ラッカミ村の人狼｜リアクション

ラッカミ村の人狼

（……って、あれ？）
　ナガレに喉笛を噛み千切られたマモルの意識は少しの間現世に繋がれることを許されていた。現在はピンクゴールドの鬼火の姿をしている。マモルの姿を見つけ、ブドーの鬼火がふよふよと近づいてきた。
（お疲れ様でした。頑張りましたね）
（その声はブドーさん！　あー、やっぱ俺やられちまったのか。ほかのみんなは？）
（トワさんはご両親が迎えに来られて、先ほど一緒に天に召されました。ペルラさんとサキリさんはあちらに。悪くない雰囲気です）
　銀とピンクのふたつの鬼火が寄り添うように謝りあっているのが見える。
（……声をかけるほど野暮にはなれないなー）
　サキリの気持ちを知っているマモルが苦笑すると、ブドーも朗らかに同意した。
（私でもお話のお相手程度なら務められましょう。処刑の流れについてでも議論しましょうか。狩人両名による占い師護衛でグレーを吊った場合について、貴方の意見を伺いたいです）
（おーっ、いいな！　でも、それよりブドーさんが何で占い騙りしたかを教えてくれよ！）
（いいでしょう。何でもお答えしますよ。時間はたくさんありますからね）

　ふわり、とブドーとマモルの鬼火が少しずつ天に近づいていく。
　行きつく先は天国。
　彼らはもうだれを疑う必要もない。争いの無い穏やかで満ち足りた時間が約束されていた。

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