの?」
「あ。いえ、これは赤いシーグラスで……。でも、これってかなりレアなんですよ!」
手を開いて見せてくれたガラスの欠片は小さかったけれど、たしかに薄紅色をしていた。
「きれいね」
「ですよね!」
理紗子の言葉に、桜はうれしそうな笑顔になった。
猫の目シーグラスを探す桜と分かれて、理紗子はふたたび波打ち際を歩き出した。
それまではぼんやりと歩いていただけだったが、桜の話を聞いて、ちょっと足元に気を配りながら歩いてみようかな、と思う。
特に探したりはせず、見つかればいいな、程度で目を下に向けていたのだが。
そんな無欲さが逆によかったのか、引いていく波の白い泡の下に何か光る物を見た気がして、砂に手を伸ばした。
さらさらとした砂のなかからガラスの欠片を拾い上げる。それは、淡い緑色のシーグラスだった。
「きれい……」
つぶやいて、つまみ上げたそれをポケットへ入れる。そしてそれからも1つ、また1つと、形も色も大きさもさまざまなガラスの欠片を拾っては、宝物のようにしまい込む。
1つ拾うたびに、くたびれた心が修復され、あの少女のようなやわらかさを取り戻せる気がして……。
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
今夜、寝子ヶ浜海岸で。~猫の目シーグラス~
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年08月26日
参加申し込みの期限
2017年09月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!