おいしい休日♪｜リアクション

おいしい休日♪

　並ぶこと数十分。
「ふいー、念願のさんまさんかば焼き重を手に入れたぞ！」
　満足そうな流。陽毬は席で待ちかねていました。
「んじゃま、いっただっきまーす！」
「いただきまーす♪」
「んー、やっぱこのタレたまんねぇよなー」
「すごい人気だね」
　無意識に流のろっこん『メシテロジツ』が発動し、さんまさんかば焼き重を求める人がますます詰め掛けています。
「ほれ、本居もちょいと食ってみ？」
「いただきまーす！　うん、おいしい！　白いご飯があっという間にかば焼き重に！」　
　ちなみに陽毬もサンマの蒲焼をちくわで挟んだ『サンマちくわ』を食べています。
「そっちの料理はどんな感じだー？」
「しらすコロッケ、揚げたてでサクサク！　食べてみて」
「うん、こいつはうまいな」

　お昼時のピークを過ぎて、バイトをしていた夏朝も自由時間をもらえました。
「他の所を見て回ろう」
　和菓子・洋菓子・和食・洋食・中華……
（どれも美味しそう。辛い物と奇抜……斬新すぎるものは買えないけど……）
「あっ、『ノビネコケーキ』見つけた！　売り切れないうちに買っておこう」
　　
　ご飯を平らげて、さて次は……と歩き出した流と陽毬は、ノビネコケーキを買う夏朝とばったり会いました。
「こんにちは、水守君。美味しいものフェスタ、楽しんでる？」
「恵御納か。ああ、楽しんでるぜ。そっちは？」　
「今年は『こねころころ』のお店でバイトしてるんだ。新商品の『いもこねころころ』もよろしくー！　美味しいよ」
「よし、ここのケーキ買った後で行ってみるわ」
「ありがとう！」
　すでにケーキ屋の前には行列ができていました。
「並ぼう！」
　食べる気満々の陽毬が流の腕を取ります。
（女子のお色気には勝てないよなあ）
　財布が軽くなるのを覚悟する流です。