そこは、不思議な空間だった。
光が蒼く入る水の底。沈んだ海底都市のように寝子島の街並が自分の足元に小さく見える。
(これは、水底……? それとも空……?)
通常ならありえない光景だが、
桃川 圭花はぼんやりとしか考えなかった。水が媚薬のように心のひだまで忍び込む。
(どちらでも、いいか)
目の前の
獅子島 市子の静かな笑みを見て、圭花はそう結論づけた。市子さんがいるなら、もうそれだけで充分だ。
タツノオトシゴのようにフワフワと水の流れに翻弄される2人。手を伸ばす。待って、市子さんと離ればなれにしないで。
圭花の伸ばした白い指先を、市子がしっかりと絡め取り、くっと引き寄せる。そして安堵する圭花の口に、ひょいとチョコを押し込んだ。
(甘い……)
チョコと彼女の笑顔。何もかも甘く、私を溶かしていく。
このまま溶けて、泡になってもいい。あなたが、いてくれるのなら。
2人きりの水の底。抱き合いながら、ゆっくり、ゆっくりと落ちていく………。
*******
(……!)
ガバリとベッドから起き上がった圭花は思わず辺りを見回した。そこはいつも見慣れた寮の部屋。勿論水没してることもなく、窓の外には月が冴え冴えと輝いている。
どうやら、夢だったらしい。けれどもあの寂しいけれど温かい水底は、何と幸せだったことか。
圭花は目覚まし時計の蛍光表示を確認すると、ベッドに潜り込んだ。
夜が明けるまで、後数時間。あなたの面影を探し、私はまた眠りにつくのだ。
―――夢で、逢いましょう。
こんにちは! KANです。
今回は夢のシナリオをお届けにあがりました。
ガイドに登場頂きました、桃川 圭花さん、獅子島 市子さん、ありがとうございます。
もし参加頂ける場合はガイドにとらわれず自由にアクションをかけて下さい。
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あなたのある夜の夢を描写します。
基本的にドキドキしたり、嬉しかったりする夢なら何でも構いません。
夢なので、シチュエーションは自由です。お姫様になってたり、男女逆になったりもあるかもしれませんね。
普段より行動的で、大胆になってるかも……? 夢ならではのシチュエーションをお楽しみ下さい。
ガイドのようにそれぞれが共通する夢を見る場合には、必ずGAを組んで下さい。
基本夢のシチュエーションのみを描写しますが、寝る前や起きてからの描写も可能です。その場合は夢の描写は薄くなります。
NPCは特定のマスターさんのNPC以外は登場出来ます。
その際出来ることは、抱きしめる(られる)、手を繋ぐ程度までです。
自由で素敵な夢の世界をお楽しみ下さい!