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<七福猫シリーズ>弁天猫を探せ編
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● 弁天Session!
デスメタル騒動がすっかり落ち着いたころ。
「んーっ、いい湯でした」
牛乳片手にタマゴ肌になった美咲紀を先頭に、夏朝、瀬莉、綾花、修がねずの湯から出てきた。
「でも男湯に弁天猫らしきものは無かったな」
「残念ながら女湯にもなかったですねー」
水に関係する場所ではないのだろうか。では、と修はまた思案する。
「弁天は知恵の神でもある。書店付近はどうだろうか」
うん、と夏朝が頷く。
「たしか、寝子島神社の鳥居の近くに、本屋がある」
「わかった、行こうよ~♪」
瀬莉がベベンと琵琶をかき鳴らし、節をつけて賛同する。
それから自分でも驚いたらしく目を丸くして、
「今、ものすごく琵琶をかき鳴らしたくなったの! 別に楽器演奏とかそんなに得意じゃないのに!」
「実は私もですよ~♪」
綾花も琵琶を爪弾き歌うように言う。
「はは、俺もさ」
修もヴァイオリンケースからヴァイオリンを取り出し、夏朝もメロディに合わせるように歌う。
「歌いながら行こうよ。にゃあにゃあうにゃあ、可愛い可愛い弁天様はどこですにゃあ♪」
なんだか楽しくなってきた。
弁天たちの、弁天探しのマーチングバンドだ。
「弁天様はどこですか~♪」
綾花は琵琶かき鳴らし、歌うように呼び掛ける。
「弁天猫さん出ておいで~♪」
瀬莉も楽しく琵琶を鳴らす。
まるで天岩戸の物語のようだ。
隠れてしまった女神のために、楽しい祭りを催して「さあ楽しいよ」と歌い踊る。
その例えで言えば、アメノウズメの役は美咲紀だと言えるだろう。
「弁天サマな姿のにゃんこ知りませんかぁ」
と花の代わりに猫おやつを手に、ポニーテールの髪を翻して、楽しげに舞う。
猫が寄ってくれば猫おやつをあげて写真を撮るのも忘れない。
しばらく行くと、刀とサキリ、日和、津止先生に出くわした。
「よう八神。俺たちも混ぜてくれないか」
「御剣、か? うん、その……弁天コスプレ、本格的だな」
「はっきり似合わないと言ってもいいさ。それはともかく、だ」
刀たちは寝子島神社の宮司に会って、七福猫や弁天猫様に捧げる奉納用の曲や音楽がないか、調べてきたという。結論から言えば、そのような記録はなかったのだが、寝子島神社の祭りで奉納する音楽の一節を教えてもらうことはできた。いわゆる雅楽だ。
「雅楽の合奏では、吹物(ふきもの)と呼ばれる管楽器と、弾物(ひきもの)と呼ばれる絃楽器、打物(うちもの)と呼ばれる打楽器を使う」
津止先生がまるで音楽の授業のように皆に説明した。
吹物は笙(しょう)や篳篥(ひちりき)、龍笛(りゅうてき)などの笛系の楽器を指す。今日は神社から篳篥を借り受けることができた。琵琶を持つ者が多いので、これを津止先生が担当する。
弾物は皆がいつの間にかもっていた琵琶。刀もなんとか基本の和音を弾くことはできるようになった。ちなみに雅楽では、メロディラインを奏でるのは吹物の担当で、琵琶などの弾物はリズム楽器になるのだという。
修と日和のヴァイオリンは弦楽器だが、メロディを奏でるのに適しているので、どちらかというと吹物に近い役割になるのだろう。
そして打物。太鼓や鉦鼓(しょうこ)などがそれにあたるが、これはサキリの担当になった。というのも、琵琶は指がつりすぎて断念せざるをえなくなったからである。
サキリは鉦鼓代わりのトライアングルを、鉛筆削りに使う折り畳みナイフの金属柄でチンチンと鳴らし、
「これ思ったより色んな音が出せるんだな」
などと、意外に楽しそうである。
ちなみにトライアングルは学校の音楽室に瞬間移動で忍び込んで借りて来た。
もちろん後で元に戻すつもりだ。
しばしの打ち合わせと練習ののち、マーチングバンドから雅楽団に進化した弁天姿の一行は、参道商店街を優雅に、けれど、けっこう適当に合奏を楽しみながら練り歩いた。
それに合わせて美咲紀が舞い、夏朝がにゃあにゃあ歌う。羽衣やショールが愉快にはためくので、猫たちがじゃれつこうと寄ってくる。商店街の人々は手拍子で応援し、修と日和も津止先生の篳篥に合わせてアドリブに近いメロディを奏でる。
ローファーを履いた日和の靴が、一歩、また一歩と前に踏み出す。
一匹の猫が物珍しそうについてくる。
日和はふふっと楽しくなって猫を見た。猫も日和を見上げた。それから猫はにゃあと鳴いた。
それはまるで、日和たちのメロディに合わせて歌を歌ったかのようだった。
(クラシック音楽の楽しさとは全然違うけれど、これも、楽しいかも)
この演奏は、どちらかというとjazzに似ている、と日和は思う。
伝統音楽と即興演奏の融合は、いままで聞いたこともないような――。
そのとき、一陣の風が吹いた。
♪歌よ届け 届け、あなたへ
♪ココロの中に湧き上がる あたしの想い 風に乗って
せれね、せれね、という声がさざ波のように広がる。
人垣を割って、ローカルアイドル末明せれね、こと、
夢宮 瑠奈
が姿を現す。
まるでステージへの階段を一歩一歩上るかのように、歌を紡ぎながら歩く彼女は、雅楽団の一行の前で立ち止まると、スカートの裾を軽く摘まんでお辞儀をした。
「私もいっしょに歌わせてもらえませんか?」
瑠奈にとっては、歌は自然な感情表現である。
楽しいなら楽しく、悲しいなら悲しく歌う。それが自分だ。
末明せれねはまだまだローカルの小さなアイドル。
寝子島の中であればこうして「せれね」と声を掛けてもらえるが、外に出たらきっと、まだ見向きもされないだろうと自覚がある。
皆に覚えてもらいたい。
皆に愛してもらいたい。
皆に愛を届けたい。
だから
あたし
は歌い、皆に振り向いてもらいたい。
ゲリラライブで見向きもされないのが、
私
は一番怖い。
あたしと私。瑠奈とせれね。願いと恐れ。ふたつでひとつ。繋ぐものは、
歌
なのだ。
(だから、音楽の神様たる弁天様の加護は受けたいと思うのも、道理でしょう。
ただ素直に、ココロの中に湧き上がる感情とともに、歌おうとするのもの、当たり前でしょう)
――だってあたしは、と瑠奈は願う。
――だって私は、とせれねは誓う。
アイドルのタマゴなんだから。
もちろん、と夏朝が言う。
いっしょにやろう、と日和がせれねの手を取る。
せれねは願いも誓いも口にしたわけでは無かったけれど、日和は何かを感じ取って、気づけばせれねを放っておけない気持ちになっていた。
「いっしょに弁天猫、探そうね」
「はい。弁天猫の像を見つけましょう。だってきっとあたしと同じで、忘れられたくないと思っているだろうから。きっと、一緒に盛り上がりたいと思っているだろうから」
きっと、きっと。
(そんな憶測の感情だらけだけれど、きっとあたしはそういった感情で、移動する生き物だから)
そうだね、と日和は頷いた。
雅楽と即興音楽に、アイドルが加わった。異色すぎるセッション。でも、わくわくする。
父が聞いたらなんていうかな、なんて思いが過ぎって。
ふるふると日和は父の顔を脳裏から振り落とした。
そんなことは今は考えない。今を楽しもう。音を楽しもう!
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担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
13人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年07月02日
参加申し込みの期限
2017年07月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年07月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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