おいしい休日♪｜リアクション

おいしい休日♪

「食事の後はお菓子系ですね。あっ、あれ」
「こねころころ？」
　綾花の視線の先を見た珪先生がつぶやきます。
「猫好きとしては猫の形してるものは心惹かれますね」
　店では、夏朝が迎えてくれました。
「いらっしゃいませー！　新作の『いもこねころころ』いかがですかー？」
「かわいい！」
「背中に『じゃ』とあるのがじゃがいも版、背中に『薩』とあるのはさつまいも版、そして『里』がサトイモ版です」
「全部ください！」
　綾花は目を輝かせて言いました。
「ありがとうございますー」
　それを見ている珪先生の眼差しが、暖かく感じられました。
「温かいものはさめないうちに早めに食べましょうね」
　いもこねころころのそれぞれの味を、綾花も早川先生も一つずつ食べました。
「美味しい！」
　ほかにも猫の形のお菓子や、おいしそうなケーキをつい買ってしまいます。
　先生は小食ではなく、大食いでもなさそうでした。
　自分からは好みを言わない先生に、綾花は尋ねました。
「珪先生の一押しは何ですか？」
「難しいな……綾辻さんは？」
「私は決められないです。まだ食べてないものもありますし」
「僕もだよ。でもさっきの揚げたてのしらすコロッケは美味しかったな。僕は料理ができないから、こういうのを作れる人はすごいと思うね」
「しらすコロッケ、私も美味しかったです。今度作ってみようかな」
　家庭科同好会に入っている綾花は、料理が得意です。
「自分で作れたら好きなときに食べられるね」
「うまくできたら、珪先生にも食べてほしいです！」
　思い切って言った綾花に、珪先生は言いました。
「そうだね。綾辻さんは料理が得意だから、きっとできるよ」　

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