this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
春時雨の旧市街
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
9
つぎへ >>
その日、
八神 修
は旧市街の古本屋を巡っていた。
読書を趣味とする彼にとって、古書や奇書の類に巡り合うのは密かな楽しみだ。
修が立ち寄った古本屋は、いつから建っているのか分からない古びた店構えだった。
店番は、新聞紙を丸めたような顔つきの、腰の曲がった無口な老人だ。
棚に陳列された古書は、ネットにも載っていないであろう品ばかり。
(妖怪や邪神が店を出しても、この島では受け入れられる気がするね)
修個人としては、そうなれば余程面白いのにと思う。
高校で発行している新聞記事のネタには、さぞかし不自由しないことだろう。
修は見繕った古書を幾つか手に取って、そっとページを手繰ってみた。
郷土資料、生活習俗、歴史、文学、などなど……本はどれも、修の好奇心を刺激するものばかり。
あいにく値段の桁がふたつほど多かったので、買うのは諦めた。貴重な古書は高いのだ。
「さてと、そろそろ行くかな」
名残惜しさを感じつつも、修は1軒目の店を出た。
渉猟したい店がまだ何軒か残っている。この調子なら、あと4つくらいは回れそうだ――
そう考えていると、ふいに上空が黒雲で陰り出した。
「……やれやれ、まいったな」
修は雨からカバンを庇うように走ると、通りの軒先に避難した。
目の前では大粒の雨に晒された人達が、大慌てで雨宿り先を探している。
(予報は予報。外れるのは仕方ないさ)
特に慌てる様子もなく、修はカバンから傘を取り出した。
買った古書が水気で傷む事態を想定して、用意していたのだ。
「この天気では、古本巡りはまたの機会だな」
空に広がる雨雲を見上げ、修は肩を竦めた。
雨の中をジタバタと走り回るのは性に合わない。
とりあえずカフェで時間でも潰すとしよう。ちょうどこの近所に気になる店が――
そう思って歩いていると、道の向こうで手を振る少女が見えた。
「おーい、シュウ君ー!」
黒いポニーテールをゆさぶりながら、息を弾ませ駆けてくる少女。
同級生の
椿 美咲紀
だった。
「やーん、あめあめ雨なのです―!!」
「大丈夫か? ほら」
修の傘に迎え入れられて、美咲紀は肩を揺らして礼を言う。
「ありがとうです。シュー君、相変わらず準備万端なのですねー」
「美咲紀こそ、折り畳みくらい持ち歩いてると思ってたぞ」
「勿論、持っているのですよ? 鞄の奥底に沈んでいるだけでありまして」
美咲紀はカバンの中にそっと手を忍ばせると、
「ほら、ありました☆」
白い八重歯を覗かせて、猫のように笑った。
傘を並べて歩きながら、二人は軽く世間話に花を咲かせた。
美咲紀が言うには、彼女は郵便局に用事があったのだという。
「また今度にするです。切手濡れちゃうと嫌ですモン」
可愛らしく頬を膨らませ、不機嫌そうに不満をこぼす美咲紀。
どうやら雨とかち合ったせいで、目的は達成できなかったようだ。
「立ち話もなんだ、どこかカフェにでも――」
「ニャオーン」
修の言葉を、猫の鳴き声が遮った。
「ほえ。シュー君、猫なのです」
美咲紀がそっと指さした先を、体の小さな三毛と黒の若猫たちがサッと駆けていく。
後ろを歩く三毛猫が、修と美咲紀を振り返って「ミャー」と鳴いた。
「どうした。俺達について来いって?」
動物好きなだけあって、修は猫とのコミュニケーションには自信がある。
猫たちが二人に見せる態度は、明らかに人間を誘う時のそれだ。
「相変わらずシュー君、動物から好かれますですね」
冷やかす口調で、美咲紀が小突いた。
修は動物、とりわけ猫からは好かれやすい。実際今日も、猫餌のカリカリを携帯して歩いているほどだ。
そんな彼が猫から誘われれば、取る行動は決まっている。
「避難できるか一寸心配だ、見に行くか。美咲紀はどうする?」
「面白そうだから付いて行きますよ。世の中に悪いにゃんこは居ないのです」
美咲紀はドヤ顔で胸を張る。
「決まりだな。行こう」
「ごーごーなのです!」
見ず知らずの自分達に、二匹は何を見せたいのだろう?
修と美咲紀は、静かな足取りで猫を追いはじめた。
しばらく歩いて二人が辿り着いたのは、参道商店街の小さな社だった。
「ここって……弁天猫さんのお社ですか?」
「ああ。どうやらすっかり風景に馴染んだな」
弁天猫の導きを感じて、頬を綻ばせる修。
先導の猫たちが構えの奥に入っていくと、中からにゃあにゃあと、先客の挨拶声が聞こえてくる。
「お邪魔します、なのです……」
「失礼するよ」
観音開きの社をそっと覗き込むと、琵琶を抱えた猫の像――弁天猫が二人を出迎えた。
「猫達に囲まれて暖かそうだな」
社の中では、先客の猫たちが身を寄せ合い丸くなっている。
人間にとっては小さくとも、島の猫たちにとっては、この上なく快適な雨宿り場所のようだ。
「みんな一寸そのままでな。一枚撮らせて貰えるかな」
修は弁天猫に会釈して、カバンからカメラを取り出した。
猫たちの邪魔をしないよう、そっとシャッターボタンに指をかけて――
カシャッ。
雨の日の一幕を、修はそっとフィルムに収めた。
「野良にゃんは色々と大変なのにゃあ」
傍で見ていた美咲紀が、腕組みしながらしみじみ呟いた。
新聞部の記者である彼女にとって、「雨の日のにゃんこ」というのは関心あるテーマだ。
雨の日になると、街中から姿を消す野良猫たち。
彼らは一体、どこで何をしているのか?
その謎の一片を解き明かした美咲紀は、大きな満足を感じた。
いっぽう修はというと、カバンに手を突っ込み、猫の餌を取り出していた。
「少し、置いて行ってやるか」
お供えの場所の水気を払い、猫のカリカリをザザッとよそると、気だるそうな猫たちが一瞬で跳ね起きた。
「よしよし、今やるから待ってろよ」
「安心して食べるですよ。後で撫でさせてくれる?」
猫たちを濡らさないよう傘を広げながら、そっと猫たちに語りかける美咲紀。
食事を終えた猫たちが、返事の代わりに喉を鳴らして、二人の足元にすり寄ってきた。
「えっ、撫でてほしいのか? いいよ、順番にな」
「ふわふわです……野良にゃん、柔らかいです……」
喉を鳴らして身を預ける三毛猫を、蕩けた表情でまふまふする美咲紀。
至福のときだった。
「見ろよ美咲紀。この子、靴下はいてるよ」
修が右手で抱えて見せたのは、足先の毛色が真っ黒の白猫だ。
真っ白の体に、黒い靴下を履いているようだった。
「にゃんこ可愛いのです……天国なのです……」
「よしよし、待ってろ。順番だからな」
艶のある毛並みをさわさわと撫でる美咲紀。
そんな彼女と一緒に、猫達とのひと時を楽しむ修。
こうして雨の日に出くわした猫との一幕は、無事に幕を下ろした。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
9
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
春時雨の旧市街
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
坂本ピエロギ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ★(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年08月20日
参加申し込みの期限
2017年08月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年08月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!