ねこじま無双・ティンクルスターズ！｜リアクション

ねこじま無双・ティンクルスターズ！

■エリア・ベータ１　トゲあるバラは綺麗なバラか
　所変わって古都商店街エリア。
　無人のお店が並ぶ開けた道路で、椿美咲紀は鬼たちに囲まれていた。
　棍棒や槍を手にすり足で間合いをはかり、今にも攻撃してくる構えだ。
　か弱い女子高生になすすべは無いのか？　否、ここは彼女の夢の中。夢の力が光となり、一輪のバラを生み出した。
　私の武器と言えば、これなのです！
　バラの花を斜めに降れば、不可思議に伸びたつるが鞭のようにしなり鬼をまとめて薙ぎ払う。
　物理法則を軽く無視した衝撃だが、そこが夢の力と呼ばれるゆえんである。
　信じる心が力になる。美咲紀はこと信じる、思い描くという行為において指折りのパワーを持っていた。
「私といえばお花！　お花はとっても強い生き物なのですよー！」
　自分を中心に、新体操のリボンのように螺旋状にくるくると振り回す美咲紀。
　鬼たちがせめあぐねていると、美咲紀は縦横無尽に鞭を振り回して周囲の鬼たちを一斉に吹き飛ばしていった。
　勢いのある鬼が棍棒片手に飛びかかってくるが、リーチと柔軟性にかけては鞭のほうが断然上だ。
「そこなのです！」
　鞭を放ち、弾丸のような速度で鬼のボディを打つ。
　返す刀ならぬ返す鞭で背後に回り込んだ鬼へ鞭スラッシュ。
　つるに生成されたトゲが相手の表皮を切り裂き、血しぶきを上げさせるのだ。
「鞭なら、こんなこともできちゃうのです！」
　ひるんだ鬼の足首に鞭を巻き付け、勢いよく空へと振り上げる。
　これもまた、普通の鞭じゃあできない夢パワーである。
　天高く振り上げられた鬼は、そのまま屋根を越えてどこかへと放られていく。
　通常のバラモードに戻してリンと構えてみせる美咲紀。
「こうすれば私のろっこん能力で仲間の治癒も出来ちゃう。パーフェクトなのです。……けど、仲間はどこでしょう。私だけってことはないとおもうのですけど……？」
　はて？
　と首を傾げたとたん、鬼を放り投げた方向から誰かの声が聞こえてきた。

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