ラッカミ村の人狼｜リアクション

ラッカミ村の人狼

【３日目】
　コケコッコー！！！！！！！！！！！！！！！
「３日目の朝だぜ！　トワくん、起きてるか！？　起きてない……？　起きてれば……。起きあがれ……」
　コケー……。

　トワの死がマモルから報告された。
　マモル、ナガレ、ペルラの間に重い沈黙が下りる。やがて、ペルラが手をあげた。
「昨日の発言を撤回します。【私は狩人ではありません。普通の村人】です。ごめんなさい、本物の狩人はきっと、サキリさんです」
　機械的に話すペルラ。その瞳は泥のように濁っている。サファイアも恥じるほどの美しさを誇っていた瞳が今は見る影もない。すべて人ごとのようにしか感じられなくなっていた。生きることへの希望も興味も尽きていた。
（これは、神が私に下した裁きなのでしょう）
　今なら占いの力が無くても狼がだれだかわかる。ナガレだ。マモルの様子は状況がわからずうろたえている村人そのもの。
「どうして、ペルラくんは狩人だと嘘をついたんだ？」
　マモルと目を合わせ、ペルラは深く絶望する。
（もう、だめなんだ）
　最後の村人、マモル。本来ならペルラと協力するべき相手。
　なのに、ペルラはマモルから自分を信じようとする意志を感じることができなかった。
「トワさんが襲撃される可能性を減らしたかった。真の狩人が対抗して告白すると思っていなかったことがあります。私はブドーさんに白を貰いました。ブドーさんは真占いの可能性があるので――」
　責任感から言葉を紡ぐ。
（私が悪いんだ）

＜投票＞
・ペルラ・サナーレ⇒水守流
・卯木衛⇒ペルラ・サナーレ
・水守流⇒ペルラ・サナーレ

　【本日の処刑者はペルラ】に決まった。
（私が村を滅ぼしたんだ）
「……本当に、そうだったのでしょうか」
（本物の狩人さんに投票した私が、信用されるはずがありません）
「私だけが悪いのでしょうか」
（私は死んでもよかった）
「私は死にます」
　懐から取り出したスノードロップの彫刻が施された小瓶の薬を美味しそうに飲み干す。サキリと同じもの。罪が消えるとは思わないけど、同じ苦しみを味わって死ねる。
（今日はだれも殺さずに済んでよかったな）
　安らかな顔に一筋の涙が伝った。