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夢でトキメキましょう
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●あなたという夢
―――朝が来た。
さっき寝直したばかりのはずの
桃川 圭花
は今、制服を着て窓からの明るい光を浴びていた。外には桜が綺麗に咲いている。なぜか圭花は分かっていた。
今日は、卒業式。
荷物のない登校は、何だか不安な気持ちになる。宙ぶらりんな手をどうしていいか分からず、圭花はそれをぶらぶらさせながら登校した。自分達在校生は先に講堂に集合。そして厳かに式が始まり……卒業生が証書を受け取りに、1人ずつ壇上に上がり始めた。
1人……2人……調和の取れた流れ。その流れが進むにつれ、圭花の視線はどんどん下がっていく。無事にあの人が卒業する。それはいい事なのに、喜ぶべき事なのに、私の心の中は苦しくなる。
結局、あの人が証書を受け取る所は見られなかった。ピアノの音が聞こえてくる。あの曲の斉唱だ。せめて、歌だけはちゃんと歌わなくては。
水底から、何かが聞こえる。
獅子島 市子
は目を閉じ、1人落ちていく感覚に身を任せながら、耳を澄ませた。なんだっけこの曲。Auld Lang Syneつーかそう……蛍の光だ。
ぱちりと市子は目を開ける。そこは、寝子高の講堂だった。
(いつの間に……)
市子は辺りを見回した。みんなが涙声で歌っている。自分も、いつの間にか制服を着ていた。
(そっか、卒業すんだあたし)
ぼんやりと市子は思った。
今日で最後なんだ。この制服にソデ通すのも、この講堂で合唱に混ざんのも、そして……。
市子はふっと振り返る。自分達の後ろには、在校生。これだけ生徒達がいるのに、市子はそこだけが浮かび上がるように圭花の姿を見た。
(アイツの姿も見納めか)
じゃれ合った楽しい日々。市子はせめてその姿を焼き付けようと目を凝らすが、どうしても霞んではっきり見えない。
(見納めだっつーのにメガネぼやけてロクに見えねーし)
市子は舌打ちをしてメガネをはずす。そして気が付いた。
(ああ、涙かコレ。……泣いてんだあたし)
瞬きを1つ。涙が頬を音もなく伝った。立ち尽くす市子。そんな彼女を置いて、講堂に響いていた歌声がやみ、斉唱が終わった。
(なんだよ。もう終わりかよ……くそ)
もうすぐ、式も終わってしまう。市子はぐっと乱暴に涙を拭った。
圭花は講堂の外で、卒業生が出てくるのを待っていた。待ってはいるだけで、心の整理はついていない。
笑えばいい? 泣けばいい? 頭の中で色々な気持ちが駆け巡る。と、周囲が騒がしくなった。
講堂から出た市子は外の光に目を細めた。ざあっと風が吹き、桜の花びらが薄い青空に舞い上がる。ようやく明るさに慣れた時、市子は視線の先に自分を見つめる圭花の姿を認めた。その瞬間、圭花が弾かれたように走り寄ってきた。
市子は慌ててまだ涙が残る瞳をレンズの奥に押し込め、シニカルに笑った。
「どーした、水かぶった猫みてーなツラして」
いつものじゃれ合い。けれども圭花は真っ直ぐに市子を見て言った。
「卒業おめでとう、市子先輩」
息を呑んだ。真っ直ぐな祝辞、混じりけのない心。それは直接市子の心に響き……本当に卒業するんだと、圭花と別れるんだと気付かされた。
何かがこみ上げる。けれども市子は笑って言った。
「ありがとう」
ガッコで聞かすあんたへの言葉は、これが最後になるかもしれない。
意地でも屈託なんてないように。これはあたしの最後の矜持。
圭花が手を差し出した。分かっている。これは心を通わせた者の重要な儀式。
制服の第2ボタンを市子は取り外した。さあ、持っていってくれよ、あたしの3年間を。あんたとここで過ごした素晴らしい日々を。
圭花の手のひらの上に、市子は真っ直ぐに手を差し出した。その白い指がそっと開かれる。市子の第2ボタンが、圭花の手に―――。
*******
がば、と圭花はベッドから起き上がった。水底の夢に続いて、今夜2回目だ。
「……市子さん……」
圭花は今までの幻を抱きしめるように呟いた。
市子さんの夢を見る夜は、大抵何度目の夢も彼女ばっかりだ。
でも今日は2回目とも、嬉しくも寂しくもあるような夢だった。
2回目の夢は、本当にありえたかもしれない私達の平行世界。なおさら、心に焼き付いた。
圭花は窓の外に目をやった。まだ空には星が頼りなげに瞬いている。
きっとあの人は、寝てるだろうけど。
……けど。
圭花は机に手を伸ばし、携帯を取った。暗い部屋の中、携帯の液晶画面だけが圭花の顔を照らす。いつも通話履歴の1番上には、あの人の番号。圭花はその見慣れた番号をタップし、携帯を耳に当てた。
部屋も、外も物音一つしない。今世界に存在するのは、このコール音だけ。
理由なんてよくわからない。話すことも考えてない。
でも、理由がなくちゃ、電話しちゃ駄目?
突然コール音が止まる。受話口からあの人の気配が流れ込む。
目を覚ました市子が体を起こしたのと、コール音とともに自分の携帯に圭花の画像が表示されたのはほぼ同時だった。
まごうことなきアイツからの電話。何だか笑ってしまう。
「……ボタンじゃ満足できなくなったか?」
市子は液晶の圭花に小さく笑いかけた。
寝ぼけたアタマで当たり前に夢の続きを思う。実際はガッコなんて殆ど行かずに中退したのに。
でも今はそんなコトなんかカンペキ忘れて。あの第2ボタンをねだった後輩のコトが、この世の誰よりも大好きな先輩の気持ちで、夢よりもっと幸せな電話に出る。
声を聞かせてよ。その声で、あたしに終わらない夢を見させて。
まさか同じ夢を見てたなんて……とか。
そーゆーのは全部あとのハナシ。
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あとがき
担当マスター:
KAN
ファンレターはマスターページから!
KANです。
ご参加の皆様、ありがとうございました!
皆様の素敵な夢を覗かせてもらい、とても幸せな気持ちで書かせて頂きました。
自由な夢の世界。起きた時、あなたの心に何が残ったでしょうか?
『この夢を見て、よかった』と思って頂けたら幸いです。
それでは。
また皆様にお会いできること、楽しみにしています!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年06月03日
参加申し込みの期限
2017年06月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年06月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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