ザ・ホラーハウスショー！｜リアクション

ザ・ホラーハウスショー！

■ホラーハウスＢルート・アフター
「恐怖と不安に翻弄されながらも苦難を乗り越え、そして誰かに感謝される。お化け屋敷は、本来人が忘れがちなチャレンジ精神やその報酬を本能的に思い出せる場所でもあるんだ」
　八神修はそんな風に語って、ゴーグルを押し上げた。
「でも人をびっくりさせるのって楽しかったな。これって天職かも」
「いいお化け屋敷になった筈なのです！」
　新田樹と椿美咲紀も満足げだ。
　ナスティ・クローヴァと三宅葉月はといえば、一仕事終えた達成感からか静かにお茶を飲んでいた。
　そこへ。
『われはオバケダゾー』
　例のオバケダゾーさんが現われた。
『すばらしいお化け屋敷だったゾー。きっと来てくれたみんなも、元気になってくれたはずだゾー』
「そうか……」
　修はひとり納得した様子で頷いた。
「君は恐怖と畏怖の権化。人々を恐れさせ、健全な社会を作るための……」
「なんです？　どういうやつです？」
「さあ？」
　首を傾げる美咲紀と樹。
　ナスティと葉月は『そういえばこんなひともいましたね』といった様子でオバケダゾーさんを眺めていた。
『われは満足だゾー。さらばだゾー』
　ふっと冷たい風をふかせて、オバケダゾーは消えていった。

　人々の社会が気だるく緩みきったとき、またオバケダゾーはやってくるだろう。
　びっくりどっきりのお化け屋敷と、最後の笑顔を届けるために。

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