おいしい休日♪｜リアクション

おいしい休日♪

「ケーキにマカロンにプリン。デザート系もいっぱいありますわね、流石美味しいものフェスタですわ！」
　買った後は、テーブルに座って皆で食べます。
「いただきまーすっ！　……うん、美味しいっ！」
　満足そうにしらすコロッケを頬張る結。
「よく考えたら女の人二人のテーブルに俺居るのおかしくない……？」
　と周りの目を気にする司ですが、目の前のケーキを無視するわけにはいきません。
「……あっこれ美味い……ま、いっか」
「こういう所で食べるご飯は格別だし、皆で食べると更に美味しくなるね……！」
　軽くご飯を食べたらさっそくデザートへ。
　満足そうな結と左右は、司に目を向けました。
「ん？　なにこっち見てんのさ。すごい嫌な予感するんだけど」
　残念ながらその予感は当たっていました。
「折出君も食べますか？」
「……折出君。これ、食べる？」
　自然な形であーんをしようとしてスプーンを近づける結。
　司の慌てぶりを楽しみたくてフォークで迫る左右。
「まっ、まさか……それ……俺にする気じゃ……うわやめろあーんだけは！！！」
　デザートの魅力以上の恥ずかしさに、お姉さん二人から逃げようと腰を浮かせる司ですが。
　ガシッ　
「逃がしませんわ！」
　左右がガッシリと司の肩を掴みました。
　二人は美味しそうなデザートをちらつかせて司に笑顔を向けます。
（そういえば以前にもこういうことがあったような）
　新作スイーツお披露目会でのあーんを、微笑ましく思い出す結です。
「やめっ　ウアアアアアアアアア」
「「はいあーーんっ」」
　目をつぶる司。しかし、体は正直です。
　次の瞬間、司は、口を開けて二人のデザートを受け入れていました。
「ふふっ美味しいですか？」
　ニヤニヤと尋ねる左右に、ごくん、とデザートを飲み込んで。
「……美味しい」
　顔を赤くしてぶっきらぼうに答えながら、司は何かを思いついた顔になりました。
「っ！！　じゃあ俺からもこれ、あ、あ、あーん……」
　自分の前にあったマンゴープリンを一さじ、結の前に差し出します。　
「えっ？」
「いつものお返し！！　だから！！」
　一瞬驚きましたが、結は素直に口を開きました。
　お返しとはいえなんだか余計に恥ずかしくなっていた司も、いまさら後へは引けず。
　そっと結の口にプリンを運びます。
「美味しい！」
　嬉しそうな結。
「ほら、オバサンも、あーん」
「お返しなら仕方ありませんわね」
　その様子を見ていた左右も、スプーンに向かってあーんと口を開けます。
　ドキドキしながらプリンを口に運ぶ司でした。　