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今夜、寝子ヶ浜海岸で。~猫の目シーグラス~
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待ち合わせの堤防で、鏡花と一緒にこちらへやってくるあおいを目に入れた
八神 修
は、急ぎそちらへ駆け寄った。
「あおい!」
「こんばんは、修くん」
「こんばんは」
あいさつをする。それだけで体の熱が上昇して、胸がどきどきした。
会えただけでうれしい。
じっと見つめていると、あおいが顔を傾けた。
「修くんもいろいろ持ってきてるのね」
「あ、うん」
あおいの視線を追ってバッグを持ち上げる。中から熊手の柄が飛び出していた。
そのほかにも懐中電灯や採取用の透明なビニールの小袋が入っている。
「あおいも使う? 持って帰るのに便利だよ」
がさがさとビニール袋を1枚取って手渡した。
「ありがとう」
「いや……。
恵御納もいるか?」
名前を呼ばれて、
恵御納 夏朝
は月を見上げるのをやめて振り返った。
「ん? 何?」
「ビニール」
「あ。うん、欲しい。ありがとう」
「どうかしたのか?」
とことこ受け取りにきた夏朝に訊く。
「ん? どうして?」
「ずっと見上げてたみたいだから」
「ああ……。あの話を思い出してただけ。きょう、満月だから。月猫さん、今も泣いてるのかな、って」
「そうかも」
(俺もあおいと会えなくなったら辛いもんな)
「だけど、泣けるっていうのはいいことだよ」
「え?」
「少年のことを忘れてないから。彼のことを思う気持ちが薄れてないってことだから。それと、少年が今も自分のことを思ってくれてるって信じている証拠だから」
「……うん。そうだね」
夏朝はさっきまでより少し強くなった笑顔を浮かべた。
「まあ、泣いてばっかりっていうのもかわいそうだから、少しは泣き止んでくれてるといいけどな」
「ん」
その後ろで、彼の話を聞いていた様子のあおいがにっこり笑う。すると、自分でも驚くくらい気分が向上した。
(猫の目のシーグラスを見つけて、あおいにあげたい。がんばって探そう)
もともとそのつもりだったけど、あらためてそう思った。
階段を下りて砂浜へ向かう。もう黄昏時も過ぎて完全に太陽が沈んでいるせいか、見渡す限り人影はなかった。彼らだけだ。
それに、この前修たちが清掃した状態はほぼ残っていて、一見してゴミらしいゴミは見当たらない。ところどころに転がっているのは漂着物だろう。
「一応拾っておくか」
砂に半分埋もれてばたばた風になびいていたスナック袋を引っこ抜き、シーグラス用の袋とは別の袋に突っ込んだ。
「僕もそうしよっかな」
修がやっているのを見て、夏朝も足元のプルタブを拾う。だけど、そこそこにしとかなくちゃ、と自分にいい聞かせる。ここへはシーグラスを探しに来たんだから。
ここ、と見当をつけて砂を払い、掘って、ゴミはゴミ袋へ、シーグラスは採集袋へ分けて入れる。
掘った穴は、また砂をかぶせてきちんと埋め戻して。いつまでも出ない場所に固執しないで、場を移動しながら、広く浅く探してゆく。
(あ。きれいな色石)
あるとき、青と緑のマーブルで、地層みたいなきれいなグラデーションになった石を見つけて、夏朝は拾って月光にかざした。形も悪くない。
体をねじって、修のほうを見る。
「八神くん、これ」
「んー?」
修から返ってきたのは生返事だった。掘ることに集中しているらしい。
夏朝は修の元へ行き、横に分けて置いているうちの色石のところへ、さっき見つけたマーブル石を置いた。修が色石も集めているのを見ていたからだった。
(あれ? これって……)
「ん? ああ、恵御納か」
傍らの気配に気づいた修が、前のめりになっていた身を起こして夏朝のほうを向く。
「八神くん、これ、猫の目シーグラス?」
夏朝は掘り出されたシーグラスをつまんで修に訊いた。
「ああ。金色のほうだけどな」
「すごいよ、こっちだって少ないんだよ」
夏朝の賞賛に修はちょっと照れて、笑顔になった。
「だけどやっぱり緑と青のほうは見つけるの難しいかな」
ふっと息をつき、立ち上がって伸びをして。「ちょっと休憩入れるか」と提案した。
修はベーグルとあたたかい紅茶を持ってきていた。
あおいやほかのみんなもお茶に誘う。
輪になって座り、発見したかどうか訊くと、金色のシーグラスはちょこちょこ見つかっていたが、やはり青と緑のほうはまだ見つかっていなかった。
「でも、こうやって掘ってるだけでも楽しいね」
ベーグルをおいしそうに食べながら、あおいが言った。
「いつ出てくるかな、あ、こんなの出てきた、ってわくわくするんだもの。それに……涙は少ないほうがいいから」
何気なくつぶやいた言葉で、彼女が自分と同じことを考えていたと知って、修はうれしくなった。
「それが嬉し涙なら良いよね」あおいを見つめて言う。「あの話は、地上の少年を思って泣くところで終わってたけど、もしかしたらこんな続きがあるかもだよ」
毎晩島を見て泣く月猫に王さまは言いました。
そんなに寂しいのか。
ならば1年に1度だけ行く事を許そう、と。
それ以来、猫の目の石は再会を待つ嬉し涙の石になったのです。
「――なんて、ね」
「嬉し涙かぁ。それならいいかなぁ」
自分たちががときおり別世界へ行くことがあるように、月猫も地上へ降りて、また少年に会える機会があればいいと思っていた夏朝は、その場面を想像しようと、そっと目を閉じた。
月の光のきざはしを降りてくる月猫。それを海岸で待つ少年。
1年に1回でも会えるなら。どんなにうれしいだろう。たとえまた別れなくちゃならなくなっても、また会えることが分かっていたら、涙が流れてもそんなにつらくないかもしれない……。
「じゃあそろそろ再開しようか」
という修の言葉で全員がまた立ち上がり、休憩を終えて散っていく。
月猫についてぼんやり考えながら、夏朝も立ち上がったときだ。ふと、あることに気づいた。
(青と緑の猫の目シーグラス……って、あれ?
前にシークラフト作ったときに見つけたシーグラス、青と緑色をして、なかっ、た……?)
あれ?
でも。……いやいや、でも。
確かに色は同じだけど、猫の目っぽくはなかったか。
(猫の目みたいなラインは、入ってなかった気がする……)
「どうかしたのか? 恵御納。考え込んで」
「ん? ううん、何でもないっ」
「そうか?」
「うん。ちょっと思い出してただけ。
八神くん、あの金色の猫の目シーグラス、どうするの? ほかにも色石集めてたけど」
「ああ、あれ。猫の目シーグラスと合わせて、チョーカーにしようと思ってる。今夜はもう遅いから、明日にでも『memoria』へ行って、ワークルーム借りて。
恵御納はどうするんだ? 猫の目じゃなくても、いくつかシーグラス見つけてただろ?」
「うん、橙色とか藍色のやつ。でも、これでどうするかなんて、僕はまだ考えてなかったな」
「じゃあ恵御納も行くか? 向こうで手芸本見て、作りたい物を選んでもいいと思うよ」
「……そうしようか」
たしか『memoria』の営業時間は9時までだったはずだからまだ間に合う時間だけど、ゴミ袋を持って行くわけにもいかないし、寮へ一度戻って処分してからだと遅すぎる。
「決まりだ。あおいたちも誘って、明日行こう」
「うん」
夏朝は採集袋に入ったシーグラスたちを思い浮かべた。
せっかく拾ったからには、やっぱり前のときに作った猫のように何か形にして、大切にしてあげたい。
(さっき八神くんが言ってたシーン、再現できたら……どうかな……?)
きざはしを降りて再会する月猫と少年。こぼれた涙の猫の目シーグラスは嬉し涙になる。
(あー、なんだかすごくいいかも。
そのためにも、緑と青の猫の目シーグラス、見つけなくちゃ)
「八神くん、僕、なんだかすごくやる気出てきたよ」
「そうか?」
「うん。ありがとう」
帰るまでの残り時間、頑張って猫の目シーグラスを見つけよう。ほかにも材料となりそうなシーグラスとか、いろいろ。
夏朝は張り切ってシーグラス探しを再開したのだった。
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今夜、寝子ヶ浜海岸で。~猫の目シーグラス~
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年08月26日
参加申し込みの期限
2017年09月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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