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【星幽塔】今日、どう過ごす?
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「ほほう……これが『魅惑の粉』か。どうしたものかね」
第一階層にある3階建ての建物の最上階で。足を組み尊大にソファに座りながら呟く少年の姿があった。
彼の名は
ヴェルト・レトランジェ
。少年とは言ったが、彼は煙草を嗜む435歳の立派な紳士。可愛らしい容姿をしているが、そのアメジストの瞳を覗けば隠し切れない妖艶な色合いが滲んでいる。
そんなヴェルトの手にしているのは確かに『魅惑の粉』だった。この住居の下で営んでいる
よろず屋『Sisyphe』
で、ある案件の報酬として貰ったのだ。まだこの階層では珍しい粉の包みを手に、ヴェルトは頬杖をつきゆるゆると考える。ふと、その瞳に楽しげな色が浮かんだ。
「……そうだ。あの駄犬を揶揄うのも悪くない」
ヴェルトは階下にいるであろう、自分に従順に付き従うある人物の姿を思い浮かべる。彼はくすくすと笑うと、包みを開けぱらぱらと粉を自身に振りかけた。
女相手に使うのもいいが―――執事を揶揄うのも楽しいだろう?
煌めくエメラルドグリーンの瞳を持ち、その大柄な体躯を主人の言いつけ通りに窮屈な執事服におさめる
メーベル・コルテージュ
は、階段を上り3階のドアを開ける。そして優雅に振り返ったヴェルトの姿を見て文字通り息を呑んだ。
そのまま目を逸らす事すら出来ずヴェルトを凝視するメーベルに、ヴェルトは妖艶に微笑んだ。
「君の手を借りず着替えてみたよ。どこか可笑しな点はないかね?」
「……ッ、そう、ですね……特に可笑しな所はないと思いますが……」
メーベルは声を上ずらせながら言うと、初めて自分が不躾にヴェルトを見ていた事に気が付いたのだろう、パッと視線を外した。
「おやおやどうしたのかね? 動揺してるようだけど」
ヴェルトは後ろ手を組みながらメーベルに近付く。弾かれたようにメーベルが後ろに下がった。
「いえ……何でもありません。俺は店の方を閉めてきますので」
「よろしい。僕は寝室に居るから、閉めたら戻っておいで」
辛うじてその言葉が終わるまで待ったメーベルは急いで頷くと、その場から逃げるように階段を下りて行ってしまった。その背中をヴェルトのくすくす笑いが見送っていた事すら気が付かず。
メーベルは階下の閉店作業を終え3階に戻ってきたが、ヴェルトの待つ寝室ではなく台所に行き、夕食の支度を始めた。
しかしその様子はどう見ても上の空だった。メーベルは野菜を剥く手を止めると、プルプルと頭を振った。
「まずい……」
さっきのヴェルトの様子が頭を離れない。メーベルはきつく目を閉じると、もう1度強く頭を振った。
いつもより一層ヴェルトが艶めかしく見えるのだ。それはもう……理性が飛んでしまいそうな程。あの美しい人を組み敷いて、自分の物にしてしまいたい位。
(違う、違うんだ)
メーベルは歯を食いしばった。恩義のある先生に、俺は何を考えているんだ。ここで何か事を起こしてはいけない。今のままで、俺は幸せなのだから。
―――先生の傍にさえいられれば。
メーベルは逃げ散らかしそうになっている理性達の首根っこを何とか掴んで引き戻す。そして健気にも料理を再開したのだが。
「おや……戻って来ないと思ったら夕食の支度か。今日の献立は何かい?」
ヴェルトの声に、メーベルはびくりとその背を伸ばした。
「ふーん、馬鈴薯の揚げ物……?」
「ええ、先日寝子島で食べたものが美味しかったので、こちらでも作れればと思いまして」
メーベルはピンと背筋を伸ばしたままヴェルトを見ずに返事をする。ヴェルトはその背に面白そうに笑うと、静かに彼に近づき、後ろから突然抱き着いた。そしてメーベルの反応を確かめるようにその顔を覗き込んで言った。
「この間のころっけのつもりか……期待しているよ」
メーベルは動かなかった。その美しい顔を少しも崩す事なく、彼は口を開いた。
「……危ないので、離れて下さい」
ヴェルトはしばらく直立不動のメーベルを見上げていたが、やがて彼から腕を離すと肩を竦めた。
(意地を張って……つまらない男だね、まったく)
「出来たら寝室まで呼びに来たまえ」
そう言い捨てるとヴェルトは台所から出て行った。そして寝室のドアが閉まる音を聞いた途端。
ほぉ~っとメーベルは長い息を吐くと、その場にしゃがみ込んだ。
「……失礼します」
ノックと共に、メーベルはヴェルトの寝室のドアを開けた。少年の体には少々大きすぎるベッドに優雅に横になっていたヴェルトは、「入りたまえ」と言うと煙草の火を消した。
「夕食の準備が整いました」
「ああそうか」
ヴェルトは頷くと体を起こし、ナイトテーブルにある小さなガラスポットに手を伸ばした。
「……ミント飴を舐めるのですか、先生? すぐに夕食ですが」
「ああ、君の手料理だから確り味わいたいのさ」
ヴェルトは悪戯っぽく言うと、ポットから飴を取り出し口に放り込む。そしてまた撓垂れるようにベッドに横になると、片肘で体を支え、メーベルを見た。
「ところで君、足が疲れた。運んでくれ」
ドクン、とメーベルの心臓が跳ねた。ヴェルトの姿に魅入られたように、メーベルはゆっくりとベッドに近付いていく。どこまで近付けるのか己の足に問いながら。どこまで、俺の理性は持つのか。
静かにベッド脇に立ったメーベルに、ヴェルトは片手を差し出した。
「さ、早く」
「……子供ですか」
カラカラの喉からメーベルは声を絞り出す。ヴェルトは艶っぽく笑い、自分を見下ろすメーベルを双眸をひたと捉えた。
「子供だろう?」
「……手の掛かるお子様ですね」
ギリギリの、攻防。メーベルは浮かされるようにヴェルトに両手を伸ばした。2人の間にピンと張られた見えない細い線を切らないように。これを切ったら俺は何をするか分からない。
それなのに。抱き上げた瞬間、美しい悪魔はメーベルの首に両腕を回し、
「くく……早くしてくれ」
と囁くと、彼の耳朶をそっと噛んだのだ。
プチン。
糸が切れた。
ボスンとヴェルトはベッドに投げ出され、組み敷かれた。金の髪が扇情的に広がる。
ヴェルトの細い手首をメーベルはベッドに押しつけ、覆い被さった。……これは、本当に彼なのだろうか? メーベルは、驚くべき変貌を遂げていた。
エメラルドグリーンの瞳は血のように赤くなり。
アッシュブロンドの髪からは毛に覆われた耳が生え、牙に似た八重歯を光らせ低く唸り声を上げている。
―――そう、その姿はまるで人狼。身も心も狼になったメーベルは、容赦なくヴェルトの唇を奪った。
(……困った犬だね)
荒れ狂うようなキスを受け止めながらヴェルトはそのアメジストの瞳を天井に向けていた。
(ここまでか)
心の内で呟くと、ヴェルトは舐めていたミント飴を自分の舌を絡め取っていたメーベルの舌に載せる。その異物を舐めた瞬間、パッとメーベルの体が離れた。
「あ……俺」
そう呟くとメーベルは気を失い、ヴェルトの体に崩れ落ちた。ヴェルトはその体を横にどかしながら気怠く起き上がり、意識のないメーベルに視線を落とした。
「……やれやれ、僕以外とトラブルを起こさなければいいんだけど」
メーベルはヴェルトに揺り起こされ、気が付いた。
「……あれ、俺は一体……?」
メーベルはヴェルトのベッドに寝ていた自分に戸惑った。さっき俺は先生を抱き上げようとして……その後の記憶が無い。
「目覚めたかい? 中々面白かったよ、君。さぁ夕食にしないか」
いつも通りのヴェルトに、メーベルは不思議そうな顔を向けた。
「ええ……あの、何かありましたか?」
礼儀正しい狼に、ヴェルトはにっこりと笑った。
「いいや、べつに」
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担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年07月14日
参加申し込みの期限
2017年07月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年07月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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