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【星幽塔】最終決戦！ すべての希望に火を灯せ！
「元々この力は、星幽塔そのものというか……ステラからの贈り物みたいなものなんじゃないか、と俺は思ったんだ」
いきなり何を言い出すんだろう、と日和もシドニウムも思ったが、彰尋はぐっ、と拳を胸に押し付けて言葉を続ける。その眼に宿る信念が、治癒の光のような煌きを覚え、２人は背筋を正した。
「ならば、この戦場で全てを賭けてステラを、アステリズムを……皆を癒しきって使えなくなっても、力を元に返すだけだから。救える手段の一つになれるなら後悔なんかしない」
それだけ言うと、彼は立ち上がる。その足で未だ巨人の気を引き続けている仲間たちの治癒へと向かう。
「全く……。君には参ったよ」
シドニウムの呟きに、日和が駆け出す。彼女は残り僅かとなった星の滴を彰尋の手に握らせた。
「！ 結城さん……、受け取れません！」
彼女自身も魔風の力を何度も放ち続けている故に、彼女自身に持っていて欲しい。日和に渡そうとするが、彼女は彰尋の手をそっと包んで頷く。
「これは、彰尋君が飲んでっ！ 君のお陰で、誰も倒れずにここまで来たんだから！ 最後まで立っていて欲しいから……っ！」
日和の言葉に、彰尋の胸に熱い何かがこみ上げてきた。それを堪えながら、彼は深く一礼した。
（サファリリオレンジドロップも、これが最後……）
夏朝は手にしたアイテムを手に、唇をかみ締める。その傍らでは、アカリが星の滴を衛に渡していた。
「ほら、飲んどけ。そっちも消耗してるだろ？」
「でも……それ、最後のじゃ……」
衛が戸惑っていると、アカリが星の滴を衛の口に押しやる。そして、ちらり、と巨人を見やった。
「もう、時間が無い。皆、疲れている。強襲をかけるとして、たぶん、残り１回が限度じゃないかな？」
「あ……」
アカリの言葉に、衛は息を飲んだ。見渡せば、アステリズム防衛に当たっていた日和、高久、ロベルトが酷く傷ついているように見えたし、先ほど共に巨人へ強襲をかけた真白と円も、離れた場所で援護に専念していた桜と遥斗も、酷く消耗しているように見えた。
フローレンスとアヴィケンナだって銀の使い魔とゴーレム、オートマータの使役で疲弊しているように見えたし、シドニウムもまた時に爆薬や劇薬で応戦した為傷ついていた。時折仲間を指揮していた夏朝も、良いフォローを入れていた月も、そんな風に見える。
そして誰よりも消耗していたのは、治癒に専念していた彰尋だろうか？
「そっか……、皆のためにも、あと１回でオーブを奪取、か」
衛はにぃ、と笑って光の獣の頭をなでた。すると、円が「行くの？」と目で問いかける。彼女もまた立ち上がり、不敵に微笑んでいた。
「真白ちゃんは大丈夫？ いける？」
「うん。まだいける。額にあるオーブ、取りに行くんでしょ？」
真白が立ち上がれば、次々に冒険者達が立ち上がる。だが、みんなボロボロだ。
「私は星の力を温存していました。オーブ奪取の一手になるよう、ここで使わないでいつ使いましょう？」
消耗した面々にそういい、月が巨人へと踊りかかる。魔火の力を通した鋼糸で巨人のオーブを狙い、鷹のように舞う姿は、実に美しい。だが、彼女は思っていた。もう、長くは戦えない、と。
（私一人だけではない。皆の消耗が激しい）
だからこそ、最後の一撃にかけるのだ。
（機は、熟した）
夏朝は、大きく息を吸い……叫んだ！
「オーブ、取るよ！ 全員、オフェンスで！！」
そして、先へ行った月を追いかければフローレンスが少女の声に頷く。
「高久さん、ゴーレムで動きを抑え続けますから、巨人に直接呪術の力を！」
「応ッ！」
彼女の言葉に高久は返事しながら走り出す。そこへ動き出す腕。しかし、日和がぴっ、と指を差し風を起こす。
「最後のありったけ、あげるんだから！」
「合わせる！」
「ついでにこれもよろしくっ！」
遥斗が魔風の力を発動させて両手剣を振り、トドメとばかりにろっこんも発動させる。その強風にロベルトが魔土の力で石つぶてを乗せ、巨人へと突き刺さる。ステラが助かった今、仲間の誤爆さえ気をつければよいのだ。
「皆に、武運を！」
星の滴を飲み込んだ彰尋が、ありったけの力で治癒の光を降り注ぐ。駆けていく者たちの傷を癒した後、彼もまたアルナイルダガーを手に駆け出した。
夏朝はねこシールを月に貼り、魔風の力と鋼糸で風に乗る。その横を魔火の力で円が飛び、光の獣に跨った衛が駆ける。
「いっけぇ！」
アカリが力を振り絞って激流を起こし、振動を起こそうとした巨人の出鼻をくじけば、高久が両手剣を巨人にぶっ刺す。そしてその柄を気合と共に足で押し込んで、呪術の力を注ぎ込んだ。
いきなり何を言い出すんだろう、と日和もシドニウムも思ったが、彰尋はぐっ、と拳を胸に押し付けて言葉を続ける。その眼に宿る信念が、治癒の光のような煌きを覚え、２人は背筋を正した。
「ならば、この戦場で全てを賭けてステラを、アステリズムを……皆を癒しきって使えなくなっても、力を元に返すだけだから。救える手段の一つになれるなら後悔なんかしない」
それだけ言うと、彼は立ち上がる。その足で未だ巨人の気を引き続けている仲間たちの治癒へと向かう。
「全く……。君には参ったよ」
シドニウムの呟きに、日和が駆け出す。彼女は残り僅かとなった星の滴を彰尋の手に握らせた。
「！ 結城さん……、受け取れません！」
彼女自身も魔風の力を何度も放ち続けている故に、彼女自身に持っていて欲しい。日和に渡そうとするが、彼女は彰尋の手をそっと包んで頷く。
「これは、彰尋君が飲んでっ！ 君のお陰で、誰も倒れずにここまで来たんだから！ 最後まで立っていて欲しいから……っ！」
日和の言葉に、彰尋の胸に熱い何かがこみ上げてきた。それを堪えながら、彼は深く一礼した。
（サファリリオレンジドロップも、これが最後……）
夏朝は手にしたアイテムを手に、唇をかみ締める。その傍らでは、アカリが星の滴を衛に渡していた。
「ほら、飲んどけ。そっちも消耗してるだろ？」
「でも……それ、最後のじゃ……」
衛が戸惑っていると、アカリが星の滴を衛の口に押しやる。そして、ちらり、と巨人を見やった。
「もう、時間が無い。皆、疲れている。強襲をかけるとして、たぶん、残り１回が限度じゃないかな？」
「あ……」
アカリの言葉に、衛は息を飲んだ。見渡せば、アステリズム防衛に当たっていた日和、高久、ロベルトが酷く傷ついているように見えたし、先ほど共に巨人へ強襲をかけた真白と円も、離れた場所で援護に専念していた桜と遥斗も、酷く消耗しているように見えた。
フローレンスとアヴィケンナだって銀の使い魔とゴーレム、オートマータの使役で疲弊しているように見えたし、シドニウムもまた時に爆薬や劇薬で応戦した為傷ついていた。時折仲間を指揮していた夏朝も、良いフォローを入れていた月も、そんな風に見える。
そして誰よりも消耗していたのは、治癒に専念していた彰尋だろうか？
「そっか……、皆のためにも、あと１回でオーブを奪取、か」
衛はにぃ、と笑って光の獣の頭をなでた。すると、円が「行くの？」と目で問いかける。彼女もまた立ち上がり、不敵に微笑んでいた。
「真白ちゃんは大丈夫？ いける？」
「うん。まだいける。額にあるオーブ、取りに行くんでしょ？」
真白が立ち上がれば、次々に冒険者達が立ち上がる。だが、みんなボロボロだ。
「私は星の力を温存していました。オーブ奪取の一手になるよう、ここで使わないでいつ使いましょう？」
消耗した面々にそういい、月が巨人へと踊りかかる。魔火の力を通した鋼糸で巨人のオーブを狙い、鷹のように舞う姿は、実に美しい。だが、彼女は思っていた。もう、長くは戦えない、と。
（私一人だけではない。皆の消耗が激しい）
だからこそ、最後の一撃にかけるのだ。
（機は、熟した）
夏朝は、大きく息を吸い……叫んだ！
そして、先へ行った月を追いかければフローレンスが少女の声に頷く。
「高久さん、ゴーレムで動きを抑え続けますから、巨人に直接呪術の力を！」
「応ッ！」
彼女の言葉に高久は返事しながら走り出す。そこへ動き出す腕。しかし、日和がぴっ、と指を差し風を起こす。
「最後のありったけ、あげるんだから！」
「合わせる！」
「ついでにこれもよろしくっ！」
遥斗が魔風の力を発動させて両手剣を振り、トドメとばかりにろっこんも発動させる。その強風にロベルトが魔土の力で石つぶてを乗せ、巨人へと突き刺さる。ステラが助かった今、仲間の誤爆さえ気をつければよいのだ。
「皆に、武運を！」
星の滴を飲み込んだ彰尋が、ありったけの力で治癒の光を降り注ぐ。駆けていく者たちの傷を癒した後、彼もまたアルナイルダガーを手に駆け出した。
夏朝はねこシールを月に貼り、魔風の力と鋼糸で風に乗る。その横を魔火の力で円が飛び、光の獣に跨った衛が駆ける。
「いっけぇ！」
アカリが力を振り絞って激流を起こし、振動を起こそうとした巨人の出鼻をくじけば、高久が両手剣を巨人にぶっ刺す。そしてその柄を気合と共に足で押し込んで、呪術の力を注ぎ込んだ。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年07月20日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年07月27日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年07月27日 11時00分
